ソース:
http://www.brainburst.com/db/article.asp?ID=5110

世界中に先駆けた地区予選第1弾が開催! この予選はフランス選手権の招待券を得た18名のプレイヤーにとって重要な大会であったのはもちんろんのこと、我々にもすごく重要な大会なんだ。そう、親和禁止後初となるプレミアイベントなんだから。

パリ予選参加者363名のうち、予選抜けした18名の中の17名分のデッキリストが公開されている。スタンダードの早期メタを占う上で、ぜひともデッキリストをチェックしてみてくれ。

デッキリストは↓ここ。
http://www.brainburst.com/db/deck_search_result.asp?Location=2005%20Regionals%20Paris,%20France&order_by=place

情報元はMTGsalvation.com↓だ。
http://www.mtgsalvation.com/


というわけで、3/20に行われたフランス選手権パリ予選のデッキリストがBBに掲載されていました。上のURLから早速チェックすべし、です。

ちなみに上位結果をまとめると
 青コン(青白含む):5名
 トロン:3名
 白ウィニー:2名
 緑コン:2名
 赤緑ビート:2名
 ポンザ:1名
 黒緑デスクラ:1名
 緑黒歯と爪:1名
と、全体的に青コンが席巻したトーナメントだったようです。ちなみに、1,2位とも青コンですね。
「ナシフって本当にマジックが好きなんですね」

さて、リストの方ご覧になられたかと思いますが、使用プレイヤーまで目を向けるととんでもないビッグネームがおられました。

Mono Blue Contro | Gabriel Nassif |  2005 Regionals Paris, France | 2nd | 3/31/2005

そう、ガブリェル・ナシフです。去年のプレイヤー・オブ・ザ・イヤーにして、現在プロポイント世界7位、PTアトランタでの優勝も記憶に新しい、あのナシフです。でもこの人、フランス選手権本戦の切符はもちろん、世界選手権にすら楽々ご招待な筈なんですが・・・。地区予選からご参加とは、よっぽどマジックお好きなんですねー。すごいっす。

「権威主義ってわけじゃないんだ。
でも、これがナシフのデッキじゃなければ、
正直、ただのフロックに見えたと思う。


さて、このナシフの使った青単、とても斬新です。ちょっとリストを挙げてみますが、普通の青単じゃお目にかからないであろうカードを青字で記述してみます。

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    青単コントロール
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 Gabriel Nassif  /  パリ予選2位
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クリーチャー8
 4《泥棒カササギ/Thieving Magpie》
 2《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
 2《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》

スペル24
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 4《邪魔/Hinder》
 2《時間停止/Time Stop》
 4《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
 2《袖の下/Bribery》
 4《ブーメラン/Boomerang》
 4《知識の渇望/Thirst for Knowledge》

マナソース28
 4《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》
 4《金属モックス/Chrome Mox》
 4《隠れ石/Stalking Stones》
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 15《島/Island》

サイドボード15
 4《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
 3《幽体の変容/Spectral Shift》
 2《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
 2《時間の名人/Temporal Adept》
 2《無効/Annul》
 1《時間停止/Time Stop》
 1《脱出/Evacuation》
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いやぁ、青字過ぎて一面まっ青って感じです。「《残響する真実》じゃなくて《ブーメラン》かよ!」とか、「《ちらつき蛾》じゃなくて《隠れ石》かよ!」とか、そんな次元ではツッコミきれない程の斬新さですね。マナソースに《モックス》!、カウンターがわずか8枚(《時間停止》入れても10枚)! サイドの《不忠の糸》4枚で8コンマジ、白ウィニー対策? 

いやはや、僕程度の物体プレイヤーじゃカード1枚1枚に対する子細な思慮などは到底ムリっす。BBかSCGにでも、ナシフ本人の解説が載るような僥倖を期待しませう。

「維新ぜよ。竜さん、新たな青単の夜明けぜよ!」

さてさて、カード取捨選択についてはあまり語れませんが、このデッキの相対的な位置付けならば、なんとか理解することができました。ナシフのデッキをあえて解説するなら「カウンターの弱体化を見越した、《枷》特化型への進化」とでも言いましょうか。そんな感じです。

昨今、メインの《母聖樹》、サイドの《沸騰》は当たり前となっています。ならば、カウンター特化して20枚弱もカウンター積んでいる青単は、駆逐される運命にあります。それを見越した上で、メインはドロー能力とマナ加速を強化し、《枷》によるコントロールにデッキの存在理由(レゾンデートル)を託したタイプに仕上げた、と拝察いたしました。
サイドには、こちらも《母聖樹》を積んでいます。相手の《母聖樹》を潰す意味もありますが、対青で“カウンターできない”カウンターや《袖の下》を撃てるメリットというのも大きいでしょう。

フローレスにより提唱され、カルステンが《カササギ》を加え、たーは君によってカウンター重視型へと進化した青単の系譜が、ナシフによってまた塗り替えられました。メタを2周りくらい回した、とでも言いましょうか。もはや、これは青単の革命です。
さて、ナシフの素晴らしいパフォーマンスでご飯3杯は食べられるパリ予選ですが、そのほかのデッキも粒揃いです。さすがパリジャン、お洒落な国民性の中にも底が知れないタレントが隠れています。とりわけ目新しかったデッキをあと2つほど取り上げてみましょう。

