9版対応デッキ試案 その?
【赤緑ワイルドファイア編】

GP新潟も終わって、僕の中ではブロック構築もやっと一息ついた感じ。なので、今週発売になった9版対応のデッキについて、語っていこうと思う。

《すき込み》の脱落。9版環境でのこの変革は、緑系コントロールにとって大きな痛手となった。マナを縛れない緑コンなんて、トロンにとっては無力な羊も同然。メェメェ啼いてるうちに、狼さんに食べられてしまう。

マナ拘束って点では、9版に再録された《燎原の火》がこの《すき込み》亡き後の緑系コントロールを支えてくれるんじゃないかと思った。むしろ、「《燎原の火》を使うデッキは緑コン以外にありえない」と思えてしまうほどの相性の良さがある。

理由?
マナ加速が土地を伸ばす系のカードなんで、土地4枚サクっても、リカバリーするだけの土地が残る。

理由?
緑ベースにするとファッティが多数使えるので、いわゆる“X-ゲドン”状態に持ってき易い。

理由?
たった1発の《燎原の火》じゃ勝ちきれなくても、《永遠の証人》で回収できる。

理由?
特定のキーカード(つまり《燎原の火》)に依存しているデッキにとって、《独楽》+シャッフル手段を使えるのがGood。


所感としては、「《燎原の火》はつまり、手札拘束のない《死の雲》」って感じ。手札を締め付けない分、相手のリカバリーも早いってのは確かに問題。でも、こっちもファッティ展開してから撃てるって点で、相手の立て直す時間を削いでるしね。なにより、最悪でもこっちの土地2個は残るんで、とりあえずどんな局面でも《燎原の火》撃っちゃえるのが魅力。

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クリーチャー:19
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《永遠の証人/Eternal Witness》
 2《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
 2《素拳の岩守/Iwamori of the Open Fist》
 4《弧炎撒き/Arc-Slogger》
 3《腐食ナメクジ/Molder Slug》

スペル:19
 4《燎原の火/Wildfire》
 4《マグマの噴流/Magma Jet》
 2《引き裂く蔦/Rending Vines》 
 3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 2《不屈の自然/Rampant Growth》
 4《木霊の手の内/Kodama’s Reach》

土地:22
 4《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
 10《森/Forest》
 8《山/Mountain》

サイドボード:15
 4《石の雨/Stone Rain》
 3《塩まき/Sowing Salt》
 3《流動石の山崩れ/Flowstone Slide》
 1《腐食ナメクジ/Molder Slug》
 2《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
 2《粗野な覚醒/Rude Awakening》
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このデッキの《独楽》はホントによく回る。12枚のシャッフル手段に加えて、《弧炎撒き》や《マグマの噴流》でライブラリトップを取り除いたり、《引き裂く蔦》や《身代わり》でキャントリップしたり、などなど。

このデッキでは《火と氷の剣》なんかに代表される装備品を使っていない。なぜなら《腐食ナメクジ》を使いたかったから。《燎原の火》に耐えるタフネスを持つクリーチャーとして、《弧炎撒き》と《腐食ナメクジ》はツーヘッドだと思ってる。あとは《岩守》とか《閼螺示》とか《狩り立てられたウンパス》とか居るけど、制圧力って点ではこの2匹には及ばない。
《火と氷の剣》も確かに《燎原の火》と噛み合うんだけど、それは相手の使う《剣》がこのデッキにとって致命的になっちゃうってことでもある。ならば、相手の《剣》をケアしつつ、《燎原の火》環境下で生き残る《腐食ナメクジ》の方が選択肢としては優れていると思う。

サイドの《流動石の山崩れ》は、ウィニー対策。ふっつーは《紅蓮地獄》、そうじゃなくても《陶片のフェニックス》でも入れるスロットだとは思う。でもほら、《流動石》なら《トロールの苦行者》や《ヴェクの聖騎士》もケアできんじゃん! ・・・ってのは言い訳で、《流動石》撃ってパワー上がったファッティでぶん殴るって勝ち方をやってみたかっただけ。

あと、デッキの性質上、対青コンは絶望的なんで、せめてサイドの《粗野な覚醒》+《母聖樹》で夢でもみようか、と。
いい子なんです。拾ってやって下さい

PTQ@仙台はTop4で討ち死にしました。僕は、今日を最後に神河限定構築を終わりにしようと思ってます。ただ、今日使ったデッキ自体はとても強くて、絞り込めば「環境のソリューションになれるかも」ってポテンシャルはありました。なので、僕の代わりにデッキを使って下さる方のために公開しようと思います。


で? ほんとにデッキ強いの?

