海外の面白デッキを2つほど
2008年2月10日 スタンダード コメント (15)
スターシティ杯1000ドル トーナメント トップ8のデッキ↓
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/deckshow.php?5BC15D=std&;start_date=2008-02-03&end_date=2008-02-03&city=Roanoke
まずは、Top4まで登りつめた苦花コントロール。往年のカンポスのように、チャンプブロック要員として《苦花/Bitterblossom》を貼り、相手がブロッカーを乗り越えようとボードを展開したところで《滅び》が一網打尽ってデッキ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
苦花コントロール
―――――――――――――――――――――――――
ブライアン ブラウン・デュイン ／ SCG$1，000オープン3位
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クリーチャー:11
4《時代寄生機/Epochrasite》
3《叫び大口/Shriekmaw》
4《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
スペル:26
3《苦花/Bitterblossom》
2《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》
1《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》
2《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》
4《思考囲い/Thoughtseize》
2《思考の粉砕/Mind Shatter》
2《不敬の命令/Profane Command》
4《滅び/Damnation》
4《精神石/Mind Stone》
2《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
土地:23
2《変わり谷/Mutavault》
1《カー砦/Kher Keep》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg， Tomb of Yawgmoth》
2《溶鉄の金屑場/Molten Slagheap》
4《婆のあばら家/Auntie’s Hovel》
4《偶像の石塚/Graven Cairns》
3《硫黄泉/Sulfurous Springs》
2《山/Mountain》
4《沼/Swamp》
サイドボード:15
4《硫黄破/Sulfurous Blast》
2《殺戮の契約/Slaughter Pact》
2《眼腐りの終焉/Eyeblight’s Ending》
2《なだれ乗り/Avalanche Riders》
2《砕岩を食うもの/Detritivore》
1《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》
1《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》
1《思考の粉砕/Mind Shatter》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
土地23枚、印鑑6枚って構成は、どことなくソーラーフレアを思い起こさせるよね。そう言えば、スロットの割り方（生物の数なんか）も、かなりソーラーフレアを継承していると見えなくはない。安定して2ターン目に印鑑を置き、手札破壊で攻め手を奪い、《苦花》や《包囲攻撃の司令官》で戦線を膠着させ、最後は《ロクソドンの戦鎚》を持ってフィニッシュと。
黒赤という特性上、《強迫的な研究》に当たるドローのスロットが無いわけで、序盤の土地詰まりはかなり危険だ。ならばこそ、序盤を凌ぐためのブロッカーが《時代寄生機》であり、《苦花》であるわけだ。また、ソーラーフレア同様、1枚1枚のカードパワーが高く、それゆえドローソースの少なさを“カードの質”で補えると考えられる。安定して場にとどまる《リリアナ・ヴェス》、トークンをばら撒く《包囲攻撃の司令官》、複数枚の手札を奪う《思考の粉砕》、《苦花》によって減ったライフを取り返す《ロクソドンの戦槌》などなど、戦線に影響を与えるカードが目白押しだ。そしてなにより4枚も《滅び》を積めるデッキというのが稀有な環境だ。クリーチャーデッキしか居ないが故の《滅び》4枚デッキ、やり手だと思う。
サイドボードに目を向けると、4枚の《硫黄破》と単体除去が4枚。当然、手札破壊とコンパチなスロットだろう。個人的には、対アグロではこの8枚とともに《戦槌》と《チャンドラ》をインし、手札破壊8枚と《不敬の命令》をアウトすると思う。一方、対コントロール用のスロットは5枚。追加の《思考の粉砕》と、土地破壊が4枚だ。これも印鑑6枚からの潤沢なマナ加速ができるが故の選択だと言える（なにせ全て4マナ以上）。
フェアリーやならず者デッキ用のカードだと思われていた《苦花》、こういったコントロール的な使い方もできると、僕には目からうろこの落ちる構築だった。往年のソーラーフレア系のデッキとして、苦難のローウィン時代を乗り越え、モーニングタイドでの再来なるかと、なかなか楽しみ。