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    青白コントロール
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 Cyril Martinez   /  パリ予選トップ16
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クリーチャー5
 4《清純な天使/Pristine Angel》
 1《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》

スペル29
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 4《卑下/Condescend》
 3《邪魔/Hinder》
 3《巻き直し/Rewind》
 4《神の怒り/Wrath of God》
 3《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
 2《残響する真実/Echoing Truth》
 2《原野の脈動/Pulse of the Fields》
 4《知識の渇望/Thirst for Knowledge》

マナソース28
 3《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 1《永岩城/Eiganjo Castle》
 12《島/Island》
 10《平地/Plains》

サイドボード15
 3《袖の下/Bribery》
 3《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
 3《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
 3《減衰のマトリックス/Damping Matrix》
 1《残響する真実/Echoing Truth》
 1《因果応報/Karma》
 1《聖なる場/Sacred Ground》
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青白コントロールです。オンスロートブロック退場により、トーナメントシーンから駆逐されたと思っていた青白コンですが、ここに帰還しました。青単がメタられて苦しんでいる現在、以下の2点において青白コンの優位性が在るのではないでしょうか?

?ウィニーに強い
白を加えたことで、メインの《神の怒り》《原野の脈動》、サイドの《仕組まれた爆薬》《赤の防御円》が使えるようになりました。アンチ青としての白ウィニー、赤スライの存在を根本から揺るがしてくれます。

?沸騰に強い
マナベースが《島》に依存しなくなったため、ナチュラルに《沸騰》対策になっています。若干《枷》が威力を削がれますが、《枷》出されて困るようなデッキはもともと生物が小粒なので、大して問題はないでしょう。

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    緑黒歯と爪
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 Antonin Laforge   /  パリ予選トップ8
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クリーチャー17
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《永遠の証人/Eternal Witness》
 3《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
 1《レオニンの高僧/Leonin Abunas》
 1《白金の天使/Platinum Angel》
 1《映し身人形/Duplicant》
 1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
 1《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
 1《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》

スペル21
 3《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
 3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 4《歯と爪/Tooth and Nail》
 3《恐怖/Terror》
 3《肉体の奪取/Rend Flesh》
 3《帰化/Naturalize》
 2《迫害/Persecute》

土地22
 2《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
 12《森/Forest》
 8《沼/Swamp》

サイドボード
 4《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》
 3《困窮/Distress》
 3《森の占術/Sylvan Scrying》
 2《粗野な覚醒/Rude Awakening》
 1《映し身人形/Duplicant》
 1《迫害/Persecute》
 1《白金の天使/Platinum Angel》
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いわゆるノントロンですが、《歯と爪》に繋げるためにマナブーストに特化しているわけではなく、コントロール要素を取り入れています。緑黒コントロールのフィニッシャーとして《歯と爪》を選んだ、とでも言いましょうか。自分のマナを加速して《歯と爪》を撃つよりも、相対的に相手を遅くして《歯と爪》を撃てるまで生き残る、というタイプのデッキだと愚考しております。

うきょー

2005年4月2日
なんか、日記の順番が上手くソーティングできないっス。リンクとかから飛んでこられた皆様、お見苦しゅうてすんません。気力があったら明日再チャレンジしてみます。
我レ任務遂行セリ

それにしても、1発で上手くソーティングできる方法ってないですかねぇ? 知ってる方いらっしゃいましたら、トラックバックくださいまし。
《八ツ尾半》で《光と影の剣》を剥がせるって知ってました?

Eight-and-a-Half-Tails / 八ツ尾半 (白)(白)
伝説のクリーチャー ― 狐(Fox)・クレリック(Cleric) Champions of Kamigawa,レア
(1)(白):あなたがコントロールするパーマネント1つを対象とする。それはターン終了時までプロテクション(白)を得る。
(1):呪文1つかパーマネント1つを対象とする。それはターン終了時まで白になる。
2/2
Illus.Daren Bader (8/306)
# http://whisper.wisdom-guild.net/card/533008/


この2つ目の能力で、《白黒剣》を白くしてみましょう。《白黒剣》により装備されたクリーチャーはプロテクション(白)を得ているわけですから、“白い”装備品は対象不適正です。結果的に、《白黒剣》自身のプロテクションではずれてしまいます。

参考:総合ルールビューア「プロテクション」
http://whisper.wisdom-guild.net/cr/cr.php?r=502.7(Wisdom Guildさんより)

《白黒剣》を出されると途端に旗色の悪くなる白ウィニーですが、対策手段としてこんなのもあるんですね。《八ツ尾半》は白ウィニー同キャラにも効くことですし、今のメタでしたらメインに2枚程度挿すのはアリではないでしょうか。
ねこやんさんとこに、新しいドラフトの遊び方が書かれておりました。
http://diarynote.jp/d/56232/20050331.html