や。強いと思います。まともなプレイヤーの方が使ってたら、抜けてたと思いますよ。なにせ、カバ雄さんてば、こんな状態↓でPTQに臨んだんですから。
 ・GP新潟が終わってからKBCに触れてない
 ・この青黒コンを対人で回すのは今日が初めて
 ・サイドボードプランは行きの電車の中で考えた
 ・仕事忙しくて疲労度Maxな上、風邪気味で体調最悪
 ・もちろんプレイングは会場内最低ランク
・・・。
すんませんすんません、つまり脳内構築デッキを持ってったってことです。しかも、このPTQに懸けるモチベーションも極度に低くて、付けたデッキ名がこんな感じ↓でした。
「今日は、買い物と部屋の片付けをしたいので、0-2ドロップするつもりのデッキ」

これでTop4まで行けたのは、我ながらスゴイと思いました。ってか、死ねよこのブタ野郎って感じですね。ほんま生きててすんません。
ソリューション? 罠!? 〜 KBCでの青黒コン 〜 ?
環境の精神隷属器は?

GP新潟の帰りのバスの中のことです。「環境に“けち”と“青コン”が多いなら、その両方に勝てるデッキを組めばいいじゃない」と、僕は考えました。そもそも青コンはけちに強いはずなんですから、じゃあ青コンをメタった青コンなら環境のソリューションになりえると思ったわけです。そう、“補充”に強いトリニティが、同キャラ対策にアングリーハーミットに進化したように、青コンもまだまだ進化の余地が残ってるんじゃないかと思いました。

さて、いったん話はちょっと逸れます。かつて“The Deck”には《破裂の王笏》が入ってましたし、“人類の英知(青白コン)”には《精神隷属器》が入ってました。ドロースペルがあまり強くない環境では、相手のスペルをすべてカウンターするのは不可能なのです。ならばこそ、1枚で複数枚処理できるような、アドバンテージを担うカードがデッキに不可欠となってきます。

賢明な方なら、そろそろ僕のの言いたいことの想像がついたと思います。そう、この環境の《精神隷属器》は明らかに《霊光の追跡者》の魂力であり、そのために青コンに黒をタッチしようというところから、デッキの構想がスタートしたのです。

けち対青での一般的な展開として、普通はあまり重要度の高くないカード(《影麻呂》とかですね)からキャストしていって、カウンターを連打させて手札が消耗したあたりで本命のカードを通すような感じになりますよね? ところが、手札に残っていたはずの強いカードを根こそぎ《霊光の追跡者》で持って行く訳ですから、けち使いにとってみりゃ「嗚呼やられたりやられたり」って気分になれます。実際、今日のPTQで僕に《霊光の追跡者》を叩き込まれたプレイヤーは、皆イイ顔してくれました。

対青戦でも同様のことが言えます。適当にカウンター合戦をして、相手の手札が4枚になったところで、カウンター出来ない4枚ハンデスが飛んでくるんですから、その破壊力は想像に難くないでしょう。

メインに《霊光の追跡者》を入れれる青コンこそが、この環境のソリューションであったと、この部分では戦略性の正しさを自負しています。
ソリューション? 罠!? 〜 KBCでの青黒コン 〜 ?
ボインなバディにドキがムネムネ

メインに《霊光の追跡者》を入れるってプランの他に、常々思ってたのが「青いデッキに《墨目》入れたら強いね」ってことです。忍術はカウンターされないので青コンに強いですし、けち相手に適当にデカブツを打ち消して《墨目》で釣ったら強いなぁと考えてました。忍術って言っても、「種ポケモンは?」とか、「《不快な群れ》で死ぬじゃん」とか思うかもしれませんが、そこを解決してくれる最良のパートナーが《曇り鏡のメロク》なのです。

まず、対青コンの場合なんですが、《メロク》をこちらから仕掛けて、相手の手札に《メロク》がある場合、相手はあまり深追いしてカウンターをせず、返しの対消滅を狙うことが多いです。対消滅時に置き土産としてトークンを出しておき、トークンを《墨目》に忍術して相手の《メロク》を釣ればほぼ勝ったも同然です。そうそう、その時は《墨目》をバウンスされるのを考えて、トークンは2体出しておくのがベストです。

また、対けちコンの場合もメロクに《不快な群れ》を当てさせといて置き土産のトークンを作り、満を持して《墨目》に忍術ってのが定石です。《影麻呂》とか《北の樹の木霊》とか《黒瘴》とか、釣って嬉しいものは相手の墓地にたいてい落ちてるでしょう。

《墨目》が殴り続けることで、相手は守勢を余儀なくされるので、殴ってる安定感は《メロク》や《京河》に比べて段違いに高いです。どんどんフィニッシャーを奪い取れるので、カウンターの節約にもなるって点で、青いデッキに打ってつけの人材でした。



