青単コントロール
------------Frank Karsten
青いコントロールデッキはマジック黎明期から存在していました。そして、その青系コントロールのほぼ全てに搭載されていたのが、ご存知《対抗呪文/Counterspell》でした。相手の唱えるどんな呪文もたった2マナで「No!」と言えるのはまさに驚異的です。まるでゲームを支配しているような高揚感は多くのプレイヤーたちを魅了していきました。青いデッキは、使う側には快楽この上ないのですが、一方で、使われる側には苦痛この上ないものです。さて、この記事ではスタンダードにおける青単について述べてみましょう。どの色の助けも借りない完全なる青“単”です。もちろん、白を足しての《神の怒り》や、緑を足しての《永遠の証人》も魅力的ですが、青は単色でも充分デッキとして成立するのです。単色であるが故、色事故を回避できるのはもちろんのこと、《島》以外の基本地形を使う必要がないので《ヴィダルケンの枷》の力を遺憾なく発揮できるというメリットもあります。
しかし、ここで一つ疑問があります。青単はスタンダードで最良のデッキたり得るでしょうか? 残念ながら答えはノーです。青単は、親和とトロンという環境の2大巨頭デッキに対して、あまり有利とはいえません。でも、絶望的なまでに相性が悪いかというと、そうでもなく、実は青単は環境のほぼ全てのデッキとそれなりには戦えるのです。
もし、スタンダードの大会でぜったい勝ちたいのなら、私はまず親和をお薦めします。親和は間違いなく環境のベストデッキですからね。デッキパワーの高さはもとより、勝てないマッチアップが存在しないというのが親和最強たる所以です。でも、もし貴方が《荒廃者》と《信奉者》に飽き飽きしていて、しかもカウンターデッキがお好きならば、ぜひ青単を手にとってみて下さい。
私がこれからお見せする青単は、往年のドローGO型のデッキとは若干違います。ドローGOは、対戦相手のプレイするスペルほぼ全てを打ち消すために、莫大な量のカウンターを積んでいます。でも、最近のスタンダードでは、親和はカウンターで凌ぎきるにはあまりにも速すぎますし、トロンは《母聖樹》を探し出してくることで、カウンターベースのデッキを根本から崩壊させます。しかも、《無効》《マナ漏出》《卑下》といったカウンターは、確実に致命的なスペルを打ち消せるとは限りません。ですので、私のデッキのゲームプランは、序盤をカウンターで耐え、中盤は《泥棒カササギ》と《ヴィダルケンの枷》で盤面をコントロールし、終盤は《メロク》や《京河》で一気に片を付けるといった感じです。時にはタップアウトでフィニッシャーをキャストすることもありますが、この戦略はだいたい上手くいきます。
新環境になってすぐに、マイク・フローレスが青単コントロールの優位性について述べてました。また、クリス・ゴディングはクイーンランドの州選手権を青単で優勝し、充分にトーナメントレベルのデッキであることを証明してくれました。
それらを踏まえた上で、私のデッキをお見せしましょう。
クリーチャー:9
4《泥棒カササギ/Thieving Magpie》
3《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
2《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
スペル:25
3《無効/Annul》
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《卑下/Condescend》
4《邪魔/Hinder》
4《残響する真実/Echoing Truth》
4《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
2《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
土地:26
3《隠れ石/Stalking Stones》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
22《島/Island》
サイドボード:15
4《機械の行進/March of the Machines》
4《秘宝の障壁/Relic Barrier》
3《時間の名人/Temporal Adept》
2《最後の言葉/Last Word》
1《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
1《無効/Annul》
どうでしょう? さて、ではカード選択について解説を加えていきましょうか。
--青いレジェンドたち
《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
これは神河リミテッドでは間違いなく最強カードの一角ですが、実は構築でもかなりのパワーの持ち主なのです。エクステンデッドですら、このカードは使われているんですよ。実際、私はPTコロンバスにアルーレンで出場しましたが、サイドにはこのカードを仕込んでおきました。何故ですって? アルーレンのような特定のカードに依存するコンボデッキは《頭蓋の摘出》に弱いので、《生ける願い》からの第二の勝ち手段が必須だったんです。《メロク》は、この役目にうってつけでした。実は、私はアルーレンコンボで勝ったのと同じ位の数、この《メロク》によって勝ったんですよ。少し話が逸れましたが、《メロク》はこれ程のパワーカードでありまして、いわんやスタンダードの青単をや、といった所です。攻撃と防御の両面において、《メロク》は大活躍してくれるでしょう。
《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
まぁ神河レジェンドの中では《メロク》がベストカードでしょうが、《京河》も決して引けを取りません。相手のクリーチャーを奪うこの能力は、緑系デッキと対戦した時にその威力を最大限発揮します。また、この能力を恐れて相手が《京河》を殺さなかったら、それはそれで5/5飛行が迅速に相手の息の根を止めてしまうのです。