さてさて《苦花》、先ほどのひねった使い方ではなく、素直にアグロで使うアプローチがこちら。時代の影に忘れられた《不吉の月》を貼り、《苦花》で毎ターン2/2飛行トークンが出てくるデッキ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ならず者アグロ
―――――――――――――――――――――――――
クリス ウォーレス ／ SCG$1，000オープン8位
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クリーチャー:18
4《蛙投げの旗騎士/Frogtosser Banneret》
4《ウーナの黒近衛/Oona’s Blackguard》
4《ウーナのうろつく者/Oona’s Prowler》
4《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》
2《ヤスデ団/Earwig Squad》
スペル:21
3《苦花/Bitterblossom》
4《不吉の月/Bad Moon》
4《欠片盗み/Morsel Theft》
4《名も無き転置/Nameless Inversion》
4《思考囲い/Thoughtseize》
2《不敬の命令/Profane Command》
土地:21
4《変わり谷/Mutavault》
2《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
5《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
10《沼/Swamp》
サイドボード:15
4《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
3《叫び大口/Shriekmaw》
4《根絶/Extirpate》
2《墓忍び/Tombstalker》
2《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ならず者というと、黒青で組むのが一般的だけど、このデッキは100％ピュアブラック。《悪名高き群れ》すらタッチしていない。クリーチャーは2マナスタート。《旗騎士》・《黒近衛》・《ウーナのうろつく者》の計12体と、《苦花》が3枚。3マナ域は徘徊を期待しての《ヤスデ団》が2枚。そして4マナ域に《湿地の飛び回り》4枚。この《飛び回り》は、《不吉な月》環境下だと2/2が3体ばら撒けるわけで、2ターン目《旗騎士》、3ターン目コレ、4ターン目《不吉な月》2枚みたいな回りをすれば圧勝できる。
ただ、アグロ型のデッキにしては生物の数が少ないのが気になるところ。なんぼ《苦花》と《変わり谷》があるとはいえ、息切れが否めないのは気になる。
そういう意味で、スペル枠で採用されている《欠片盗み》は面白い試み。ちなみにこんなカード↓。
欠片盗み/Morsel Theft (2)(黒)(黒)3点ドレインして1ドロー。後半の息切れ防止とトドメの一押しに、そして《苦花》や《思考囲い》で磨り減ったライフの回復として、2マナで打てたら強いね。あくまで、2マナで撃てたらだけど。
部族・ソーサリー : ならず者(Rogue) MOR， コモン
徘徊(1)(黒)（このターン、あなたがならず者(Rogue)によっていずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えている場合、あなたはこれをその徘徊コストでプレイしてもよい。）
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは3点のライフを失い、あなたは3点のライフを得る。欠片盗みの徘徊コストが支払われていた場合、カードを1枚引く。
Illus.Darrell Riche (68/150)
Wisdom Guild様より引用
土地バランスは、21枚と少な目。そのうち4枚の《変わり谷》は当然として、2枚の《ペンダルヘイヴン》はそれなりに目新しい。このデッキでは、《苦花》込みで13枚の1/1が居るわけで、《不吉の月》貼っちゃうとただの無色土地ってことを考慮しても2枚採用するに足るスペックだった、のかな？
黒単こそ漢のロマン。そういや無駄に《不吉の月》4枚持ってるって人は、組んでみるのも一興なデッキかと。
コメント
メインの方は硫黄泉では
とお約束のツッコミを…
あ、ホンマや。修正しました。
《血染めの月/Blood Moon(9ED)》と《不吉の月/Bad Moon(TSB)》を間違えてる気が
ついでに5枚の冠雪土地にも突っ込みたくなったら負けかな？
うーん、つまり僕の言わんとすることは「もし《不吉の月》貼っちゃったら1/1が2/2になっちゃうじゃん。《ペンデルヘイヴン》で対象にできないじゃん。能力使えないわけで、黒マナも出ないし、ただの無色土地じゃん」ということなんです。
>>atab0uさん
あぁ、《ペンデルヘイヴン》と言えば、以前も別の方に同じ間違いを指摘されて「以後気をつけます」とか言った記憶があります。探索しないどころか、進歩もしてない体たらく。そろそろ自力で辞書登録しときます。
それにしても、なんかこう“あら探し”のようなコメントが3件も続きますと凹んでしまいます。なんと申しますか「それ言ったところで、なんかプラスになるの？」と思うわけです。や、僕かて人の間違いに眉をひそめる事は在りますよ。「場が“硬直”しました」とか書いてあると、それは“膠着”だ、とか思います。ただ、それを指摘しても、相手を凹ますだけでぜんぜんメリット無いと思うわけです。
