エクステンデッドの動向?
2008年1月13日 Extended
【A4】
MTGOのトーナメントでは、2・3マッチ目あたりに必ずと言っていいほどアンチ親和デッキみたいなデッキに当たる。それほどに親和はメジャーなアーキタイプだ。私は、親和について最新版を完全に把握してるわけではない。例えば先日、ビル・スタークが《バネ葉の太鼓》を入れたバージョンを発表していたくらいには把握しているが。いずれにしろ、親和は全盛期の力を取り戻しつつあり、その勢力は、他のデッキのサイドやメインに親和対策専用カードを採らせるのに足るものだ。なにしろ、ちょっとした除去やブロッカーを物ともせず、簡単に4ターンキルを成し遂げてしまうのだから。
実のところ、《太鼓》のおかげで《荒廃者》or《頭蓋囲い》と言ったパワーカードに依存する必要が無くなった。単に1・2ターン目に親和付き生物たちを爆発的に展開し、その後は手札に残ったカードやトップデッキを1枚ずつ使っていくゲームプランで、《荒廃者》or《頭蓋囲い》ラインをより強力にサポートできるのだ。私の経験では、親和使いが「対処できないなら死ぬ」様な状況をわずか1・2ターンで作りあげ、圧勝してしまうゲームを何度も見た。現実的に、親和が「出せば勝ち」なカードは《荒廃者》、《頭蓋囲い》、《エイトグ》と、最大12枚までデッキに入れられるわけだ。前者2つだけなら《古の遺恨》で、後者2つなら《燻し》や《化膿》で対処できないことはない。
また世の中には、《タルモゴイフ》や《爆片破》、《致命的な激情》を使うタイプの親和もあり、単純な親和展開とは別の角度からライフを削りに来ることもある。《致命的な激情》は、《頭蓋囲い》付きの《カエル》や《マイアの処罰者》を《モグの狂信者》や《粗石の魔道師》でチャンプブロックした時に突然死する可能性のあるカードだ。確かに発想としては面白いのだが、《致命的な激情》自体の用途が狭いことと3マナもかかることで、他のデッキにとってそれほど“致命的”だとは言えない。しかし、白暦伝のように親和とガチでダメージレースするようなデッキ(Fogのように《独房監禁》を貼った場合を除く)は、1ターンを縮めるために非常に有効だと言わざるを得ない。3・4ターンキルの記録を伸ばしたいなら選択肢として一考の余地があるのだろう。
《爆片破》は、フィニッシャーであり、また相手のゲームプランを崩してダメージをねじ込むと言う点で、《致命的な激情》と似たような役割だ。《爆片破》は、万歳アタックからの1発や、ブロッカー除去としての役割で、見た目よりもずっと致死ターンを短くしてくる。集団ブロックのときに除去として合わせられるとかなりキツイ。《致命的な激情》に比べての《爆片破》の欠点は、キャスティングコストが2マナなこと、すなわち《呪文嵌め》圏内であり、《相殺》にも引っかかり易いことだ。2マナ5点は確かに痛いが、それは《部族の炎》とて同じこと、これに耐え切れるような構築をしないとエクテンでは通用しないと言うことか。
《タルモゴイフ》は、前に挙げた2つよりも長期戦を想定したカードだが、現実的に考えて一番妥当な選択肢だ。環境に溢れた《フェッチ土地》と、序盤に死んだ《カエル》や《働き手》によって簡単に3/4から4/5には育つ。中盤以降は6/7程度まで期待でき、これは環境に存在する生物の中でも最大級だ。しかも、親和メタ専用カードに引っかからないところも良い。《禍汰奇》や《古の遺恨》はしばしば親和を投了に追い込むが、《タルモゴイフ》を使えばそれらでの即死を回避できることがある。
親和が一大勢力として存在するならば、《禍汰奇》や《破滅的な行為》といった対策カードも有効だ。ただし、パワーが9とか10とかになった《羽ばたき飛行機械》や《ちらつき蛾の生息地》に対するちゃんとしたブロッカーを用意できてることが前提だ。昔の対親和戦では、たしかに《禍汰奇》が一番ブッ刺さったけれど、《古の遺恨》と数枚のバーンカードでもそこそこ戦えた。しかし、《タルモゴイフ》型には別の回答を用意しなければならなくなったのだ。
