メロク対立。

生物対策として白眉の《制圧の輝き》ですが、種となる生物が必要です。トークン量産機としてセレズニアでは《セレズニアのギルド魔道士》や《ヴィトゥ=ガジー》を使うところですが、このデッキではその役目を《メロク》としました。

デッキのベースはあくまで緑青アグロ、そのテンポ的な展開を崩さずに、メロク対立も両立させる、というかなり欲張りなことをした結果、上の様なレシピになったわけです。ベースの部分については解説を6月14日の日記に譲るとして、調整の過程となった部分について解説をしましょう。

☆《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
トークンを増やすだけなら《セレズニアのギルド魔道士》でも何でも良いじゃん、と、確かにそうなのです。が。このカードを選んだ理由はオルゾフ系ビートへの耐性を考慮してのことです。殺されさえしなければ、《メロク》はたった1枚でオルゾフを制圧してしまう生物です。そして、殺されさえしなければと言う部分は《小蛙》や《マンタ》が担なってくれます。

☆《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》がサイド
別にこのカードが弱い瞬間は無いんですが、メタ的にメインに必要かと言われると、あまり必要じゃなかったんです。カウンター構えながら殴るっていうコンセプト上、この重さが動きとして冗長に感じました。刺さるマッチアップには確かに頼もしい存在ですし、《忍者》で回収してもう4ライフってのも魅力的でしたが、サイドに下がってもらうことにしました。

☆《邪魔/Hinder》?
そう《マナ漏出》じゃなくて《邪魔》です。
プレイテストを重ねるにつれ、どうも、《マナ漏出》が弱いなぁって感じる瞬間が増えてきたんですね。で、何故なんだろうと考えてみるに、相手が《マナ漏出》を警戒したプレイングをしているからだと気が付いたんです。この緑青アグロは意外と打撃の線が細く、実は《マナ漏出》用に3マナ確保してから展開されてしまってもクロック的に間に合ってしまうのです。《マナ漏出》を使っていた頃は、セレズニア相手にマナ残されて《陽星》といわれ、ビタ止まりして逆転されたこともありました。まして対トロンでは、揃ってしまってからの《燎原の火》という負けパターンに何度煮え湯を飲まされたことか。なので確定カウンターなのですよ。

そうそう、カウンターの選定にあたりクリティカル・マスを比較対象として考察してみましょう。クロックが重く序盤の守りが薄いクリティカル・マスは、《邪魔》や《虚空粘》を使うよりもむしろ、《マナ漏出》と《差し戻し》の軽量カウンターを使った方がデッキコンセプトにマッチします。対して、序盤に軽いクロックを展開し、それを守り切るスタイルのこのデッキは、後半にマナがフリーになるのですから確定カウンターを積むべきだ、とようやく気付いたわけです。というわけで、《邪魔》を採用した次第です。

☆サイドボード
かなり綺麗にサイドボーディング出来るようにしました。基本的にはこんな感じです。
対ビートダウン
 In:《教主》4、《制圧の輝き》1、《ガジー》2
 Out:《忍者》3、《邪魔》3、《差し戻し》1
対コントロール
 In:《ヒヨケムシ》4、《忍者》1、《呪文嵌め》3
 Out:《十手》4、《制圧の輝き》3、《メロク》1

コメント

nophoto
黒々
2006年7月23日8:19

お初にお目にかかります。
以前より自分も脳内で考案しては挫折していたデッキプランに酷似していましたので、大いに参考にさせて頂きました。

邪魔に関して。

自分はやはりメインはマナ漏出ではないか、と思うのです。
経験測を元にされていらっしゃる件、

 1、セレズニア
 2、トロン

に関して、自分の印象をば。

1:確かにマナ漏出の3マナを簡単に残されることだと思います。ですがこのマッチアップですと、一番の焦点は「制圧の輝き」勝負になるのではないでしょうか?

  たとえ陽聖を出されてしまったとしても、輝きさえ出ていれば対処は出来ます。相手もこちらと同じく、直接クリーチャーに対処出来るのは十手だけ。サイド後に神の怒りを投入されない限り、クリーチャーを並べるのは容易ではないかと考えるのです。

2:トロン相手を考えると確かに確定カウンターは正解だとは思います。ただ、トロン以外にはマナ漏出の方が優位性を保ち易い気がするのです。呪文嵌めメイン純正白青コンの神の怒り、これ相手も邪魔の方が優位ですが・・・。

結局何が言いたいかと言うと、「ビートにもコントロールにも一定の働きが期待出来るマナ漏出がメイン」、「コントロール各種への牽制力に優れるがビートダウンには重い邪魔はサイド」ではないかなぁ、と。