ゴタクはいいからデッキレシピ見せやがれ

デッキの話を語らせると、長くなってしまうのは僕の悪いクセです。一つのレシピは千の言葉よりも雄弁に語ってくれることですし、そろそろレシピをお見せしましょう。

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       青黒コン(0-2 Drop)
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 カバ雄 / PTQ@仙台 Top4
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クリーチャー:9
 4《呪師の弟子/Jushi Apprentice》
 3《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 2《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》

スペル:25
 3《密の反抗/Hisoka’s Defiance》
 4《邪魔/Hinder》
 3《水面院の翻弄/Minamo’s Meddling》
 2《抗い難い知力/Overwhelming Intellect》
 2《霊光の追跡者/Ghost-Lit Stalker》
 4《英雄の死/Hero’s Demise》
 2《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
 3《真髄の針/Pithing Needle》
 2《旅行者の凧/Journeyer’s Kite》

土地:26
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 2《水まといの洞窟/Waterveil Cavern》
 15《島/Island》
 6《沼/Swamp》

サイドボード:15
 4《肉体の奪取/Rend Flesh》
 2《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
 2《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》
 2《闇への流刑/Exile into Darkness》
 4《鼠の短牙/Nezumi Shortfang》
 1 Ultra Super Secret Tech
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ハイ、質問のある人〜!

☆秘儀/スピリット呪文が・・
このデッキの秘儀/スピリット呪文はメインでは《霊光の追跡者》のみです。これが何を意味するかといえば、相手の《精神の槍》や《密の反抗》が無駄カードになるってことです。半端に入れてしまうと、ここぞとばかりに《密の反抗》撃たれるので、メイン0ってのは正解でした。

☆あざみは?
《巻物の君、あざみ》の不採用、多くの方がこれには疑問を投げかけておられました。ただ、僕個人の意見では、《あざみ》のスロットに《抗い難い知力》と《旅行者の凧》入れた方がよっぽど強いと思いました。タップアウトして出した《あざみ》を守るために《攪乱する群れ》を使うくらいなら、最初から隙の少ないこれらを入れた方が、青単とけちコンには確実に強くなります。

☆メインで《英雄の死》4本ってどうよ?
強かったですよ。結局、青単とけちコンではクリーチャーがほとんどレジェンドなんですから、《英雄の死》は追加カウンターとして働きます。また、《道三》なんかを殺せるのもデカイですね。
そうそう、フジシューさんが台北勝ったデッキも白青レジェンドなんで、これからのメタ的にも、《英雄の死》4本はアリだと思います。

☆オイ、《短牙》かよっ!
カウンターデッキに《短牙》ってのは、疑問に思うかもしれませんが、とても強かったです。2ターン目にうっかり出して、あとはカウンターを構えながらエンドに《短牙》起動してると、すごい安定感です。「こりゃ負けねぇや」と、今日そういう展開になって思いました。

☆Ultra Super Secret Techって・・?
恥ずかしいので聞かないで下さい。このカードについて仙台勢に言われたことはこんな感じでした。
「オーバーキルだ」
「使える状況が想像できない」
「2度勝ちカードどころじゃない、3度勝ちカードだ」



ホントにいい子なんです。どうか育てて下さい

この青黒コンは、これで完成なんて言うつもりはありません。むしろ、叩き台くらいの完成度です。デッキのポテンシャル自体はすごく高いですし、環境にもマッチしています。ただ、あくまで仙台の片隅の1プレイヤーの脳内デッキに過ぎず、まだまだ絞り込みは足りてません。もし、気に入って頂けたのなら使ってみて下さい。このデッキがメタに揉まれてどう完成されていくか、その成果を見れたら僕自身のデッキ構築理論にも大いに参考になります。このまま埋もれさすには惜しいと思いますので、どうか、是非このデッキを貴方の手で完成させて下さい。
学びて時に之を習う
亦説ばしからずや


もう限定構築のPTQには出ないんだけど、それでも、「あぁデッキをこう組めばよかったのか」と思索するのは楽しい。いろんな人が居て、いろんな組み方がある。それを見るのは面白い。あの青黒コンは、あの時点での僕の考えうる全ての構築力を注いだけど、それでもまだまだ反省点はある。だからこそ、デッキ構築は難しい。でも、だからこそ構築はやめられない。

さて、アメリカはカルフォルニアのサンディエゴで行われたPTQで、黒青コントロールを見かけた。僕のデッキとはだいぶ構成が違ってて、なるほどなるほど、と感心することしきり。クリーチャーメタなら、確かに青じゃなくて黒をメインにして、こういう組み方もあるね、ふむふむ。

PTQ@サンディエゴ Top8デッキリスト
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/la05ptq/0730sandiego


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         黒青コン
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 ポール・チェオン / PTQ@サンディエゴ 準優勝
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クリーチャー:8
 3《初めて苦しんだもの、影麻呂/Kagemaro, First to Suffer》
 3《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 2《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》