私個人としては、《致命的な激情》よりは《タルモゴイフ》型の方が好みだ。《タルモゴイフ》は親和対策カードに耐性があるからだ。もし入れるなら、《エイトグ》と入れ替えになるだろう。ダメージ効率として、《エイトグ》が短期型、《タルモゴイフ》が長期型と言い換えることができる。しかし、《致命的な激情》や《爆片破》を使う人を真っ向から否定する気は毛頭ない。確かに親和は環境最速デッキの1つだが、発掘デッキやブレイクファースト系とガチなレースとなるし、1ターンを縮めるメリットは大きい。だだし、これらのデッキに対して《トーモッドの墓所》や《真髄の針》を最大4枚まで用意でき、しかもそれが親和的展開に噛み合うというメリットもある。対暦伝は・・・、まぁ《陰謀団式療法》でも用意できないと厳しいだろう。4ターン目に《不朽の理想》だったり、《独房監禁》で時間を稼がれたりするとかなり絶望的だ。その他のデッキに対しては概ね相性が良いと言える。もし親和を選択し、ミラーマッチになったら? メインではまぁ特に対策の取り様も無い。サイド後なら、《燻し》や《古の遺恨》を用意するくらいか。対戦相手もこれらを使ってくるかもしれないが・・・。
私がMTGOを通じて得たエクテンの最新動向は、今のところ、以上だ。この記事によって、貴方がエクテン用の新しいアイディアが思いつくか、もしくは貴方のデッキの現在のメタ的立ち居地を理解して貰えたのなら幸いだ。もしこの記事から得られるものが何も無いくらいエクテンに精通しているなら、数週間後のSCGオープントーナメントへの準備は万全ということで、それはそれで僥倖だろう。
来週は、記事は休ませて貰うが、その後はまた週1ペースで寄稿する予定だ。それでは、残り少なくなったが、良い休暇を!
ジョシュ・シルベストリ
MTGOのトーナメントでは、2・3マッチ目あたりに必ずと言っていいほどアンチ親和デッキみたいなデッキに当たる。それほどに親和はメジャーなアーキタイプだ。私は、親和について最新版を完全に把握してるわけではない。例えば先日、ビル・スタークが《バネ葉の太鼓》を入れたバージョンを発表していたくらいには把握しているが。いずれにしろ、親和は全盛期の力を取り戻しつつあり、その勢力は、他のデッキのサイドやメインに親和対策専用カードを採らせるのに足るものだ。なにしろ、ちょっとした除去やブロッカーを物ともせず、簡単に4ターンキルを成し遂げてしまうのだから。
実のところ、《太鼓》のおかげで《荒廃者》or《頭蓋囲い》と言ったパワーカードに依存する必要が無くなった。単に1・2ターン目に親和付き生物たちを爆発的に展開し、その後は手札に残ったカードやトップデッキを1枚ずつ使っていくゲームプランで、《荒廃者》or《頭蓋囲い》ラインをより強力にサポートできるのだ。私の経験では、親和使いが「対処できないなら死ぬ」様な状況をわずか1・2ターンで作りあげ、圧勝してしまうゲームを何度も見た。現実的に、親和が「出せば勝ち」なカードは《荒廃者》、《頭蓋囲い》、《エイトグ》と、最大12枚までデッキに入れられるわけだ。前者2つだけなら《古の遺恨》で、後者2つなら《燻し》や《化膿》で対処できないことはない。
また世の中には、《タルモゴイフ》や《爆片破》、《致命的な激情》を使うタイプの親和もあり、単純な親和展開とは別の角度からライフを削りに来ることもある。《致命的な激情》は、《頭蓋囲い》付きの《カエル》や《マイアの処罰者》を《モグの狂信者》や《粗石の魔道師》でチャンプブロックした時に突然死する可能性のあるカードだ。確かに発想としては面白いのだが、《致命的な激情》自体の用途が狭いことと3マナもかかることで、他のデッキにとってそれほど“致命的”だとは言えない。しかし、白暦伝のように親和とガチでダメージレースするようなデッキ(Fogのように《独房監禁》を貼った場合を除く)は、1ターンを縮めるために非常に有効だと言わざるを得ない。3・4ターンキルの記録を伸ばしたいなら選択肢として一考の余地があるのだろう。
