☆クレジット

 原題:Drafting UW - The Right Way
 著者:Sam Gomersall
 ソース:http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=5173

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☆前がきみたいなもの

リミテッド記事特集(っても、間が空きすぎてもはやアレですが)第2段として、サム・ゴマーサルの青白を翻訳してみました。ちなみにこのサム・ゴマーサルという人、先週行われたGPデトロイトでもトップ8入りするなど、かなりのリミッテッド巧者な方です。

ドラフトの青白というと、なんとなく《蛾》と《クチ》とその他38枚デッキみたいな印象だと思いますが、この記事に書かれている青白はひと味違います。《深き刻の忍者》を裏10点カードとして、如何に《忍者》中心に組み立てるかに焦点を当てたピック順序を提唱しています。カバ雄さんのストライクゾーンど真ん中でした。かつて僕がやったドラフトで、《深き刻の忍者》3枚、1マナ圏4枚、スペルはバウンスとコンバットトリックだけみたいなデッキを組んだことがありますが、あまりに強すぎて3-0/6-0しちゃいました。噛み合いさえすれば、卓内最強のポテンシャルを秘めたアーキタイプですので、是非お試しあれ。
サム・ゴマーサル

今現在、ネット上にはCCB環境のリミテッド記事が溢れかえっているし、その中には青白について書いたものも少なくない。私は常々思っているのだが、どうして、あんなに退屈な記事を読まなくてはならないのだろうか。なので私は、それらの記事とは一線を画した、私が考え得る最良のドラフト記事を書いてみようと思う。私がこのドラフト方法を発見したのは、チームプロツアーのC席用に練習していた時のことだ。私のチームでは、C席が青白をやることになっていたので、どうにかして最良の青白のドラフト方法を確立する必要があった。MOでの個人ドラフトの練習と、リアルでのチームドラフトの練習を多数重ねて、良い青白の感触をなんとか掴むことができた。以下に、私が好むだいたいのコモンピック順序を記載する。

☆神河物語
《兜蛾/Kabuto Moth》
《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》
《伝承の語り部/Teller of Tales》
《手の檻/Cage of Hands》
《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》
《消耗の渦/Consuming Vortex》
《古の法の神/Kami of Ancient Law》
《秘教の抑制/Mystic Restraints》
《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》
《祝福の息吹/Blessed Breath》
《灯籠の神/Lantern Kami》
《蛾乗りの侍/Mothrider Samurai》
《不退転の意志/Indomitable Will》
《未達の目/Eye of Nowhere》
《献身的な家来/Devoted Retainer》
《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》
《狐の易者/Kitsune Diviner》
《百爪の神/Hundred-Talon Kami》
《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》
《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》
《川の水神/River Kaijin》
《ねじれた鏡映の神/Kami of Twisted Reflection》
《虚飾の道の神/Kami of the Painted Road》
《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》
《思考縛り/Thoughtbind》
《狐の癒し手/Kitsune Healer》
《栄光の呼び声/Call to Glory》
《過酷な詐欺師/Harsh Deceiver》


☆神河謀叛
《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
《蝋鬣の獏/Waxmane Baku》
《ゆらめく玻璃凧/Shimmering Glasskite》
《裂け尾の巫女/Split-Tail Miko》
《幻影の翼/Phantom Wings》
《霧刃の忍び/Mistblade Shinobi》
《涙の神/Teardrop Kami》
《大水招き/Floodbringer》
《百爪の一撃/Hundred-Talon Strike》
《月明かりの徘徊者/Moonlit Strider》
《偽りの希望の神/Kami of False Hope》
《筆鬣の獏/Quillmane Baku》
《破れ障子の神/Kami of Tattered Shoji》
《銀嵐の侍/Silverstorm Samurai》
《光の心/Heart of Light》
《繕いの手/Mending Hands》


いくつかのカードの順位付けに特徴があって、ちょっと面食らうかもしれない。《灯籠の神》や《未達の目》の評価がこんなに高いのは、個人的にこれらのカードは必須パーツだと思ってるからだ。この2枚のカードは、けっこう遅い順目でもピックできる筈だし、取れたら取れただけデッキに入れるべきだ。1ターン目《灯籠の神》、2ターン目《深き刻の忍者》って展開は青白の勝ちパターンの1つだし、これをバウンスでバックアップしてやれば、さらに盤石だ。