スペル:27
 4《抑圧的意志/Oppressive Will》
 4《邪魔/Hinder》
 4《不快な群れ/Sickening Shoal》
 3《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》
 3《切苦の影/Kiku’s Shadow》
 2《闇への流刑/Exile into Darkness》
 3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 4《旅行者の凧/Journeyer’s Kite》

土地:25
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 4《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 10《沼/Swamp》 
 8《島/Island》
 
サイドボード:15
 4《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
 1《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》
 1《闇への流刑/Exile into Darkness》
 3《密の反抗/Hisoka’s Defiance》
 2《抗い難い知力/Overwhelming Intellect》
 4《鼠の短牙/Nezumi Shortfang》
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東海林さんに拙作の青黒コン(0-2 Drop)を使ってもらえた上に感想まで頂けたので、ご紹介&遠距離レスをば。
惰性生物日記(東海林さんの日記)
http://diarynote.jp/d/70534/20050815.html


メインに射した《影麻呂》が印象的なデッキです。《押し潰し》の採用については、大正解、というか僕のデッキに何故入れなかったのかと激しく後悔したカードです。《追跡者》魂力をカウンターするのはもちろん、《十手》の-1/-1の4発目をカウンターしたり、《名誉に磨り減った笏》の最後のアンタップをカウンターしてマナバーンを喰らわせたりと、試合展開を組み立てやすくしてくれます。

では、気になったところについてレスをしてみます。

v.s.黒単について
>>やっぱ、4マナカウンターは、サイドアウトしていいんですかね?
黒単とのサイド後に残すべきカウンターは《邪魔》4枚と《密の反抗》2枚だけで、あとはサイドアウトして良いと考えています。僕は《水面院の翻弄》を真っ先にサイドアウトする候補にしておりました。

>>忌まわしい笑いを入れるか否かをものすごく迷ってしまいました。
黒単は大きく分けて「Black Hand型」と「ローリーさん型」に分けられ、後者なら間違いなくサイドインですが、前者だったら僕も入れません。まー相手次第、見極めるためにも1戦目はギリギリまで粘ろうってことです。

v.s.けちについて
>>ちなみにサイドチェンジするカードがありませんでした。
僕は《短牙》4枚入れるために下記のカードをサイドアウトしてました。
 ・《メロク》1枚
   →5ターン目に出さないので枚数要らない
 ・《英雄の死》1枚
   →サイド後は《影麻呂》が減って《伍堂》が増えるから
 ・《不忠の糸》2枚
   →素で《追跡者》出される恐怖よりも、無駄カード抱える方が恐いから

v.s.緑青について
>>場に出た北の樹の木霊がどうしようもない・・・
?カウンター ?《メロク》トークンでブロック ?《墨目》でブロックの3本立てで何とかしようと思ってました。でも、《影麻呂》は良いアイディアだと思います。

でわでわ、予選も残すところあと2週間ですが、頑張って下さいませ。
9版対応デッキ試案 その?
【ヒッピー黒ウィニー編】

「ヒッピー強い」ってのはよく聞く。曲がりなりにも9版トップレアだしね。でも、ヒッピー使ったデッキってどんなのかってーと、あまり見たことがない。ネズミデッキに入れるって話もちらほら聞くけど、3マナ域の重いネズミデッキに入れるのは好きじゃない。てなわけで、黒いウィニーデッキに《惑乱の死霊》入れるってアプローチで今回は語ってみようと思う。

なーんにもメタを考えない、ただ黒ウィニーに《惑乱の死霊》を入れた場合はどうなるか。とりあえずそこからスタート。
まず、2マナ域の生物が12〜14体居れば2ターン目には出せるとする。なので、今回は14体。《惑乱の死霊》は単体のスペックとして、3マナ域に比類なき性能なので4枚は確定。生物枠を22と仮定するなら、残りは4枚。ある程度粘られた場合を考えて、ここにファッティを差し込むことにする。2枚の《墨目》は確定として、あとの2枚は《死を食うもの》にした。黒いクリーチャーとしては破格のタフネスがあるので、赤耐性がめっぽう上がる。

スペル枠として、4枚の《十手》は異論が無いハズ。除去には「腐ってもエディクト」な9版再録カード《残酷な布告》を採用。3ターン目の《惑乱の死霊》を守るために、相手の除去を叩き落す《困窮》もこれからは標準装備になるだろう、ってなことで追加。最後に《金属モックス》の手札損失分を補う《夜の囁き》で、スペル枠を埋める。

マナソースは、2ターン目のヒッピーを目論んで《金属モックス》をフル投入。あとは普通に《ちらつき蛾》と《死蔵》と《沼》を足して合計24枚。

ほら、なんかそこら辺に転がってそうなレシピになった。

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クリーチャー:22
 4《残虐の手/Hand of Cruelty》
 4《悪臭のインプ/Foul Imp》
 4《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》
 2《ドロスのゴーレム/Dross Golem》
 4《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》
 2《死を食うもの/Mortivore》
 2《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》