まぁ、所詮こういうブログなんて「自分の知識を披露したい」っていう自己顕示欲の塊なのであって、（特に今回の更新なんて、情報を横流しして自分の感想述べてるだけですし）、それを閲覧して「ここ間違ってるじゃん」と指摘するのも自己顕示欲なんだと思います。根っこの部分は同キャラで、あーだ/こーだ言えた義理じゃないですが。
でも、僕は「常になんか付加価値のあること言おう」と思ってますし、それは自分のブログ更新するときも、他人のブログにコメント付ける時も同じです。世の人に自分と同じものを求めるのは、ワガママですか？ こんな“あら探し”コメントで凹んじゃう僕は、ズレてますか？ 少なくとも、僕は5番目のコメントみたいのが生理的に駄目で、キモイと思っちゃいます。
カバ雄さんの記事をわざわざ「自己顕示欲の塊」と意識してみている人なんて皆無なんですから気にしない気にしない。
私としては今回の紹介記事は大変参考になりましたから。
根が面倒臭がりの私にとって、海外で紹介されていた記事をもってきてもらうだけでも、とてもありがたいことなんですよ。そこに解説も加えてもらっているのも勉強になります。
鋭い切り口の記事、これからも期待しておりますよ。
自分としては、少しでも自分の誤字等指摘して貰える方が嬉しいと思える人間なのですが、
こういった考えで人のブログにコメントすることは考えを押しつける事と同意なんですね。
いわれるまで気付くことができませんでした。
申し訳なかったです。
ただ、ペンデルをデッキに2枚以上入れることが多い人間なので、
2枚が目新しいとおっしゃったことも相まって、凄い違和感が残っていたのは事実です。
あらを探した訳でなくて、妙にインパクトに残った所だったので…。
別に僕は、裸の王様になりたい訳じゃないです。
なるべくなら色々な方の意見に耳を傾けたいですし、自分のミスは認めたいと思っています。前に、SCGのプレミアム記事を勝手に引用しちゃった時に「それはマズイ」という意見を頂き、取り下げた事がありました。そういった意見を頂けた事にとても感謝しています。
でも、「ここの文章間違ってますよ」「そうですかスミマセン」みたいなやり取りには、まったく実りが感じられないんです。ペンデルがペンダルだったからって、通じればイイじゃんと思っているので、それでも謝っちゃう自分に少しイラッときていたのだと思います。毎日の仕事が忙しく、合間を見て更新しているブログですし、推敲してるヒマも無いんですから、そりゃミスも出ます。こんな些細なことに目くじら立ててしまうこと自体、ちょっと疲れてたのかもしれません。
日々是、探索。もうちょい精進します。
>>メルヘンさん ＆ 閲覧された皆さま
お見苦しい所をお見せいたしまして申し訳ございませんでした。さすがに大人気なかったです。ハイ。
>>atab0uさん
5番目のコメントで、僕が不快と感じた点を列挙します。叩くとかそういう意図ではなく、上で述べたように「嫌なことは嫌と言っておく」ということです。お耳障りじゃなければ、お読みください。
まず、wという語尾。“笑い”の意図なのでしょうが、“嘲笑”と取られる場合があります。今回の場合、ニュアンスとして
m9(^Д^)プギャー
であるかのように感じられました。
次に、2番目の文章。突っ込みたくなったらも何も、元のデッキに入っているのですから如何ともし難いです。ソースまで書いてるんですから、ご自分で調べて確かめれば、と思うわけです。しかもタメ口、なぜ上から目線で？ と、目が点になりました。
http://diarynote.jp/user/39679/
このブログでやってみてくれや
と言ってみたくなる罠w
こ、これは・・・。
某ぷろぽんさんに「こんなに誤字が多いと頭悪そうに見えますよ」といわれて凹んでた某M上さんの日記じゃないですか！
よーし、パパ誤字を指摘して鬱憤はらしちゃうぞー。コメント拒否してやがる、ちっ。
2chに貼られてたので、そのノリで特に考えもせずにコメしてしまったのを今は後悔しています。
wも、気になる自分に対する自笑の意味で、
氷雪に関してもその元ネタに対するツッコミの意味だったんですが、
勢いで暴言とも取れる表現で書き込んでしまったのを今更ながら申し訳なく思っています。
一日中このことをずっと反省していました。
本文の方、今現在初期評価よりは「使えない」という定評の《苦花》を、ただ「使えない」という生産性のない固定概念に終わらず、どうして現環境では「使えない」のか、どうすれば「使える」ようになるのかを考えた上での生産性のある記事の抜粋、とても参考になりました。畏怖、飛行が止まるチャンプブロッカーとしての《苦花》の起用は新しい切り口ですね。これからも斬新な切り口のデッキ紹介、期待しています。
前向きにいきましょう。
ところで、ずっと考えていることなんですけども、状況によって変わるかとは思いますが、《苦花》って何ターン目に置くのが良いのでしょうか？もしくは、マナソースがどれくらいある状態で置くのが良いのでしょうか？
＃黒単ならず者があるなら、青単ならず者もあるはず、と調整中。というか、これどうやって勝つのかな（笑）。
まぁ、状況にも依りますし、デッキにも依ります。
例えば、上に挙げた苦花コントロールの場合、2ターン目の印鑑より優先しておくことはほぼ皆無です。でも、なーんもやることがない2ターン目なら、まず間違いなく置きます。
アグロなデッキの場合は・・・。《神の怒り》の返しとかじゃないですかね。《苦花》より弱い生物展開するくらいなら《苦花》貼りますけど、そんな生物、たぶんデッキに入ってないですし。
早速の回答、ありがとうございました。