すっげ、面白そうです。面子2人しか居なくて、シールドするのもアレやなーゆう時に、1人3パック(0.7〜1.0k)くらいで遊べるってなぁ良いですねぇ。今度やってみたいと思います。

気まぐれ工作

2005年4月10日
リアルで僕を知ってる方ならご存知かと思いますが、カバ雄さんてばマジックの小物にはけっこう凝る方です。

凝るといっても、あれこれ蒐集するだけじゃ飽き足らず、気に入った形とか色とかがないと自作してしまいます。技術屋なんてやってるもんですから、モノ作りは大好きです。
僕が使ってる、めくり式のあの珍しいライフカウンターなんかも、もちろん自作です。

で、3月に上京したときに、みらー様のバイト先のカードショップで、回転式カウンターを見かけたわけです。ちょっと厚めだけどデッキケースに収まるサイズで、相手と自分のライフをカウントできるタイプのヤツでして。あなた色に染めて下さいとばかりに無地なモノでした。

ムクムクと創作意欲フラグが立ってしまいまして、その場でとりあえず6個ほど大人買い。こりゃ良い東京土産になるぞ、と。
で、帰仙してさっそく作りました。絵素材はWotC本家の壁紙アーカイブ↓から拾ってきました(ちなみに僕の日記のタイトル画像もココから拾いました)。
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/wpotwarchive

2パターンほど作って、仙台のツレに配ったらそれなりに好評頂けました。で、ここで火がついたのかどうだか解かりませんが、色んな絵パターンのライフカウンター作りたくなっちゃいました。で、平日休日とも、残業終えた後に寝る間も惜しんでいそいそと作成しました。作りも作ったり、12パターンも。で、絵だけ用意したところで、ハタ、と現実に戻って気付くわけです。

「ライフカウンターの素材がそんなに無いジャン」

がびーん。手元にはあと3個しかありません。しくしく。
というわけで、GWに上京する折にはガバっと大人買いしてこようと思います。

てなわけでヨロシクね。 <みらー様
☆クレジット

 原題:Foundations of Kamigawa Block (Part 2 of 2)
 著者:Zvi Mowshowitz
 ソース:http://www.starcitygames.com/php/news/article/9337.html

この記事はStarCityGamesのプレミアム記事です。以降の翻訳文は、プレミアム会員の方を対象としています。まだプレミアム会員でない方は、↓からプレミアム会員にご契約してからお読み下さい。
https://sales.starcitygames.com/step1-login.php

この翻訳文は、カバ雄個人の裁量によって、非営利目的で作成いたしました。一切の責任はカバ雄に帰属します。誤訳/不適切な表現など無きよう充分に配慮致しましたが、もしご在ましたらご指摘頂けると幸いです。


☆前がきみたいなもの

真木さんのページでも紹介されていた、ズビィによる神河ブロック構築の解説記事です。このズビィの記事は、連載モノとしてPTまでデッキの調整過程を追っていってくれるみたいです。さて、で。この「神河ブロックの基礎 パート2of2」、前半部分は各色のカード評価をマナ域ごとにって感じでしたが、後半部分にデッキ集が付いていたので、そこに絞って翻訳してみました。

ただ、さすがにデッキ集いうだけあって、デッキが10個も載っています。僕の経験上、一度に大量のデッキリストを見るのは“ただの単調な作業”として苦痛に感じがちです。なので、何回かに分けて読みながら、ひとつひとつ「自分ならこう組む」って感じで思索していった方が楽しめるかと思います。いちおう、目次替わりに内容を箇条書きしておきます。

 ズビィの10のデッキ? ザ・ミストMk-? / Mk-?
 ズビィの10のデッキ? 秘儀・連繋 / 緑黒コン
 ズビィの10のデッキ? スライ / ストンピィ
 ズビィの10のデッキ? 白ウィニー / スピリット型白ウィニー
 ズビィの10のデッキ? デーモン / 赤緑
 ズビィの10のデッキ? 本殿 / 蛇
さぁお待ちかね。デッキリストの話をしよう。ただし、このレシピはあくまでもワタシの個人的な見解だってことは留意しておいて欲しい。それでも、議論の叩き台くらいには使ってもらえるハズだ。

ワタシが思い付く限り、デッキを10個ほどリストアップしてた。最初のテストプレイに付き合ってくれた友人と話していて「欠けていたデッキ」を思い出した。あちゃー、蛇デッキがない、と。

 ザ・ミストMk-?
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クリーチャー16
 4《花の神/Hana Kami》
 4《偽りの希望の神/Kami of False Hope》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 3《希望の盗人/Thief of Hope》
 1《小走りの死神/Scuttling Death》

スペル22
 4《天空のもや/Ethereal Haze》
 4《魂無き蘇生/Soulless Revival》
 4《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
 4《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 4《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
 1《活力の波動/Vital Surge》
 1《墓場の騒乱/Stir the Grave》

