日本選手権予選シーズン前半戦も終わり、来週末から後半戦に突入です。

普段はあまりトーナメントを意識しないでプレイしている社会人の皆様にも、「年に1度くらいの本気のスタンダード」を楽しめる時期となる訳です。っちゅうことで、今日は、“時間的”や“環境的”にハンディのある社会人という立場から、如何に日本選手権を目指すかっちゅーことについて、書いてみたいと思います。

僕自身、仕事を持っていて、平日はせいぜい1時間程度のネット巡回程度しかマジックに触れられません。MWSやMOなどのネット対戦に興味はあるものの、実態としては時間が確保できないので使っていません。なので唯一の練習機会は、週末に友人たちを集めてリアルで対戦をやっているという程度です。しかし、今回のシーズンはけっこう頑張って練習し、なんとか予選を突破することができました。社会人でも、勝ちを目指すのは決して不可能じゃないのです。

日本選手権予選に向けて、練習の過程を列挙するとこんな感じになります。
・メタ内のデッキを持ち寄り、環境のバランスを把握する
・それらと対戦してく中で“自分が使うデッキ”を決める
・デッキが決まったら、丸1日くらいはサイドボードも含めて回す
・できれば、予選当日より前に、そのデッキで1回くらいトーナメントをこなしておく
まぁ、でもこれを事細かに理想論を交えながら語ると、よくあるHow to本みたいで、あまりにリアリティがありません。なので、今回は僕の体験談という形で話していきましょう。
このシーズンの練習期間は、わずか2週間でした。

僕が練習を開始したのが5月26日(土)、未来予知の解禁パーティの日であり、翌週からは予選シーズンが始まるような日取りでした。この日以前には2HGの練習しかしておらず「スタンダード何それ?」な浦島太郎状態です。しかも、直前のスタンダードシーズンであるグランプリ京都の前後は仕事が忙しく、まったくマジックに触れていなかったんでした。なので環境に対する基礎知識もゼロって状態からのスタートです。

日程的に、7月1日の東北予選は、仕事が山場を迎えるあたりなのでかなり絶望的でした。従って、シーズン最序盤の中部予選、次週の北陸予選、その次の近畿1次予選の3択です。でもまぁ、近畿は物理的に遠すぎ、中部予選は練習期間が無さ過ぎってことで、目標は北陸に定めました。

さて、目標が決まればスケジューリングです。選手権予選に向けて、こんな感じの予定を立てました。
5月26日(土) 未来予知解禁パーティ(環境の把握)
5月27日(日) 練習(環境の把握)
6月02日(土) 練習(デッキの選定と練り込み)
6月03日(日) どっかの大会に出る(練り込み)
6月08日(金) どっかのフライデーに出る(練り込み)
6月09日(土) 半日くらい練習して、前泊のため移動(最終調整)
6月10日(日) 予選当日
完璧です。こんだけやれば、抜けたも同然ですね。しかし、予定は未定であり決定ではないわけでして、そうそうスケジュールどおりに進むわけないです。実際どうだったか、順を追ってお話しましょう。

5月26日(土) 未来予知解禁パーティ

東北地方の恐ろしさを味わった一日でした。

調べてみると、この日にスタンダードの解禁パーティをやってるショップは、仙台市内はおろか宮城県内でも有りません。最寄の駅ですと、岩手県の一ノ関(片道90分1620円)か福島県の郡山(片道140分2210円)の2択です。なので、前日に電話で予約などの確認をした上で、一ノ関に行ってみました。

開始15分前にショップに着くと、まだ誰もいません。開始5分前、1人来ました。そして定刻、人数はまったく増えず、「うーん、人が集まるまでもうちょっと待ってみようか」とのことです。しかし2時間待っても、8人など集まる気配すらありません(入れ替わりで述べ3人くらい)。流石に諦めて帰りました。

東北の競技人口って、こんなもんです。この日は、枕を涙でぬらしながら不貞寝しました。

5月27日(日) Ei-mくん宅で練習会

前日に電話して、Ei-mくんが以下3個のデッキを持っていることを聞いておきました。
 ・GP京都のイゼットロン
 ・GP京都のプロジェクトX
 ・GP京都のグルール