そして、後手スタートで1マナクリーチャーをグルール・ZOOなどに除去された際の2マナのアクション保持、という観点でもマナ漏出が優れるのではないか、と

こういったクロックパーミッションが主にコントロールをメタったものであること、シーストンピィが対ビート・対コントロールカードを両方メインに積んでいたこと、双方も理解したつもりの上で、あえて質問させて頂きました。

非常に長文でのコメント、失礼致しました。

カバ雄
カバ雄
2006年7月25日21:37

>>黒々さん
ふむ、《マナ漏出》と《邪魔》について、とは少し外れてしまう話になるかと思いますが、語ってみましょう。

いまのスタンダードのアグロ系のデッキというのは、速攻を仕掛けるための“軽い”部分と、中盤以降に攻勢を維持するための“重い”部分が混在してデッキとなっているものが殆どなんです。仙台の友人の言葉を借りれば「遠心分離機にかけたような」デッキ、という感じです。

まぁそれというのも神河ブロックの所為なんですが。神河というのが、これがまた意欲的なエキスパンションでして、これまでのマジックの歴史で軽視されがちだった“中盤での生物戦闘”に主眼を置いています。緑の2マナ域を空前の欠乏時代とし、それでいて4〜6マナら辺に強力な生物を山のように作るわけですから、そうなるのは言わずもがな。

で、脱線しかけたので話を元に戻しましょう。“遠心分離機”デッキにおいて、対処すべきカードはわりと多いです。対セレズニアを例にとると、《制圧の輝き》であったり《北の樹の木霊》だったり《陽星》だったり、と。でも、その全てがマスカンかと言うと、実はそうではありません。ご指摘のように1体目の《陽星》ならこちらの《制圧の輝き》で何とかできます。でも、じゃあ2体目は? 《陽星》じゃなくて《北の樹の木霊》だったら? 
そう、《マナ漏出》という「確実には打ち消せない」スペルを使っていると、対処できなくなる状況が非常に多くなってしまったのです。使っているのが《マナ漏出》である以上プレイングにフィードバックできない、でも《邪魔》ならプレイング次第で何とかなった、そういうことなんです。

相手のデッキが画一的な展開をする“金太郎飴”デッキなら、こちらも《マナ漏出》と《差し戻し》で対処することが出来ました。でも、今の時代のアグロは“遠心分離機”デッキなのです。プレイングに幅を持たせる意味で、《邪魔》を採用した次第です。

nophoto
黒々
2006年7月26日17:04

ご丁寧な返答ありがとうございました。

「遠心分離機」のようなデッキ。
大いに納得です。
セレズニアしかり、オルゾフしかり。
いや、オルゾフはデザインによって若干異なりますが・・・。
確かに、そういうデッキ相手には「邪魔」ですね。
「北の樹の木霊」などは特に・・・。

おそらく見解の相違として、

自分はDECK TO BEATとして、グルールを中心に据えていた。

ここが一番の違いなんだろうと思います。

グルールは「遠心分離機」という意味では該当しない動き。
後半は火力toプレイヤーですから。
そういう意味では「金太郎飴」ではないでしょうか?

主に、自分も頭を悩ませた「ロクソドンの教主はメインかサイドか?」という点でのカバ雄さんの結論からも、対応デッキの相違を感じ取れます。

そこで、ようやく原点に立ち返りまして。

デッキをチョイスするにあたり、必要なのはデッキパワーとDECK TO BEATの選別だということをもう一度、熟考してみました。

カラー、青緑白。

メタ:トロン・太陽拳(白青系)・セレズニア
     ↓
   クロックパーミッション

メタ:グルール・ZOO・トロン
     ↓
   セレズニア(タッチ青)

という、容易な結論が導き出されました。

自分がデッキの選択理由を見失っていたのかな、と。

若干、カバ雄さんの判断基準を勝手に推測してしまっての結論の出し方ではあると思うのですが、自分の結論として。

青緑タッチ白のクロックパーミッションの選択理由・デッキパフォーマンスを考慮すれば。

「邪魔」がベターであろう、と。

これだけ、長々と投稿してこの結論ですが(笑)

たったこれだけのことですが、熟考する機会を頂けたことに感謝致します。

コールドスナップ対応、オーランのバイパー・ルーンのもつれを投入してのカバ雄さん流青緑タッチ白クロックパーミッション。
是非、読ませて頂きたいと願っております。

またしても長文にて失礼致しました。

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