土地22
 1《水まといの洞窟/Waterveil Cavern》
 1《平穏な庭園/Tranquil Garden》
 1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
 10《森/Forest》
 3《平地/Plains》
 3《沼/Swamp》
 3《島/Island》
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他のデッキと比べて、コレだけは“実力証明済み”なデッキだ。このデッキは、コントロール系相手には無駄カードが多いけど、クリーチャーデッキには無類の強さを発揮するタイプだ。デッキのエンジンがナチュラルに揃わないときは《けちな贈り物》でまとめて持ってくるといい。持って来るのは、《天空のもや》《花の神》《墓場の騒乱》《魂無き蘇生》の4枚だ。これらが揃えば、相手のアタックは完全に無効化される。時間稼ぎのために《もや》を使い捨てするは、どんなに早くても4ターン目のアタックまでは控えるべきだ。それまでは致命的なダメージは入らないはずだ。
ゲーム後半になれば、《花の神》のお陰で秘儀スペルは《けち》さえ撃てば確実に手に入る。緑マナが潤沢にあるのに黒マナが出ないみたいなケースなら、《けち》で《沼》《長老》《手の内》とあと何かを持って来れば良いだろう。バーンデッキに当たったり、相手が《氷河の光線》モードに入った時は《活力の波動》が役に立つ。

このデッキのコンセプトは非常に強力だと分かったので、調整を重ね、最終的には以下のようなデッキになった。

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クリーチャー15
 4《花の神/Hana Kami》
 2《偽りの希望の神/Kami of False Hope》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 1《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 2《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》
 1《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
 1《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》

スペル
 4《天空のもや/Ethereal Haze》
 4《魂無き蘇生/Soulless Revival》
 4《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
 4《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 4《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
 1《活力の波動/Vital Surge》
 1《墓場の騒乱/Stir the Grave》
 1《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》

土地22
 2《水まといの洞窟/Waterveil Cavern》
 2《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 10《森/Forest》
 3《平地/Plains》
 3《沼/Swamp》
 2《島/Island》
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 秘儀・連繋
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スペル34
 4《霧中の到達/Reach Through Mists》
 4《深遠の覗き見/Peer Through Depths》
 3《砂のふるい分け/Sift Through Sands》
 4《不気味な行列/Eerie Procession》
 1《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》
 1《消耗の渦/Consuming Vortex》
 1《精神のくぐつ/Psychic Puppetry》
 4《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
 4《氷河の光線/Glacial Ray》
 4《禍御鳴の激憤/Ire of Kaminari》
 4《思考の鈍化/Dampen Thought》
 
土地26
 8《沼/Swamp》
 6《山/Mountain》
 12《島/Island》
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2つ目に挙げるのは、以前公開した“忌話図デッキ”だ。ただし、この環境には《旅人のガラクタ》が無いので、マナ基盤の安定性を諦めるか、2色に絞るかを決断する必要がある。緑以外のデッキでは、1枚だけ《沼》を出しておく、という動きが安定しない。でも、マナ基盤問題さえ気にしなければ、ワタシのスタンダード版デッキから欠けてるものは《ガラクタ》と《紅蓮地獄》だけだ。コンセプトをそのままブロック構築に持ち込むことができる。デッキの長所と弱点をきちんと把握しておいて欲しい。

 緑黒コン
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クリーチャー16
 4《花の神/Hana Kami》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》
 4《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》

スペル20
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
 4《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
 4《不快な群れ/Sickening Shoal》
 4《魂無き蘇生/Soulless Revival》
 4《木霊の手の内/Kodama’s Reach》

土地24
 1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 13《森/Forest》
 9《沼/Swamp》
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このデッキのコンセプトは簡単だ。《花の神》+《魂無き蘇生》モードに入ること、連繋先が《不快な群れ》で勝つ相手がクリーチャーデッキなら勝ちだ。除去1枚にわずか2マナ加えるだけで、鉄壁の勝ちパターンになるんだ。

世界の動向を調査してみたら、この手のデッキに《緊急時》を入れるのが定石になっているらしい。確かにデッキの柔軟性は大いに増すけれど、ワタシは賛同しかねるね。
 スライ
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クリーチャー22
 4《悪忌の雪崩使い/Akki Avalanchers》
 4《尖塔の源獣/Genju of the Spires》
 4《悪忌の略奪者/Akki Raider》
 4《かまどの神/Hearth Kami》
 4《浪人の犬師/Ronin Houndmaster》
 2《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》

スペル15
 3《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
 4《氷河の光線/Glacial Ray》
 4《山伏の炎/Yamabushi’s Flame》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》

土地23
 1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
 22《山/Mountain》
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リストを見れば、やりたいことは一目瞭然なハズ。それ以上でもなければ、それ以下でもない。

 ストンピィ
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クリーチャー25
 4《茨の子/Child of Thorns》
 4《花の神/Hana Kami》
 4《泥穿ち/Soilshaper》
 3《壌土に住むもの/Loam Dweller》
 2《武道家の学徒/Budoka Pupil》
 4《節くれ塊/Gnarled Mass》
 4《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》
 
スペル11
 4《木霊の力/Kodama’s Might》
 3《野放しの成長/Unchecked Growth》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》