スペル:14
 4《残酷な布告/Cruel Edict》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
 3《困窮/Distress》
 3《夜の囁き/Night’s Whisper》

マナソース:24
 4《金属モックス/Chrome Mox》
 4《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 15《沼/Swamp》
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さて、で。このデッキで青トロンと緑トロンに勝てるかってーと、まず無理。手札破壊とか部分的には耐性あるんだけど、デッキの構造的に間に合ってない。9版後のトーナメントなんてどうせそこら中、青トロンと緑トロンだらけなはず。なので、それを徹底的に対策したメタゲームの鬼子的なデッキを考えてみる。

トロン使う立場として、《惑乱の死霊》に何発殴られると死が見えるだろう。しゃかしゃかしゃか。6枚の手札から1枚ディスカードして、土地セットして、しゃかしゃか・・・。うーん、3回くらい殴られると重要なカードがどれかは落ちて、立て直し効かなくなるね。にゃるほど。

青トロンが安定するのはだいたい3〜4ターン目以降、緑トロンが《歯と爪》を打つのが3〜5ターン目なので、3ターン目に《惑乱の死霊》出してたんじゃ殴るチャンスは少ないねぇ。で、どーにかして1ターン早く殴れないかって考えた。(もちろん《金属モックス》で加速ってが答えの1つなのは判ってる)

で、考えた末に搾り出した答えが「ヒッピーに速攻つければイイじゃん」ってこと。かつて、《深淵の死霊》やら《沈黙の死霊》やら色んな死霊が居たけど、トーナメントで一番活躍したのは、速攻を持っただけのシンプルな《燃え立つ死霊》だったって事実もある。速攻もって殴ってくるヒッピーの恐怖たるや、想像するだにグッとくるっしょ? 

で、速攻つける為のカードといえば、そう《稲妻のすね当て》。このカードはわずか2マナで出るし、装備コストはゼロ。3ターン目に出した《惑乱の死霊》に履かすのにピッタリ。しかも対象にならなくなるオマケ付きだから、《トリスケリオン》だって怖くない。

で、どうせ《稲妻のすね当て》使うんだったら、《鼠の短牙》をメインから4本入れちゃおうと思ったわけだ。《短牙》の起動までのタイムラグと、そのボディの脆弱さを完璧に補ってくれるんだからね。まさに《稲妻のすね当て》様様。魔法のお靴を履いたら、昨日までの貧弱なボディが嘘のよう! ヒャッホゥ! (なんだかんだで、《金属モックス》から1ターン目に出てくる《短牙》って超強いよね)

というわけで、トロンを親の仇のようにガンメタしたヒッピー黒ウィニーはこう↓なった。

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クリーチャー:18
 4《残虐の手/Hand of Cruelty》
 4《悪臭のインプ/Foul Imp》
 4《鼠の短牙/Nezumi Shortfang》
 4《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》
 2《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》

スペル:18
 4《困窮/Distress》
 4《無効/Annul》
 4《真髄の針/Pithing Needle》
 3《逆行/Regress》
 3《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》

マナソース:24
 4《金属モックス/Chrome Mox》
 4《地底の大河/Underground River》
 2《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 2《島/Island》
 1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 10《沼/Swamp》
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・・なんつーか、
 4《困窮/Distress》
 4《無効/Annul》
 4《真髄の針/Pithing Needle》
ここら辺がやる気マンマン。除去とかドコ?

あと、かなりの人が《逆行》って忘れてるよね? ちなみにこんな↓カード。
http://whisper.wisdom-guild.net/card/Regress/
つまり、色拘束の薄い《ブーメラン》。
ちょっとMTG歴の長い人だと、バウンス&手札破壊って戦略に覚えがあるんじゃないかな。《貿易風ライダー》で戻して《底なしの奈落》で捨てさす、とか。このデッキでは、《惑乱の死霊》やら《鼠の短牙》やらで手札をゼロにした後の除去としてバウンスを選択している。また、序盤に適当に宣言して出した《真髄の針》をいったん戻して出し直すときとかにも使える。
色の薄いバウンスってーと、コンペチタには《残響する真実》がある。でも、《逆行》は土地も戻せるので《ウルザの塔》とか捨てさす時に便利だし、《残響する真実》みたいに余計な《真髄の針》まで戻してしまわなくて済むって点で、《逆行》を選択。

流石にこんだけやると、面白いようにトロンに勝てる(逆にこれくらいやらないとトロンに安定して勝てない)。メタがトロン1色に染まった時にオススメ。
日記カテゴリーに
「トレーディングカード」
を追加しました。