なので、僕はその他のメタ内デッキってことで、以下3個のデッキを組んでいきました。
 ・AKKAさんのセル
 ・ロボ猫ふらみーさんのららみーあ
 ・どっかの地方大会のトリコロール

この日の目的は、メタ内デッキの動きやデッキパワーを知ることなので、これらのデッキを延々と回す段取りでした。でもまぁ、ほんの味見というか、できれば予選に持って行きたいオリジナルデッキを2つほど(緑赤8ジャイグロ&緑黒白アグロロックス)も試してみました。2戦くらいしか使ってなかったんですが、この時点では「悪くはないな」って感想でした。

わずか2人での練習会でしたが、13時くらいに始めて、21時くらいまで延々と回しました。8時間もマジックして「やー、マジックしてると時間経つのアッという間ですねー」とか言っちゃうあたり、そうとうマジックに餓えてたんでしょう。でもおかげで、だいたい環境が把握できました。
6月2日(土) この日もEi-mくん宅で練習会

この日中に、デッキを決定した上で、サイドボーディングまで練習しなきゃいけないので、朝11時に集合となりました。この時点で候補にノミネートされてるのは先週の組んだオリジナル2種と、この日新たに組んだジョダートロンです。もう、メタ外街道まっしぐら、カバの中の人曰く「だってコピーデッキで出たら、僕がプレイング下手なのバレちゃうじゃん」だそうです。

さてさて、8ジャイグロもアグロロックスも、イマイチだと気付きました。メタに合ってるとは言えなくもないけど、いかんせん、デッキパワーが低すぎるって感じです。一通り回したこの時点で14時、暗雲が立ち込めてきました。

もはや、人類の希望はジョダートロンだけです。むぅ、組んではみたものの、まったく使う気なかった訳で、このデッキはこんなやる気の無いエスプリを漂わせていました。
 ?代理カードだらけだ(トロンも差し戻しもセル作るのに使ってる)
 ?サイドボードすら用意してない
 ?試合じゃ使えないようなガバガバなスリーブ(裏にMagic the Gatheringって書いてあるアレ)に入れてある
 ?むしろカード並べただけでシャッフルすらしてない
「これが弱かったら北陸行かない、まであるね」とか言いつつ、ほとんど期待してませんでした。そんなこんなで、プレイテスト開始です。30分後「あれ、悪くないんじゃん?」、1時間後「これは良い代物ですね」、2時間後「もう予選は勝ったも同然です」と、わずか2時間で使うデッキが確定しました。

その後は、ジョダートロンとメタ内デッキとの各マッチアップについて、サイドボーディング込みで千本ノック式の調整です。つってもジョダーの方はサイド用意してなかったんで、「《併合》は《火山の槌》、《占有》は《ボトルのノーム》として扱います」みたいな感じでやってました。Ei-m君に壁役に徹してもらい回し続けること述べ6時間超、「まだ接待マジック続けるんですか?」とかグンニャリした目つきで聴かれちゃうくらい延々とやりました。

Ei-m君の協力により、この日のうちにメインボードのうち58枚が確定しました。サイドボードは、結果的には、この日選定した物のうち5枚しか生き残れませんでしたが、大まかなスロット割りここで決定しました。

6月3日(日)

大会に、出たかったです。

でも、現実はままならないもので、実際は、蒲生干潟でゴミ拾いをしてました。なんかですねー、会社の社会貢献活動とかで、職場では超下っ端な僕が断れるはずもなく・・・。あ、いえ社会人って協調性とか大事ですよねー。おかげで休日が潰れました。

まぁ、夕方は時間が空いたので中部予選の結果をじっくりと閲覧しました。いやはや、まさか当日中に全デッキリストまで出るとは、中部地区の主催者さん及びジャッジさんのGOOD JOBには、ホントに頭が下がります。おかげ様で大変参考になりました。この場を借りてお礼申し上げます。
さて、この時点で本番1週間前です。微妙に当初の予定より練習が足りてませんし、中部予選の結果を受けて微調整が必要なため、この後の計画の軌道修正をしなければなりませんでした。ってわけで、大会日程やら日本地図やらカレンダーやら駅から時刻表やらを駆使して、週末の行動プランを考えました。
案?:土曜日に横浜のPWCさんに行きつつ途中ドロップし、その足で金沢に向かう
案?:やっぱ日程的に北陸は無理、ってことで7月1日の仙台予選に出る
案?:「やー金津園って1回行ってみたかったんだよねー」とか言いつつ土曜日を遊び尽くす