土地24
 1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
 23《森/Forest》
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コレも一目瞭然かな。ほら、ここ笑うところだよ!
 白ウィニー
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クリーチャー26
 4《灯籠の神/Lantern Kami》
 2《新参の武士/Bushi Tenderfoot》
 3《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》
 4《薄青幕の侍/Samurai of the Pale Curtain》
 3《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》
 2《古の法の神/Kami of Ancient Law》
 2《金之尾師範/Sensei Golden-Tail》
 4《塵を飲み込むもの、放粉痢/Hokori, Dust Drinker》
 2《黄昏の守護者、秘加理/Hikari, Twilight Guardian》 

スペル12
 4《輝く群れ/Shining Shoal》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
 1《今田の旗印/Konda’s Banner》
 3《天羅至の掌握/Terashi’s Grasp》

土地22
 1《永岩城/Eiganjo Castle》
 21《平地/Plains》
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まるで駄目なレシピに見える? そりゃワザトそうしたのさ。っても、自分で組んでみりゃ殆ど選択肢が無いのなんて判るだろうけどね。デッキをスピリットに寄せるか否か、そこが問題だね。

 スピリット型白ウィニー
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クリーチャー26
 4《灯籠の神/Lantern Kami》
 2《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》
 4《古の法の神/Kami of Ancient Law》
 4《脂火玉/Tallowisp》
 1《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》
 4《信心深い従者/Faithful Squire》
 4《蝋鬣の獏/Waxmane Baku》
 2《黄昏の守護者、秘加理/Hikari, Twilight Guardian》 

スペル12
 4《手の檻/Cage of Hands》
 2《不退転の意志/Indomitable Will》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
 1《輝く群れ/Shining Shoal》

土地24
 1《永岩城/Eiganjo Castle》
 23《平地/Plains》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

よけいグチャって見える? ウッシッシッシ。これが“正解”じゃないことはキミが証明してくれ。ワタシはとりあえずで組んでみただけだよ。デッキには《祝福の息吹》が欠けてるし、《輝く群れ》も過小評価しすぎてた。ちょっと縦のシナジィにこだわりすぎたかな。《群れ》とか入れると全体的にマナカーブは高くなっちゃうけど、多分その方がまだマシだね。
 デーモン
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クリーチャー22
 4《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》
 2《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》
 4《大峨の匪賊/Ogre Marauder》
 4《悪逆な大峨/Villainous Ogre》
 4《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》
 4《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》

スペル12
 4《困窮/Distress》
 4《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
 4《不快な群れ/Sickening Shoal》

土地24
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 23《沼/Swamp》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この環境の黒いデッキで《幽孤羅》も《沼居の災い魔》も入っていないデッキなんて、マナカーブ的に美しくない。明らかにこのデッキは《十手》入れたほうが強いので、《困窮》あたりのスペースを空けるつもりだ。

 赤緑
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クリーチャー23
 4《花の神/Hana Kami》
 4《刃鬣の獏/Blademane Baku》
 4《かまどの神/Hearth Kami》
 4《狩猟の神/Kami of the Hunt》
 3《武道家の学徒/Budoka Pupil》
 4《南の樹の木霊/Kodama of the South Tree》

スペル14
 4《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
 4《氷河の光線/Glacial Ray》
 4《木霊の力/Kodama’s Might》
 2《野放しの成長/Unchecked Growth》

土地23
 1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
 1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
 12《森/Forest》
 9《山/Mountain》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あれ? 《十手》は? 
もちろん入れて無いよ。《十手》単体のパワーより、デッキ全体のシナジィの方が強いからね。この辺の経緯は先週の記事(1 of 2の方)にも書いたね。もともとのデザインじゃ、反転カードがもう少し入ってたんだ。でも、このデッキは4ターン目に《南の樹の木霊》を出して5ターン目に人を殺したいデッキだから、2体目の《武道家の学徒》を出してる暇なんて無いんだ。反転させるために浪費してる時間なんて無いし、常に攻勢を保たなきゃいけないデッキなんだ。

でもまぁ、実際にプレイテストにかけてみると、コンセプトどおりに綺麗にはいかないことも往々にしてある。クリーチャーデッキに《十手》を入れないのは、ヴィンテージでパワー9を使わないようなモンかもね。試しに「貧乏だから入れて無いんです」とか言ってみるのも手かもしれない。素直にアプレンティスを使ったり、代理カードで済ませたりする方がスマートだけどね。多少なりとも《十手》に耐性をつけるために《節くれ塊》を採用するのも良いかも知れない。シンプソンのじいちゃんの言葉を借りるなら「少なくとも、品位だけは保たないと」だからね。
 本殿!
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クリーチャー7
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 3《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》

スペル31
 4《浄火の本殿/Honden of Cleansing Fire》
 3《風見の本殿/Honden of Seeing Winds》
 2《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》
 2《生網の本殿/Honden of Life’s Web》
 4《最後の裁き/Final Judgment》
 3《輝く群れ/Shining Shoal》
 4《天空のもや/Ethereal Haze》
 3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 2《名誉に磨り減った笏/Honor-Worn Shaku》
 4《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
 