操作メニューの「日記全体の設定」で変更できます。
その次回以降に書かれた日記から反映されます。

日記が楽しく書ける日まで。様より
http://diarynote.jp/d/10000/20050818.html


だそうです。今までちょうど良いカテゴリーが無かったんで僕はこの日記を「ゲーム」とかにしてたんですが、さっそく変更してきました。

「トレカ」いう分野が世間に認知されることは良いことだと思いつつ、「トレカ」と「カードゲーム」と「トレーディングガードゲーム(TCG)」は別モンじゃないかとも思ってしまいました。いやまぁ、「トレカ」を加えて頂いただけでも大いなる前進なんですが・・・。
いつか、マジックがちゃんと市民権を得て、やってても白い目で見られないような、そんな日が来ると良いなぁなどと思う夏の日の一日でした。

暇人

2005年8月19日 ネタ
暇人
ライブラリー勝ちもできるんだ。へふーん。
新デュアルランドとエクテンの話?
『ギルドの都:ラブニカ』で収録されるデュアルランドは、上位ギルドの組み合わせってことで、以下4種類だそうです。


Temple Garden(平地&森)
Overgrown Tomb (森&沼)
Sacred Foundry(山&平地)
Watery Grave (島&沼)

・・・。よりによって、この組み合わせ4種ですか。いやまぁ、エクテン的にすごい事になりそうです。

あちこちで言われてることですが、基本土地のタイプを持ってることで、エクテンでは下記のようにとてもマナが安定します。
 ・フェッチランドで持ってこれる
 ・土地サイクリングで持ってこれる

平地のタイプをもってれば《永遠のドラゴン》の平地サイクリングで持って来れるんです。なにがスゴイって、それで相性の変わっちゃうマッチアップすらあるところです。エクテンなんて親和とゴブリンの2大怪獣大決戦とその他大勢って勢力図だと思ってたんですが、ちょっとそれ所じゃなくなってきました。

白緑赤のサイクリングは、テリー・ソウがインビテーショナルで使っていたことで記憶に新しい方も多いと思います。

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          白緑赤サイクリング
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 テリー・ソウ / Online 1.X / 05 Invitational
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クリーチャー:17
 4《永遠の証人/Eternal Witness》
 4《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》
 3《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》
 3《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
 3《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》

スペル:17
 4《霊体の地滑り/Astral Slide》
 3《稲妻の裂け目/Lightning Rift》
 4《神の怒り/Wrath of God》
 2《めった切り/Slice and Dice》
 4《新たな信仰/Renewed Faith》

土地:26
 4《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
 4《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
 1《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
 3《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
 2《モスファイアの谷/Mossfire Valley》
 1《山/Mountain》
 4《森/Forest》
 7《平地/Plains》

サイドボード:15
 3《酸化/Oxidize》
 3《秘宝の突然変異/Artifact Mutation》
 4《すき込み/Plow Under》
 3《銀騎士/Silver Knight》
 2《法の領域/Sphere of Law》
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対クリーチャー用のデッキとして定評のあるサイクリングですが、実は対親和の勝率がそれほど良くありません。タップインランドが多く、エンチャントを貼ってからが勝負となる初動の遅いサイクリングは、3〜4ターン目が基本ターンである親和についていけないのです。

しかし、対親和で必勝パターンというのも実は存在します。それが、序盤に《秘法の突然変異》を撃てたパターンです。

例えば親和相手の3ターン目あたりを考えてみましょう。相手の場には《働き手》 《カエル》 《カエル》と並んでいて、マナ的にどうやら《処罰者》がキャストされそうです。この場合、戦闘前に《処罰者》を呼ばれたら、戦闘中に《処罰者》を潰してトークン7体出し、攻撃してきた相手のクリーチャーを全滅させられます。じゃあ、《処罰者》出す前に殴ってきた場合、《カエル》潰して《働き手》 《カエル》をブロックして殺せるので、親和できるマナ的に《処罰者》を出せなくなってしまいます。

このように、対親和では最序盤に《秘法の突然変異》を撃てるかどうかが死活問題となります。ソウのデッキに《モスファイアの谷》という珍しいカードが使われてるのもそのためでしょう。しかし、赤マナソースが7枚では、最序盤に撃てたらいいな、くらいの期待値でしかないのも事実です。《大牙獣》《身代わり》で赤マナを確保するのは、対親和ではちょっと遅すぎですね。

で、やっと話が本題に戻るんですが、デュアランの登場です。フェッチで引っ張れ、《エタドラ》でも引っ張れるデュアルランドなのですから、最序盤の赤マナが突然安定します。たとえば、件のサイクリングの土地構成を以下のようにとってみます。
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 4《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》