《爆片破》は、フィニッシャーであり、また相手のゲームプランを崩してダメージをねじ込むと言う点で、《致命的な激情》と似たような役割だ。《爆片破》は、万歳アタックからの1発や、ブロッカー除去としての役割で、見た目よりもずっと致死ターンを短くしてくる。集団ブロックのときに除去として合わせられるとかなりキツイ。《致命的な激情》に比べての《爆片破》の欠点は、キャスティングコストが2マナなこと、すなわち《呪文嵌め》圏内であり、《相殺》にも引っかかり易いことだ。2マナ5点は確かに痛いが、それは《部族の炎》とて同じこと、これに耐え切れるような構築をしないとエクテンでは通用しないと言うことか。
《タルモゴイフ》は、前に挙げた2つよりも長期戦を想定したカードだが、現実的に考えて一番妥当な選択肢だ。環境に溢れた《フェッチ土地》と、序盤に死んだ《カエル》や《働き手》によって簡単に3/4から4/5には育つ。中盤以降は6/7程度まで期待でき、これは環境に存在する生物の中でも最大級だ。しかも、親和メタ専用カードに引っかからないところも良い。《禍汰奇》や《古の遺恨》はしばしば親和を投了に追い込むが、《タルモゴイフ》を使えばそれらでの即死を回避できることがある。
親和が一大勢力として存在するならば、《禍汰奇》や《破滅的な行為》といった対策カードも有効だ。ただし、パワーが9とか10とかになった《羽ばたき飛行機械》や《ちらつき蛾の生息地》に対するちゃんとしたブロッカーを用意できてることが前提だ。昔の対親和戦では、たしかに《禍汰奇》が一番ブッ刺さったけれど、《古の遺恨》と数枚のバーンカードでもそこそこ戦えた。しかし、《タルモゴイフ》型には別の回答を用意しなければならなくなったのだ。
私個人としては、《致命的な激情》よりは《タルモゴイフ》型の方が好みだ。《タルモゴイフ》は親和対策カードに耐性があるからだ。もし入れるなら、《エイトグ》と入れ替えになるだろう。ダメージ効率として、《エイトグ》が短期型、《タルモゴイフ》が長期型と言い換えることができる。しかし、《致命的な激情》や《爆片破》を使う人を真っ向から否定する気は毛頭ない。確かに親和は環境最速デッキの1つだが、発掘デッキやブレイクファースト系とガチなレースとなるし、1ターンを縮めるメリットは大きい。だだし、これらのデッキに対して《トーモッドの墓所》や《真髄の針》を最大4枚まで用意でき、しかもそれが親和的展開に噛み合うというメリットもある。対暦伝は・・・、まぁ《陰謀団式療法》でも用意できないと厳しいだろう。4ターン目に《不朽の理想》だったり、《独房監禁》で時間を稼がれたりするとかなり絶望的だ。その他のデッキに対しては概ね相性が良いと言える。もし親和を選択し、ミラーマッチになったら? メインではまぁ特に対策の取り様も無い。サイド後なら、《燻し》や《古の遺恨》を用意するくらいか。対戦相手もこれらを使ってくるかもしれないが・・・。
私がMTGOを通じて得たエクテンの最新動向は、今のところ、以上だ。この記事によって、貴方がエクテン用の新しいアイディアが思いつくか、もしくは貴方のデッキの現在のメタ的立ち居地を理解して貰えたのなら幸いだ。もしこの記事から得られるものが何も無いくらいエクテンに精通しているなら、数週間後のSCGオープントーナメントへの準備は万全ということで、それはそれで僥倖だろう。
来週は、記事は休ませて貰うが、その後はまた週1ペースで寄稿する予定だ。それでは、残り少なくなったが、良い休暇を!
ジョシュ・シルベストリ
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