土地22
 4《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 4《平穏な庭園/Tranquil Garden》
 1《頂雲の湖/Cloudcrest Lake》
 7《森/Forest》
 4《平地/Plains》
 1《島/Island》
 1《山/Mountain》
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ワタシが言っておきたいのは、《本殿》でも《名誉に磨り減った笏》を起こせるって事と、そうやって出たマナで《明神》が登場するのは楽しいって事さ。このフォーマットは神と驚きに満ちてるんだから! このアイディアは単なる好奇心だけじゃなくて、確実に面白いってことが重要だ。ワタシは、このアイディアを生かすべくもう少し研究してみることにする。

デッキ集として完全なものにするために、いちおう蛇デッキも挙げておこう。ただしワタシが組み上げたものじゃないし、この記事のテーマからは除外して考えておいて欲しい。

 
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クリーチャー21
 4《大蛇の葉詠み/Orochi Leafcaller》
 4《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》
 3《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《せし郎の娘、さ千/Sachi, Daughter of Seshiro》
 1《せし郎の息子、そう介/Sosuke, Son of Seshiro》
 3《清められし者、せし郎/Seshiro the Anointed》
 1《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 1《昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Star》

スペル16
 4《そう介の召喚術/Sosuke’s Summons》
 4《自然との融和/Commune with Nature》
 4《緊急時/Time of Need》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》

土地23
 4《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
 15《森/Forest》
 2《山/Mountain》
 1《島/Island》

サイドボード15
 4《摩滅/Wear Away》
 3《香杉の源獣/Genju of the Cedars》
 2《せし郎の息子、そう介/Sosuke, Son of Seshiro》
 2《龍の牙、辰正/Tatsumasa, the Dragon’s Fang》
 1《清められし者、せし郎/Seshiro the Anointed》
 1《生網明神/Myojin of Life’s Web》
 1《激憤明神/Myojin of Infinite Rage》
 1《熊野の祝福/Kumano’s Blessing》
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もう一度言おう。コレはワタシのデッキじゃないし、一切手も加えてない。トーナメントで勝ったデッキを拾ってきたものだ。

スタート地点としてはこんなにバラエティーの富んだ環境だ。

今現在、ワタシは世界情勢を見つつ“デッキの修正”を行っているところだ。次に書く記事では、実際の世界に触れてどう変わったかをレポートしよう。最初に道具を見て、次に使い方を理解するって方法論だ。まずはオンラインでメタを見極めて、世界はこんなにバラエティーがないってことを感じよう。

これがセンスを磨く最良の方法だ。
タカラに載ってたリミテッド記事を受けて、「シールド“後手”説はどーなの?」的な議論があちこちで話題になっているようでして。僕もまぁ、思うところがあるのでちょっと便乗して語ってみましょう。

基本的に、カバ雄さんはシールド“先手”説支持派です。おっそいミラディン×3環境の頃ですら、先手を取っていました。でも、時には「このデッキなら後手だな」ってな時があります。

神河物語×3のときのPTQで優勝したとき、僕は後手を取り続けました。
http://diarynote.jp/d/60094/20041017.html
何故このデッキだと、後手なのでしょうか? お解かりですね。デッキが4マナ域スタートだからです。

4ターン目までにドローしている枚数は、先手なら10枚、後手なら11枚です。数学に強いお方は、ここで4枚目の土地を引けている確率を計算してみて下さい。如何です? わりと差が出ますね。このように、4マナ域ごん重デッキを組んでしまった場合は、後手を取った方が無難ってのが、僕の中では定石としてあります。

また、オデッセイ環境の赤黒除去単みたいな、デッキ構造上、後手の方が強い場合もあります。《無垢の血》使うんだったら、そりゃ後手の方がいいですよね。ここら辺の理論については下記の中村修平さんの記事に詳しいので、読むと勉強になります。
http://www.shop-fireball.com/mtg/repo/020522gpnagoya.html
つまり、受け身なデッキなら後手の方が強いということですね。

まとめると、カバ雄さんは以下2点のときのみシールドで後手を取ります。
 ・4マナ域ヘビーなデッキ
 ・除去単で受け身なデッキ
ただ、シールドで後者のようなデッキが組めることなんて滅多にないんですけどね(笑)。
☆クレジット

 原題:UG - The Hidden Archetype
 著者:Gerard Fabiano
 ソース:http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=5133

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また、この記事に対して捕捉リンクを張って頂く際は、必ず“Brainburst.Comのプレミア記事”であることを明記して下さい。

この翻訳文は、カバ雄個人の裁量によって、非営利目的で作成いたしました。一切の責任はカバ雄に帰属します。誤訳/不適切な表現など無きよう充分に配慮致しましたが、もしご在ましたらご指摘頂けると幸いです。


☆前がきみたいなもの

さて、PTQ真っ盛りですが皆様いかがお過ごしでしょうか。真っ盛りと言えば、仙台ではいまが桜の真っ盛り。日本酒片手に夜桜なんぞを楽しんでおります(既にへべれけ)。そういえば週アタマに兵庫に出張しましたが、もうあっちは桜が散っていてビックリ。そうかぁ、東北の春は遅いんだなぁと実感いたしました。

あれ? 何の話でしたっけか?