 4《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
 4《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
 4《赤白デュアルランド》
 1《緑白デュアルランド》
 4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
 1《山/Mountain》
 3《森/Forest》
 5《平地/Plains》
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(かなり適当です。フェッチ入れるんなら、土地枚数28くらいが妥当でしょうか。)
これで、赤マナソースは9枚、《エタドラ》込みで13枚です。3ターン目までに《秘法の突然変異》を撃てる期待値は充分ですね。

(長くなったので?に続く)
また、別のデッキとしてサイカトグいうのもあります。試したことがある方はご存知かと思いますが、実はサイカトグv.s.親和ってマッチアップは、圧倒的に親和有利です。もはやレイプってな相性で、《再建》があった時代も勝つのは相当困難でした。ところが、デュアルランドの登場によって、サイカに緑をタッチすることが容易になったのです。緑をタッチできれば、《願い》から《酸化》が使えますし、何より《破滅的な行為》を使えるのです。これにより、対親和の相性は劇的に改善されます。

《破滅的な行為》入りのサイカというと去年のインビテーショナルのズビィのデッキが有名でしょうか。

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          ディード トグ
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 ズビィ・モゥショウィッツ / Online 1.X / 04 Invitational
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クリーチャー:4
 4《サイカトグ/Psychatog》

スペル:31
 3《魔力の乱れ/Force Spike》
 4《対抗呪文/Counterspell》
 2《マナ漏出/Mana Leak》
 2《堂々巡り/Circular Logic》
 3《燻し/Smother》
 1《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
 2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
 4《破滅的な行為/Pernicious Deed》
 2《激動/Upheaval》
 4《嘘か真か/Fact or Fiction》
 1《狡猾な願い/Cunning Wish》
 3《綿密な分析/Deep Analysis》 

土地:25
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 3《塩の湿地/Salt Marsh》
 4《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
 3《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
 3《ミラディンの核/Mirrodin’s Core》
 7《島/Island》
 1《沼/Swamp》

サイドボード:15
 4《強迫/Duress》
 3《酸化/Oxidize》
 1《燻し/Smother》
 2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
 2《帰化/Naturalize(ONS)》
 1《枯渇/Mana Short》
 1《マナ漏出/Mana Leak》
 1《堂々巡り/Circular Logic》
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だいぶマナバランスの苦しさが見て取れます。最序盤のマナのもたつきによって、《魔力の乱れ》→《燻し》→《破滅的な行為》と繋ぐのはかなり困難でしょう。緑マナソースを11枚にキープしたまま、これにデュアランを入れてみます。
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土地:25
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 4《青黒デュアルランド》
 4《黒緑デュアルランド》
 1《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
 2《汚れた森/Tainted Wood》
 9《島/Island》
 1《沼/Swamp》
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ん? 《汚れた森》? 《沼》をコントロールしていないと色マナがでない、トーメントのアレです。フェッチ込みで《沼》が13枚勘定なので使ってみました。ダメージ受ける土地ばかりで、構成的にけっこう痛いですしね。どうでしょう? デュアランがあるだけで、ずいぶんとマナバランスが安定しました。なにげに《島》も17枚勘定なので、《ヴィダルケンの枷》すら使えそうな勢いですね。

もともと、対ゴブリンは《仕組まれた疫病》と、《願い》経由の《サーボの命令》で何とかなるサイカです。これに親和耐性がつけば、メタの一角に食い込んできそうな感じがします。

長くなって、主旨がぼやけて来たのでここらでまとめましょう。
Sokまでのエクテンは親和とゴブリンのツーヘッド体制
         ↓
ラブニカで4種類のデュアルランドが登場
         ↓
サイクリングとサイカが親和耐性を持つようになった
         ↓
環境的にデッキの多様化が予想される
こんな感じでしょうか。まぁ、今回のPT@ロスは、新環境になって一発目の大会なクセに、ラブニカ発売からわずか3週間後に行われるわけですから、その調整のキツさたるや想像に難くないでしょう。ラブニカが環境に与えるインパクトは如何なるのものか、今から楽しみです。
青トロンに何タッチする?
(画像はSCGのサム・ゴマーサルの記事On the Team- English Nationals *3rd*に掲載されていたものです。あまりに可愛いので、お借りしてきました。)


青トロンはメタられ過ぎ。もう賞味期限切れ。

そんなことを言ってる人を、最近よく見る。確かに、メインで《減衰のマトリックス》4枚はもはや常識だけど。でも、勝てないって言われてる理由の70%くらいは、実は、1色タッチするだけで解決できないかな?