------------Frank Karsten
青いコントロールデッキはマジック黎明期から存在していました。そして、その青系コントロールのほぼ全てに搭載されていたのが、ご存知《対抗呪文/Counterspell》でした。相手の唱えるどんな呪文もたった2マナで「No!」と言えるのはまさに驚異的です。まるでゲームを支配しているような高揚感は多くのプレイヤーたちを魅了していきました。青いデッキは、使う側には快楽この上ないのですが、一方で、使われる側には苦痛この上ないものです。さて、この記事ではスタンダードにおける青単について述べてみましょう。どの色の助けも借りない完全なる青“単”です。もちろん、白を足しての《神の怒り》や、緑を足しての《永遠の証人》も魅力的ですが、青は単色でも充分デッキとして成立するのです。単色であるが故、色事故を回避できるのはもちろんのこと、《島》以外の基本地形を使う必要がないので《ヴィダルケンの枷》の力を遺憾なく発揮できるというメリットもあります。
しかし、ここで一つ疑問があります。青単はスタンダードで最良のデッキたり得るでしょうか? 残念ながら答えはノーです。青単は、親和とトロンという環境の2大巨頭デッキに対して、あまり有利とはいえません。でも、絶望的なまでに相性が悪いかというと、そうでもなく、実は青単は環境のほぼ全てのデッキとそれなりには戦えるのです。
もし、スタンダードの大会でぜったい勝ちたいのなら、私はまず親和をお薦めします。親和は間違いなく環境のベストデッキですからね。デッキパワーの高さはもとより、勝てないマッチアップが存在しないというのが親和最強たる所以です。でも、もし貴方が《荒廃者》と《信奉者》に飽き飽きしていて、しかもカウンターデッキがお好きならば、ぜひ青単を手にとってみて下さい。
私がこれからお見せする青単は、往年のドローGO型のデッキとは若干違います。ドローGOは、対戦相手のプレイするスペルほぼ全てを打ち消すために、莫大な量のカウンターを積んでいます。でも、最近のスタンダードでは、親和はカウンターで凌ぎきるにはあまりにも速すぎますし、トロンは《母聖樹》を探し出してくることで、カウンターベースのデッキを根本から崩壊させます。しかも、《無効》《マナ漏出》《卑下》といったカウンターは、確実に致命的なスペルを打ち消せるとは限りません。ですので、私のデッキのゲームプランは、序盤をカウンターで耐え、中盤は《泥棒カササギ》と《ヴィダルケンの枷》で盤面をコントロールし、終盤は《メロク》や《京河》で一気に片を付けるといった感じです。時にはタップアウトでフィニッシャーをキャストすることもありますが、この戦略はだいたい上手くいきます。
新環境になってすぐに、マイク・フローレスが青単コントロールの優位性について述べてました。また、クリス・ゴディングはクイーンランドの州選手権を青単で優勝し、充分にトーナメントレベルのデッキであることを証明してくれました。
それらを踏まえた上で、私のデッキをお見せしましょう。
クリーチャー:9
4《泥棒カササギ/Thieving Magpie》
3《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
2《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
スペル:25
3《無効/Annul》
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《卑下/Condescend》
4《邪魔/Hinder》
4《残響する真実/Echoing Truth》
4《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
2《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
土地:26
3《隠れ石/Stalking Stones》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
22《島/Island》
サイドボード:15
4《機械の行進/March of the Machines》
4《秘宝の障壁/Relic Barrier》
3《時間の名人/Temporal Adept》
2《最後の言葉/Last Word》
1《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
1《無効/Annul》
どうでしょう? さて、ではカード選択について解説を加えていきましょうか。
--青いレジェンドたち
《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
これは神河リミテッドでは間違いなく最強カードの一角ですが、実は構築でもかなりのパワーの持ち主なのです。エクステンデッドですら、このカードは使われているんですよ。実際、私はPTコロンバスにアルーレンで出場しましたが、サイドにはこのカードを仕込んでおきました。何故ですって? アルーレンのような特定のカードに依存するコンボデッキは《頭蓋の摘出》に弱いので、《生ける願い》からの第二の勝ち手段が必須だったんです。《メロク》は、この役目にうってつけでした。実は、私はアルーレンコンボで勝ったのと同じ位の数、この《メロク》によって勝ったんですよ。少し話が逸れましたが、《メロク》はこれ程のパワーカードでありまして、いわんやスタンダードの青単をや、といった所です。攻撃と防御の両面において、《メロク》は大活躍してくれるでしょう。
《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
まぁ神河レジェンドの中では《メロク》がベストカードでしょうが、《京河》も決して引けを取りません。相手のクリーチャーを奪うこの能力は、緑系デッキと対戦した時にその威力を最大限発揮します。また、この能力を恐れて相手が《京河》を殺さなかったら、それはそれで5/5飛行が迅速に相手の息の根を止めてしまうのです。
コメント