実際、《未達の目》は過小評価されてるカードだ。先手を取って《未達の目》を相手の土地に撃ち込んでやれば疑似《Time Walk》になるし、それで相手が1枚ディスカードに追い込まれれば尚更だ。もし後手を取ってしまったり、相手が1ターン目にクリーチャーを展開してしまった場合でも、相手の土地に《未達の目》を撃つ戦略はたいてい上手くいく。青白の攻め手は粒が小さいので、相手を遅らせて序盤にダメージを稼いでおくことが、終盤になってじわじわと効いてくるのだ。このピック順序リストを元に、私がMOで行ったドラフトについて記載してみよう(“○-△”という記述は○パック目の△手目のピックを表す)。
★ドラフト1回目

1-1 《兜蛾》ピック 他候補《手の檻》《山伏の炎》《怒りの狂乱》
1-2 《狐の易者》ピック 他候補《狐の裂け目歩き》《汚れ》
1-3 《灯籠の神》ピック 他候補《侍の処罰者》《浮き夢のずべら》《洞察力の花弁》
1-4 《虚飾の道の神》ピック 他候補《火の咆哮の神》《血塗られた悪姥》
1-5 《川の水神》ピック 他候補《木霊の力》
1-6 《強風の力》ピック 他候補《精神のくぐつ》《伍堂の大槌、天鎖》
1-7 《虚飾の道の神》ピック 他候補《密の反抗》《霧中の到達》
その他 《狐の癒し手》を遅い順目でピック

1パック目はかなり厳しいピックとなったが、上家からのサインをまるで無視しているのだから仕方ないだろう。普通にドラフトするなら2手目《汚れ》から白黒に進むべき流れだろうけど、本稿の主旨を貫くためにあえて青白を敢行した。

2-1 《兜蛾》ピック 他候補《不退転の意思》《空民の雨刻み》《返礼》
2-2 《古の法の神》ピック 他候補《嵐の種父》《灯籠の神》
2-3 《来世への旅》ピック 他候補《無神経な詐欺師》《未達の目》
2-4 《薄青幕の侍》ピック 他候補《祝福の息吹》
2-5 《百爪の神》ピック 他候補《宮殿の野の神》
その他 《未達の目》と《無神経な詐欺師》をピック

デッキに入るカードがたったの14枚しか取れてないのはかなり厳しいが、2枚目の《兜蛾》が手に入ったのはラッキーだ。謀叛では《深き刻の忍者》を2枚以上取るのがノルマだし、1マナ圏のクリーチャーも何枚か押さえておかなければならない。

3-1 《深き刻の忍者》ピック 他候補《月明かりの徘徊者》《幻影の翼》
3-2 《裂け尾の巫女》ピック 他候補《霧刃の忍び》
3-3 《浪人の戦棍》ピック 他候補《偽りの希望の神》
3-4 《天羅至の掌握》ピック 他候補なし
3-5 《信心深い従者》ピック 他候補《裂け尾の巫女》
3-6 《百爪の一撃》ピック
3-7 《破れ障子の神》ピック
3-8 《涙の神》ピック

全体的に使用に耐え得るカードが足りてないが、これは1パック目の時点で何となく予想はついていた。最終的なデッキリストは以下のようになった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クリーチャー17
1マナ圏 《狐の易者》《涙の神》《灯籠の神》
2マナ圏 《古の法の神》《裂け尾の巫女》《薄青幕の侍》
3マナ圏 《無神経な詐欺師》《信心深い従者》《川の水神》
      2《兜蛾》
4マナ圏 《過酷な詐欺師》《深き刻の忍者》《狐の癒し手》
5マナ圏 《百爪の神》《破れ障子の神》《虚飾の道の神》

スペル5
《百爪の一撃》《密の反抗》《来世への旅》《思考縛り》
《浪人の戦棍》

土地18
10《平地》、8《島》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マッチ自体はかなり楽勝で決勝まで進んだ、と言いたかったところだけど、実際にはそうはならなかった。結果は1ラウンド目で敗退。1マッチ目は12枚中7枚の土地をドロー、2マッチ目は10枚中6枚の土地をドローしてしまったのだから仕方ない。しかしこの結果は、青白における典型的な失敗ドラフトのパターンを示唆している。私の持論では、青白は土地17枚で組むべきであると言うのがあるが、このデッキでは5マナ圏が重すぎて17枚の土地では回らないのである。まぁどちらのゲームも、あと1枚でもスペルを引けていたら結果が変わったかもしれないが、今となっては詮無きこと。

