こんばんわ。空想科学理論研究家のDr.カバ雄です。
今宵も萌芽的研究という名のブルシットをお茶の間にお届けいたします。

さて2回目となります単色刷り謀叛絵巻シリーズ。
今回のテーマは“赤”です。赤と言えば一時はTier1.5付近にまで登りつめたポンザや、根強い人気のBig Redなどが有名ですね。しかし、謀叛から得た《凍らし》《尖塔の原獣》は、新たなデッキタイプとして“RDW”の誕生の可能性を匂わせてくれています。折りしもテンペストの《モグの徴集兵部隊》が名前だけ変えて《ゴブリンの群勢》として戻ってきたことですし、低マナ域ビート&バーンという往年の赤のスタイルへの回帰が現実味を帯びてきました。

ただし、いくら低マナ域生物が充実したとは言え、いわゆる“スライ”としてデッキが成立するかというとまだパワー不足感が否めません。1〜2マナ域で、構築のレベルに耐えられそうな生物を列挙してみると
《凍らし/Frostling》 ←◎
《悪忌の雪崩使い/Akki Avalanchers》
《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》 ←◎
《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》
《火花の精霊/Spark Elemental》
《かまどの神/Hearth Kami》 ←◎
《炎歩スリス/Slith Firewalker》 ←◎
《ゴブリンの略奪者/Goblin Raider》

これくらいでしょうか? 思うに“←◎”を付けたの以外、単体として弱すぎる感がありますね。しかも、現環境には《ゴブリンの従僕》のような加速のための優良システムや、《無謀なる突進》のような優良スペルもありません。単に頭数だけそろえて殴っても、すぐに息切れしてしまうでしょう。そういう意味では《ゴブリンの軍勢》も“早すぎた登場”である感じです(というか9版用なんでしょうかね)。

そういった理由で、今回はRDWを構築してみました。

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 Red Deck Wins in Standard
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クリーチャー:20
 4《凍らし/Frostling》
 4《かまどの神/Hearth Kami》
 4《炎歩スリス/Slith Firewalker》
 4《ヴァルショクの魔術師/Vulshok Sorcerer》
 4《尖塔の源獣/Genju of the Spires》

スペル:16
 4《手甲/Shuko》
 4《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》
 4《マグマの噴流/Magma Jet》
 4《爆片破/Shrapnel Blast》

マナソース:24
 4《金属モックス/Chrome Mox》
 4《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
 2《大焼炉/Great Furnace》
 14《山/Mountain》

サイドボード:15
 4《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》
 3《弧炎撒き/Arc-Slogger》
 2《粉砕/Shatter》
 3《沸騰/Boil》
 2《塩まき/Sowing Salt》 
 1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
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☆凍らし
弱体化版《モグの狂信者》とはよく言われる評価です。しかし、腐っても鯛と言いますか、さすがに強いです。1ターン目《凍らし》、2ターン目《かまどの神》と展開すると、親和使いがイイ顔します。《静電気》に次ぐ1マナ域火力として、《信奉者》《極楽鳥》などをテンポよく除去できるのも、非常に良い感じです。

☆炎歩スリス・かまどの神
赤の低マナ域として、もはや定番です。今さら説明の必要もありませんね。

☆ヴァルショックの魔術師
メインに入れるか否か非常に迷いましたが、メインで問題なしというのが現時点での結論です。親和への対策力として、また、緑系デッキに必須の《桜族の長老》《永遠の証人》をカード損失無く除去するための手段として、非常に良い働きをします。また、《尖塔の源獣》が通るための道をこじ開けるというのも、このカードの選定理由ではあります。

☆尖塔の源獣
当初は《ボール・ライトニング》かと思ってましたが、ちょっと違いました。丁度いい例えが思いつかないのですが、“後半余った土地を除去もしくは直接ダメージに変えるカード”というような位置付けで、《突撃の地鳴り》や《Stormbind》に近い感じです。いえ、ハタバーン使った身としては、《隕石の嵐》とでも言っといた方が良いのでしょうか? とにかくそんな感じです。もちろん、土地が充分並んでからのトップデッキ→速攻アタックってのもよく有ります。

☆手甲
ここでも登場の《手甲》です。ほんとに強いです。《炎歩スリス》に着くと、通常なら1+2+3+4+5+6=21点なのが、2+3+4+5+6=20点と、1ターン縮みます。また、通常ならスルー1択な《凍らし》も、《手甲》が着くと途端にブロックするか微妙になるなど、色んなところで強みを見せてくれます。