案?は、攻めの一手です。これをやれば予選抜けられる確率は高まりますが、体力的にも、おサイフ的にも厳しい戦いを強いられることは必至です。

案?は、まさに逃げの一手です。問題を先送りしてるだけで、なんの解決にもなってません。むしろ日程的に自分の首を絞めてます。

そして案?、一見すると逃げの一手のように見えますが、人生経験の観点で言えば攻めの一手と言えなくもない・・・ですよね? や、もちろん案?一択ですよ、迷うわけ無いじゃないですか! (汗

さて、そんなわけで週末の強行軍が確定しました。帰りが夜行バスで、しかもその足で仕事に向かうっていう、およそ社会人の立てる計画には見えません。

6月5日(水) Ei-mくん宅で練習会

会社が定時退社日なのをいいことに、Ei-mくんを拝み倒して2時間だけ練習です。というのも、どうしても練習しておきたいことがあったからです。練習時間が少ないときは、やることを絞って練習するのが秘訣です。この日は下記3つに絞りました。
 ?対フリゴのサイドボーディングの検証
 ?トロン同キャラのサイド後《併合》ゲーの体験
 ?中部予選を抜けたせるぷ〜さんのWRBスリヴァーとのテスト
2時間でも、何とか満足のいくデータを取れました。この日メインボード60枚とサイドボードのうち12枚まで確定しました。

6月9日(土) 横浜で大会

朝6時に起きて仙台を発ち、新幹線の中でアンパンと牛乳をモグモグしつつ、横浜入りです。デッキはこの時点でメインサイド75枚、予選の時と一緒でした。4回戦までやって、結果は3−1−0(最後トスしたので額面上は2−2)、デッキにはかなり良い手応えを感じていました(ちなみに負けは2マリガン→5マリガン)。

で、15時半に横浜を出て、金沢に着いたのは20時半、さすがにグッタリです。この日は金沢のやっすい(1泊3300円)のビジネスホテルに前泊です。旅行プランとしては、関東から夜行バスで金沢って手も在ったんですが、試合前日はちゃんと寝なきゃと考えているので却下しました。

そうそう、ちょっと余談なんですが、この年になると前日の睡眠時間で1日の集中力がぜんぜん変わってきます。試合の日は丸1日集中力を持続させなきゃいけないので、コンディションを整えるのも調整の一部だと、最近思うようになりました。前日夜中に車で移動とか、近場の大会なので徹夜で調整とか、なるべく避けるようにしています。

6月10日(日) 北陸予選

6−0−2の1位抜けでした。



とまぁ、こんな感じで練習をし、なんとか予選は抜けることができました。基本的には、冒頭で述べたように、
・メタ内のデッキを持ち寄り、環境のバランスを把握する
・それらと対戦してく中で“自分が使うデッキ”を決める
・デッキが決まったら、丸1日くらいはサイドボードも含めて回す
・できれば、予選当日より前に、そのデッキで1回くらいトーナメントをこなしておく
の順番で練習したわけです(だいぶ圧縮日程ではありましたが)。学生と違って時間に制約のある社会人だからこそ、しっかりスケジュールを立てて効率よく練習しなきゃないんですね。

最後に、大事なコトを1つ。社会人にとって、休日とは「平日の疲れを癒し、仕事への英気を養う」ためにあります。なので、マジックの疲れを平日に持ち越すなんて、社会人としてアレですね。そうそう、某物体(28♂)は週末の強行軍がたたって夜行バスの中で眠れず、月曜日に午後半休した上、あまつさえトーナメントレポを夜3時まで書いてしまい、火曜日もフラフラだったそうです。言語道断ですね!

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