この環境では土地18枚がセオリーとなりつつあるが、それは土地を6枚や7枚並べるデッキでのセオリーだ。例えば《嵐の種父》より《古の法の神》を優先して取れば、より少ない土地で回るデッキが構築できる。このデッキでは5マナ圏が重すぎたので、その理論を実践できなかったのが心残りだ。
★ドラフト2回目

1-1 《伝承の語り部》ピック 他候補《霜投げ》《清められし者、せし郎》
1-2 《空民の雨刻み》ピック 他候補《食い込む疫病》《貪る強欲》《浄火の本殿》
1-3 《空民の雲乗り》ピック 他候補《大蛇の支援者》《密の反抗》
1-4 《手の檻》ピック 他候補《内臓捻りの鬼》《鼠の殺し屋》《つぶやく神》
1-5 《狐の易者》ピック 他候補《思考の鈍化》《霧中の到達》
1-6 《浮き夢のずべら》ピック 他候補《川の水神》《ねじれた鏡映の神》
1-7 《秘境の抑制》ピック 他候補《思考縛り》
その他 《孤独の守護者》《密の反抗》《川の水神》ピック

さっきよりは良い感じだ。素直に青白に行ける流れがラッキーだった。特に4手目の《手の檻》と7手目の《秘境の抑制》が明確なサインとして感じられる。

2-1 《古の法の神》ピック 他候補《大蛇の孵卵器》《灯籠の神》
2-2 《空民の雨刻み》ピック 他候補《山伏の炎》《不退転の意思》《小走りの死神》
2-3 《生真面目な君、昌子》
2-4 《狐の裂け目歩き》ピック 他候補《苦痛の神》《武道家の庭師》
2-5 《空民の鏡守り》ピック 他候補《献身的な家来》
2-6 《消耗の渦》ピック 他候補《巻物の君、あざみ》
その他 《無神経な詐欺師》《ねじれた鏡映の神》《空民の雲乗り》ピック

そう悪くない流れだ。ただ、1パック目で黒いカードをスルーしたのだからもう少しお返しがあっても良かったとは思う。

3-1 《深き刻の忍者》ピック 他候補《鬼の下僕、墨目》《岩石流》
3-2 《幻影の翼》ピック 他候補《崩老卑の囁き》《偽りの希望の神》
3-3 《不忠の糸》ピック 他候補《大水招き》《涙の神》
3-4 《ゆらめく玻璃凧》ピック 他候補《空民の精神浚い》
3-5 《裂け尾の巫女》ピック 他候補《涙の神》
その他 《月明かりの徘徊者》《水面院の視線曲げ》《破れ障子の神》ピック

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クリーチャー16
1マナ圏 《狐の易者》
2マナ圏 《古の法の神》《裂け尾の巫女》《水面院の視線曲げ》
      2《空民の雲乗り》
3マナ圏 《生真面目な君、昌子》《霧刃の忍び》
      2《空民の雨刻み》
4マナ圏 《月明かりの徘徊者》《深き刻の忍者》《空民の鏡守り》《ゆらめく玻璃凧》
5マナ圏 《伝承の語り部》《破れ障子の神》

スペル6
《祝福の息吹》《幻影の翼》《消耗の渦》《手の檻》
《不忠の糸》《秘境の抑制》

土地18
10《島》、8《平地》
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だいたい理想通りのデッキに仕上がった。そうそう、青白デッキの成功の秘訣は飛行の多さにもある。このデッキでは7体も飛行クリーチャーが取れてるので、この点では上々だろう。今回は1ラウンド目こそ勝ったものの、2ラウンド目でライフ計算を間違えて負けてしまった。

青白自体はかなり強い戦略だ。もし《伝承の語り部》やそのクラスのカードが流れてきたら、是非にでも青白に突き進むべきだ。記事の最初に上げたピック順序はかなり良い出来だと自負しているので試してみて欲しい。それでは、ドラフトでの幸運と、この記事を実践してくれることを祈りつつ。。。。

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