☆静電気の稲妻・マグマの噴流
赤単の嗜みですね。

☆爆片波
サクれるアーティファクトは計14枚。あまり不足を感じたことはありません。《尖塔の源獣》と並んで、後半トップデッキして嬉しいカードの一つです。《魂の裏切りの夜》などを張られても、ぜんぜん希望が持てるところが素敵です。

☆金属モックス・ちらつき蛾の生息地・大焼炉
《爆片波》でのサクり要員、というとアレですが、だいたいそんな感じです。

☆山
《尖塔の源獣》のおかげで、引けば引くほど嬉しい土地です。いっそ山20枚の方が強いんちゃうかと思いつつも、《尖塔の源獣》引かないときにショボーンなのでなかなか踏み切れません。漢(おとこ)気溢れる方はぜひチャレンジを。

サイドボード
☆罰する者ゾーズー
もはや説明不要な定番生物です。メインにするかサイドにするかはメタ次第なのですが、《ヴァルショックの魔術師》をメインに入れるためにサイドに退いてもらいました。

☆弧炎撒き
黒系のデッキに圧倒的に強く、親和・緑系と幅広くサイドインします。じゃあ何故メインに入れないかといえば、そのマナの重さゆえ《尖塔の源獣》と干渉してしまうからです。

☆粉砕
親和相手に4枚確定、と思っていたのですが、意外とメインでも親和はなんとか勝ててしまうので、それほどスロットを割く必要が無かったです。むしろ、《火と氷の剣》《梅澤の十手》《ヴィダルケンの枷》を割るための、追加の《かまどの神》としてサイドインすることが多いです。

☆沸騰
増えてきた青をメタるために、久々に採用しました。《ヴィダルケンの枷》起動にスタックして撃つと、対象不適正でフィズるので、覚えておくと良いでしょう。

☆塩まき
トロンなんて居ませんよなどとは判りつつ、サイドに2枚程度忍ばせておくのは紳士の嗜みでしょう。

☆血に染まりし城砦、真火
このカードは、やはりマナ域調整のためにスロットを割きました。《弧炎撒き》をサイドインする時に大体セットで入ります。

v.s.親和
 メイン60-40
 サイド65-35
メイン/サイドとも有利なマッチアップです。メインから《凍らし》《かまどの神》《ヴァルショックの魔術師》《静電気の稲妻》と、これでもかと言うほどメタっているので、サイドにそれほどスロットを割く必要もありませんでした。

+3《弧炎撒き》、+1《真火》、+2《粉砕》
-4《尖塔の源獣》、-2《手甲》

v.s.青コン
 メイン45-55
 サイド70-30
親和メタし過ぎた弊害か、メインでの勝率はそれほど良くありません。ただ、決して相性は悪くないです。メインでのポイントは、《尖塔の源獣》がカウンターをすり抜けられるか否かと、相手のマナが伸びきらないうちに《爆片波》圏内にライフを落とし込めるかです。サイド後は無駄カードがだいぶ減るので、かなり楽な戦いとなります。

+3《沸騰》、+4《ゾーズー》、+1《真火》、+2《粉砕》
-4《静電気の稲妻》、-4《ヴァルショックの魔術師》、-2《凍らし》

v.s.デスクラウド
 メイン50-50
 サイド50-50
相手のバージョンにもよりますが、基本的には互角な相手です。サイドに落とすカードは、相手が《火と氷の剣》などの装備品を入れてるか、生物が何体程度入っているかなどで微調整して下さい。

+3《弧炎撒き》、+4《ゾーズー》、+1《真火》
-2《かまどの神》、-2《凍らし》、-4《静電気の稲妻》

v.s.緑コン
 メイン35-65
 サイド45-55
キツイ、の一言です。謀叛前はサイズがそれ程でもなかったのですが、《香杉の源獣》のおかげで突破が非常に難しくなりました。長引くと不利なので、《粗野な覚醒》を打たれる前に頑張って削って下さい。あと、《梅澤の十手》を装備させる隙をなるべく与えないで下さい。サイド後は相手のコンセプトに突き刺さる《ゾーズー》と、《香杉の源獣》を受け止められる《弧炎撒き》のおかげで少しはマシになります。

+3《弧炎撒き》、+4《ゾーズー》、+1《真火》
-4《尖塔の源獣》、-4《静電気の稲妻》

如何でしょう? 赤の王道たるビート&バーンを思い出して頂けたところで、今日の空想科学理論講座を終了させて頂きます。それでは、また会う日まで。

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