さて、で。今日は、僕が予選に持っていったデッキの調整過程を書いてみる。

ティム・アトンの黒単ネズミ、トリッキーでシステマチックでスリリングな、すっげ良いデッキなんだけど、プレイテストを重ねるにつれ色んな不満点が出てきた。

まず、《ヴィダルケンの枷》や《梅澤の十手》が出てしまうと、デッキが機能しなくなる点。黒単って性質上、アーティファクトは鬼門なのはしゃーないんだけど、サイドの《減衰のマトリックス》に頼りっきりというのは如何にも心許ない。当然、「メインじゃ○○に勝てませんよ〜」って事態が頻発した。さてどうしたもんか。
ここで思い立ったのが、アーティファクト除去のために緑を加えること。アーティファクト破壊なら別に赤でもよさげなんだけど、緑には《ヴィリジアンのシャーマン》が居るんだ。コイツは《霊気の薬瓶》から出せるんで色マナ事故を起こしにくいし、しかも忍術で回収できる!
我ながら素晴らしいアイディアだと思った。でも、後で知ったことだけど、アントニオ・デ・ローサも同じことを考えてたらしい。うーむ。なんか僕とデ・ローサって思考回路似てるのかな。
Mono-Black Aggro
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?id=5361


また、ネズミデッキの殴り値の低さも、実は大きな欠点だった。“実は”ってのは、僕もO橋に指摘されてやっと認識できた欠点だった。そう、《大牙の衆の忍び》で手札ゼロにしようが、《頭蓋の摘出》で《歯と爪》抜こうが、殴り値が低すぎて相手に体勢を立て直す時間を与えてしまってた。そこで、これまたO橋のアイディアで、《融合する武具》を加えることになった。
 カバ「何枚入れるの?」
 O橋「もちろん4枚」
このカードの強さに懐疑的だった僕は、半信半疑でプレイテストにかけてみたんだけど・・・。強んよ。《鼠の殺し屋》に3ターン目に着いて4回殴って勝ち、とか、《ネクラタル》に着いて地上ビタ止まりとか。入れただけで、突然勝率がアップした。しかも、“はずしたら死ぬ”《融合する武具》のデメリットは、忍術で引き剥がせば回避できるわけで。ライフで負けていても、突如として《融合する武具》付き《ネクラタル》が殴りに行って、ダメージスタックした後に忍術で回収して、もう1回キャストみたいな感じで、デッキのトリッキーさが更にアップ。
 O橋「サイドに《墓穴への契約》入れるんだったら、自殺手段にもなるじゃないですか。《融合する武具》強いですよ。」
にゃるほど、確かに強かった。

そんなこんなで、出来上がったデッキが以下。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クリーチャー:26
 4《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》
 4《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》
 4《骨奪い/Skullsnatcher》
 4《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
 3《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
 4《ネクラタル/Nekrataal》
 3《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》

スペル:11
 3《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
 4《融合する武具/Grafted Wargear》
 4《霊気の薬瓶/AEther Vial》

土地:23
 4《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
 4《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 2《真鍮の都/City of Brass》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 12《沼/Swamp》

サイドボード:15
 4《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》
 3《骨齧り/Marrow-Gnawer》
 3《墓穴までの契約/Grave Pact》
 3《残響する衰微/Echoing Decay》
 1《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

全体的に187に傾倒して組んでみた。2ターン目《鼠の殺し屋》、3ターン目《騒がしいネズミ》、4ターン目《ネクラタル》みたいな展開が理想。
このデッキのキモはなんと言っても《霊気の薬瓶》。忍術した《ネズミ》をテンポ良く出せるし、ブロック宣言前に《ネクラタル》を出したり、ドローステップに《騒がしいネズミ》を出したり、と色んなトリックを体現してくれる。

○《鼠の短牙》不在
いや、重いっ。能力起動してる暇もない。

○《喉笛切り》《大牙の衆の忍び》不在
無くても勝てるってのが、不採用の理由。このデッキは結局、2ターン目に生物出して、3ターン目に187して、4ターン目に装備して殴るデッキだから、重い忍術ってのは無用だった。

○《骨齧り》
ほぼ対緑コン専用兵器。相手の《緑ビーコン》の攻勢を2ターン凌げれば、何故か数で上回れるようになる。しかも、ダメージ解決前にネズミをサクれるので、相手の《十手》にカウンターが載らなくなるのも精神衛生上素晴らしい。こっそり畏怖が付くので、膠着した時とかにも重宝。

○《墓穴までの契約》
対トロン用のカードを探してる最中に辿り着いた1枚。《トリスケリオン》+《メフィドロス》のロック状態から抜けることができる、黒系デッキの数少ない回答の一つ。追加の《恐怖》として、《弧炎撒き》対策にサイドインすることもある。

☆このデッキの長所
まず、懐かしい。“クラゲタル”って言葉がわかる世代の人には共感してもらえるんじゃないかな。3ターン目・4ターン目を187しながら2/2で殴るこの感触。
あと、緑コンに強い。メインでも5:5くらいの相性なんだけど、サイド後はフルボッコにできる。《骨齧り》は対緑コン用の、夢のパーフェクト超人なので、こいつが出てたら《緑ビーコン》2連打とか食らわない限り、まず負けない。

☆このデッキの短所
まず、無駄に難しい。随所にトリックが入っていて、むしろトリックしか入ってないくらいの勢いなので、1ゲームに付き1個くらいはミスる。そして、デッキパワーがそれ程高くないので、ミスるとたいへん痛い。
それと、トロンに弱い。メインで相手の《歯と爪》を妨害する手段が皆無なのは、さすがにデッキ構築として間違っていた。更に、《弧炎撒き》を除去できる手段も少なすぎた。

実際に予選でも、トロンに普通に回られたので1敗、赤系デッキに《弧炎撒き》を出されて2敗している。ここら辺の反省を踏まえた上で、明日の日記に改善案を書いていこうと思う。

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