ソース:
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/ptphi05/feat2

テッド・ナットソン

デッキの多様性という点では、このプロツアーは私がかつて出場した中でも類を見ない大会となった。同じタイプのデッキと言ってもデッキの中の50枚のカードが同じだけで、残り10枚がまったく別物なこともしばしば。だから、相手のデッキがどう設計されていてどういう風に動くか予想するのすら困難なのだ。なので、もっと精度の高いデッキ分析はPT終盤での記事に譲るとして、メジャーなアーキタイプだけ拾っていこう。これを見るだけでも、この環境の多様性が伺えるだろう。

蛇 - 78
けちコントロール - 49
白ウィニー - 48
黒緑 - 27
白赤レジェンド - 12
明神フレア - 11
けち明神フレア - 7
星の揺らぎ - 10
黒単アグロ - 7
青緑赤レジェンド - 5
忍者アグロ - 3
凧エンジンコントロール - 3
御霊/裂け目デッキ - 1

蛇デッキ
蛇デッキは《桜族の長老》《そう介の召喚術》《せし郎》がほぼ全てのデッキで使われているカードで、より早く《せし郎》まで辿り着くために、たいていは《さ千》も入っている。基盤となる部分を除くと、蛇デッキは実にバリエーションに富んでいる。一番多いのが、赤を加えて《伍堂》を散らし《十手》や《辰正》をサーチするパターン。蛇デッキを選択した有名プレイヤーは、ブライアン・キブラーやジャスティン・ゲィリーなどだ。

けちコントロール
蛇デッキ同様、《けちな贈り物》デッキも基盤となるカードと、バリエーションの部分に分けられるデッキだ。このデッキの戦術は、相手にとって理不尽な《けちな贈り物》を叩きつけてアドバンテージを確保すること。いくつかのデッキは、クリーチャーデッキを完封する《花の神》《天空のもや》エンジンをメインから搭載している。また、デッキに1枚ずつ詰め込んだレジェンドを状況によってサーチしてくるデザインのものも、多く見受けられた。オランダ勢の多くがこのデッキを選択している。先週のブライアン・ディビット・マーシャルの金曜のコラムで、ミネソタのプログループとして紹介された彼らだ。

白ウィニー
クールなデッキを使えないんだったら、原点に立ち返るのもいい。原点のデッキたる白ウィニーは、大きく2つのタイプに分類される。よりスピードに特化したものと、、《運命の日》を使うためにレジェンドを多用したものだ。フランク・カルステンやカミエル・コーネリッセンなどの有名なオランダ人数人がこのデッキを使っていて、最新の情報によれば、日本勢でも何人か使用者が居るらしい。

黒緑
この環境、黒と緑のカードの強さが抜きん出ていて、その2色を融合させたのがこの黒緑だ。このデッキに《伍堂》のために赤を加えてタイプや、《メロク》のために青を加えたタイプも存在する。これらを引っくるめて、つまり「相手のチビを蹴散らして、俺のデカブツで殴るぜ」デッキだと分類できる。

白赤レジェンド
別名、白赤侍デッキ。白い侍と白い除去に加えて、赤い《伍堂》で打撃力アップって感じだ。

明神フレア
クールなデッキ発見。日本人レポーター森慶太によれば、日本勢の明神デッキは石田格の原案だそうだ。そして、このデッキで目覚しい活躍をしてるのが日本のスターの一人、浅原晃なのだ。このデッキは、《春の鼓動》と緑のマナ加速をエンジンとして、高コストの爆弾カードをキャストするタイプのデッキだ。

けち明神フレア
ノーマルな明神フレアを発展させたのがこのデッキで、石田格は最終的にはこれをプレイすることに決めたようだ。浅原のデッキに比べると、実に多種多様な《明神》が搭載されていて、さながら《けちな贈り物》を《直観》のように使えるデッキに仕上がっている。

星の揺らぎ
この悪戯心に満ちたデッキではフランス特有のものだ。そして、フランスを代表するほとんどのプレイヤーはこのデッキを選択している。《春の鼓動》などのエンジンでマナを加速し、《星の揺らぎ》をプレイし盤面を一掃、引いた7枚のカードと浮いたマナでフィニッシャーをキャストして勝利。まるで往年の《激動》デッキのような勝ち方で、抵抗できない相手をねじ伏せる。

青緑赤レジェンド
藤田剛史特製のこのデッキは、他のデッキリストとは一線を画している。青と緑のレジェンドを4枚積みし、チューターと伝説のパーマネントがその脇を固めているんだ。

忍者アグロ
ガブリエル・ナシフの最新作たるこのデッキは、プレイテスト中にルーエル兄弟に拒絶されてしまったが、ナシフの親友モーガン・ダグラスには気に入られたようだ。モーガンはこのデッキで4-1スタートを記録した。《十手》と3種類の青忍者(《霧刃の忍び》《深き刻の忍者》《日暮》)、それに少量のカウンターによって盤面を支配するデッキだ。

凧エンジンコントロール
会場内の噂の的、カイ・ブッディ操る《旅行者の凧》《師範の占い独楽》デッキだ。暴走機関車ジャーマンジャガーノートの快進撃は、5ラウンドで当たったジェルガー・ウェイガズマの初日連勝記録すら食い止めた。このデッキは黒白ベースで、コントロール系のカードが満載され、《墨目》や《幽孤羅》をフィニッシャーに据えている。カイの説明によれば、環境すべてのコントロールデッキに勝てるようにデザインしたとのこと。マジック史上もっとも偉大なプレイヤーが、力強く2日目に突き進む。

御霊/裂け目デッキ
会場内でただ一人、この興味深いデッキを使ってるのがオランダ人ブラム・スネップベンジャーズだ。このデッキは《御霊の復讐》と《裂け目の突破》を使ったリアニメイター型のデッキで、巨大クリーチャーを相手に叩きつけて勝利する。このデッキで出場したこと自体が、よもや賞賛に値するだろう。

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