そうそう、PTQロンドンの話ですよ。リミテッドシーズンに構築一辺倒ってのもアレやろってことで、ジェラードの青緑の記事を訳してみました。なかなかカードの評価のつけ方が個性的で楽しめる仕様となってます。ただ、こういう記事を読む中で、「自分ならこっちのカード評価するな」とか、そういう視点に立って読むとかなり深い記事ですのでお試しを。

カバ雄さん、4ドラなら好んで青緑をやります。《クチ》スタートで、1週してきた《手の内》キャッチ、って定石は大好きです。でも、8ドラだとあんま青緑はやりたくないですねぇ。やりたくないですねぇ、っつって毛嫌いしてると、上家が赤黒、下家が白みたいに挟まれたときに泣きを見るわけでして、まぁ常々考えておかにゃならないわけです。というわけで、青緑に対する理解を深める意味でも、ぜひこの記事を読んでみて下さいませ。
---ジェラード・ファビアーノ

CCBのドラフトは楽しいね! キミはドキドキしながら初手のパックを開けて、幸運にも《兜蛾》に出会えた。2手目に上家から流れてきたのは《伝承の語り部》だ。おめでとう、青白飛行デッキへ一直線だ。また、初手初手のパックから《汚れ》、2手目に《山伏の炎》なら、文句なく赤黒除去デッキへ進むといい。じゃあ、初手に《伝承の語り部》取って、2手目に《苔の神》以外の選択肢が無かったら? 確かにこの環境では、緑を毛嫌いしてる人が多くて、何を隠そう俺もその一人だ。でも時には、やらなくちゃいけないことだってある。虫歯を治しに歯医者に行くようなもんだ。今日は、緑との上手い付き合い方を俺が伝授しよう。

まずはじめに、青緑は隠れたアーキタイプの一つだ。

なんで“隠れた”アーキタイプなのかって? それには理由があるんだ。俺はこの記事を書くにあたって、青緑についての認知度を調査してみたんだ。そうしたら、「青緑は最悪の組み合わせだ」って意見が大半を占めていて、この組み合わせに対する正しい研究が成されていなかったんだ。コレじゃあ勝てるもんも勝てないね。なので、今回は俺が、青緑のコモンピック順序を指南しよう。これを読めば君も青緑マスターだ。

☆神河物語

《伝承の語り部/Teller of Tales》
青緑に突き進む上で最高のスタートとも言えるカードだ。3/3の飛行に素晴らしい能力まで付いてくる。青緑なら、《クチ》の能力を余すことなく使えるんだ。このカードがどれだけ素晴らしいかなんて、今さら言うまでもなく分かってるだろうから、あえて多くは語らない。とにかく、《クチ》最高、とだけ言っておこう。

《苔の神/Moss Kami》
6マナ5/5はほんとに良いカードだ。しかもトランプルまで付いてるんだから、文句のつけようもない。マナ加速の豊富な緑なら、《苔の神》を5ターン目に出すのも簡単だ。早いターンに出てきたファッティはひどい頭痛の種になるし、ダブルブロックで対処を試みようものなら、《木霊の力》や《消耗の渦》の餌食だ。

そうそう、俺がMTGOでプレイしてる時に少年に話しかけられたんだ。曰く「このゲーム始めたばっかなんだ、なんかカードちょうだい。緑のカードが好きなんだけど・・・」。俺は「いいよ」と言ってこの《苔の神》を4枚くれてやったんだ。

《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》
この環境ではマナ加速が非常に強力だ。しかも、緑をやってる以上はマナ加速に事欠くなんてあり得ない。この《支援者》の良い所は、3ターン目にして4マナ域までジャンプできるところだ。2ターン目に《支援者》を出せれば、その後のゲーム展開はガラッと変わるからね。

《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
マナ加速としては《支援者》に次いで2番目だ。それでも強力なことは言うまでもない。デッキに最低でも2枚は《支援者》か《長老》が欲しいところだね。

《木霊の力/Kodama’s Might》
こんなに軽いのにこんなにパワフル。たった1マナで、ほぼあらゆる戦闘を制圧できるんだ。しかも連繋まで付いていて、《霧中の到達》にでも連繋すれば笑いが止まらないくらいのアドバンテージが獲得できる。1回でも対戦相手に《木霊の力》を見せれば、その後はブラフとして持ってる振りをするだけで、戦闘を優位に進めることができるのも強みだ。

《狩猟の神/Kami of the Hunt》
3マナ2/2の平凡な生物だけど、この青緑じゃただの《灰色オーガ》に非ず。大体どのスペルを唱えても+1/+1してくれるんだ。とりわけこの《神》を重宝するのが、マナカーブを整える意味で使うときだ。《支援者》も《長老》も取れない時は3マナ域の重要度が上がるから、その重要度を認識して、積極的に3マナ域をピックするように心掛けよう。

《秘教の抑制/Mystic Restraints》
4マナ払えば、環境の脅威をたいてい押さえ込んでくれる。それがたとえゴッドレアであっても、だ。青緑は単体除去に欠くので、最良のカードとして働いてくれることも多いし、そうでなくても良いカードとしての仕事はしてくれる。

《消耗の渦/Consuming Vortex》
この《消耗の渦》は、青緑で使うときが一番強い。青緑は、いわゆるテンポデッキになることが多く、テンポを活かすってテーマにこのカードはピッタリなんだ。青緑のどんなカードと組み合わせても、《渦》は上手く働いてくれる。似たようなカードとして《未達の目》があるけど、青緑のリストでトップ10入りするほどには強くない。でも、《未達の目》でも充分なことは多く、とりわけマナ加速が取れてない時には重宝する。

《残忍な詐欺師/Feral Deceiver》
4マナ3/2じゃ力不足だけど、4マナ5/4トランプルだと話は変わってくる。ライブラリートップが土地じゃなければ、《長老》や《木霊の手の内》でシャッフルしてやってから再度ライブラリーをめくり直すって手もある。とにかくこいつはデカすぎて、対戦相手も手を焼くことになるだろう。

《聖鐘の僧団/Order of the Sacred Bell》
4マナ域であと欲しいカードって言うと、たいていの人は《空民の鏡守り》って言うんじゃないかな。確かに《鏡守り》は最後の数点を削るのには秀逸だし、忍者との組み合わせは特筆に価する。でも俺は、タフネス1の生物に対する評価が低いんだ。他にも《空民の雲乗り》はデッキを深く掘り進んでくれるし、《空民の雨刻み》は除去満載のデッキから生物を守ってくれる。でも、青緑はマナを残して展開するのは難しいし、これらの飛行はそこまで優先するほどのこともない。もちろんデッキに入れた時に強力なのは間違いないので、チャンスがあればピックしておくのが吉だ。
☆神河謀叛

《ゆらめく玻璃凧/Shimmering Glasskite》
4ターン目に出しても強いのに、3ターン目に出てきちゃうともうウハウハ。殺しにくい上に安定したクロックになってくれる夢のパーフェクト超人。青緑をやる上で、謀叛のベストコモンだ。

《節くれ塊/Gnarled Mass》
さっきも3マナ域の重要性を語ったけど、この《塊》は完全に3マナ域を埋めてくれるナイスガイだ。どんなデッキでも3/3に対処するのは一苦労だ。相手が1ターン目《ゴブリンの群勢》、2ターン目《かまどの神》みたいなブンブンした時でも、3ターン目に《塊》を出せばピタリと止まる。3マナ3/3に文句のつけ様なんてないね。

《茨の子/Child of Thorns》
このチビがこんなにリストの上の方に居るのは驚きかい? 普通ならここら辺で忍者でも出てきそうなもんだけど、俺の持論として、忍者は青緑に合わないってのがある。だって、忍術のコストでクリーチャーを手札に戻したら、テンポが悪いだろ。それに引き換え、この《茨の子》は優秀だ。早いターン出てきて、戦闘に睨みを利かせながらアタックを有利な取引に変えてくれるんだ。

《鱗の大男/Scaled Hulk》
この環境じゃ生物はデカけりゃデカいほどいい。そして、コイツは信じられないほどデカくなる可能性があるんだ。《日夜の苦役》や《秘密の帷》との相性も特筆に価するな。

《桜族の春呼び》《忍者》《日夜の苦役》《秘密の帷》《幻影の翼》なんかも、だいたい評価通りの働きをしてくれる。あとはデッキになにが足りてないか認識するだけだ。忘れちゃならないのは、カードの単体としての強さより、デッキ全体の方向性が大事ってことだ。

もちろん、ドラフトは楽しいんだけど、ここがPTQやGPならドラフト卓に辿り着く前にシールドをこなさなきゃならない。俺は数日前に、シールドで勝つための10か条みたいな記事を読んだ。いいかい、シールドじゃあまり変な行動はしないほうがいい。実は、これはマジック全般にも言えて、あまり変な方法論とかはたいていの場合いい結果を生まない。ここに、君のシールド構築の指針となるようにいくつかの問いを用意した。これに答えるように心掛けて、シールド構築を行ってみて欲しい。

「このデッキのドローが楽しみかい? このデッキを使ってみたいと思うかい?」
「爆弾カードに対処できる?」
「爆弾カードに負けるとして、どう変えれば対処できる?」
「3色目を散らす可能性は?」
「メインにサイドボードカードを入れる可能性は? (ほら《摩滅》とか《強風の力》とかさ)」
「マナバランスは完璧?」
「勝ち手段は複数用意した?」
「土地の枚数は何枚が適正かな?」
「フォイルの土地は、デッキに紛れ込んでない?」

俺が君に言いたいことは以上だ。この記事がPTQロンドンシーズン真っ只中の君の役に立ってくれることを祈るよ。もし気が向いたら、PTQやGPのレポートを俺に送ってくれ。そうそう、ここに書いた内容はあくまでも目安であって、絶対の基準じゃない。ドラフトの局面ごとに臨機応変に対処していってくれ。

じゃあ読んでくれてありがとな。またいつかどこかで。

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