というわけで、今日は青トロンに1色タッチする話しをしてみる。あくまでサジェスチョン(示唆)なんで、レシピなんかは載せないでおこう。変に固まったレシピ見せちゃうと、発想の方向性を限定しちゃうからね。


アメリカ選手権の青トロンには《金属モックス》が入っていた。なーんで、こんなん使ってるか? 僕個人の見解なんだけど、それは青単だからじゃないかな。青単だから、パーマネント処理手段がカウンターしかない(バウンスは根本的な対策になっていない)。だから、致命的なカードが序盤にカウンターをすり抜けてしまうが恐い。じゃあ、相手より先にマナを伸ばすために《金属モックス》、と。

でも、それって逆に考えると、パーマネント処理能力さえあれば《モックス》なんて要らないってことだよね。じゃあ、実例を挙げてみようか。


例えば、白をタッチしたとする。
タッチで使えそうなカードは・・・。
《天羅至の掌握/Terashi’s Grasp》
サイドの
《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
《聖なる場/Sacred Ground》
《矢ぶすま/Hail of Arrows》
《崇拝/Worship》
こんな感じかな。《残響する真実》あたりのスロットに《天羅至の掌握》突っ込んでおけば、《真髄の針》や《減衰のマトリックス》がうっかり通っちゃっても安心。今のメタならメインで入れても腐ることは少ないだろうし。

それと、ふと思ったんだけど《レオニンの高僧》タッチするのってアリじゃね? 序盤の壁として2/5ってスペックは充分だし、アーティファクトが除去られなくなる。何より、相手の《メムナーク》が紙切れになる。《メムナーク》でパーマネントをアーティファクトにされた途端にアンタッチャブルになるし、《メムナーク》がアタックしてきても《高僧》で止まるしね。

マナベースはどうなるだろう。土地23枚、《タリスマン》4枚、《身代わり》3枚くらいだと仮定して、
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 3《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
 4《発展のタリスマン/Talisman of Progress》

 4《ウルザの塔/Urza’s Tower》
 4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
 4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
 1《平地/Plains》
 4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
 1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 4《島/Island》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんな感じかな? 《タリスマン》込みで考えたら、けっこうマナベース安定してるよね。なんつーか、やっぱダメランは強いってことなんだけど。

茶除去って点では、緑や赤タッチしても別にいいよね。《タリスマン》使えないってのはデメリットだけど、《旅人のガラクタ》とかもあるし。っつっても、《減衰のマトリックス》壊したくて茶除去タッチするのに、《減衰のマトリックス》に弱い《旅人のガラクタ》を入れるってのは本末転倒か。
まぁ、極論を言えば、ダメラン4枚入れただけでも、《ウルザの塔》探してくるのと同程度の確率にはサーチして来れるんだから、一応はアリなのかもね。


ちなみに緑をタッチするメリットは
《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》
《帰化/Naturalize》
《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
あたり。茶破壊しつつ占術出来るのはホントに偉いので、《テル=ジラードの正義》のためだけに緑タッチってのは本気でアリかも。

赤をタッチするメリットは
《マグマの噴流/Magma Jet》
《粉砕/Shatter》
《破砕/Demolish》
《火の玉/Fireball》
あたり。まぁ、どれ選ぶかは好き好きって感じ。

というわけで、ザラっと青トロンに1色タッチするメリットを説明してみたけど、どうだろう? ちょこっとでも、問題解決の糸口になったんなら幸い。

私信なので

2005年8月25日 その他
秘密のみです
Turbo Royを巡るアレコレ?
カナダ選手権の青単《明日の標》デッキについてのお話です。

いやまぁ、ホラ、あえてツッコムまでもないかなぁと思ったんですよ。お呼びでもないのに、わざわざ遠距離レス飛ばすのも見てて痛いですし。でも、誰も反応しないのを見ると、何かこう、クマーとか言いながら釣られちゃうのもオイシイとか考えちゃったんです。てへ。

じゃあ、あ〜、言いますよ。ゲフン。よしっ。


「Post-Ninth Standard」は

「スタンダードで9位」じゃなくて

「9版対応スタンダード」ですから



ふーっ。スッキリスッキリ。これで今日も快眠できそうです。

で、ここで話終わってしまうとなーんも面白くないですよ。これを掴みに、話を引っ張れるだけ引っ張ってこそネタ師ってもんです。どんだけ語れるか構想すらまとまってないですが、とりあえず書いてみましょう。

さて、ロイって名前でピンと来た貴方、相当のメェェニィアです。そう、このロイさんこそ「サイドに《朽ち行く巨人》事件」で脚光を浴びた、あの彼です(詳しくは真木さんの記事↓参照)。
MMR-Vol1
http://mtg.takaratoys.co.jp/others/column/maki/20050621/index.html
それなりにコンセプトを持ってまとまったメインボードと、意味不明なカードが散らされたサイドボードって構成は、どうやら彼の持ち味らしいですね。確かにPTフィリーで12位に入賞したときのデッキも、そんな感じでした(ナチュラルにけちコンに擬態してるんで、あんまり意識してなかったんですけどね)。ブロック構築でのロイさんデッキに興味のある方は、↓を探してみて下さい。
2005 Pro Tour Philadelphia Decklists: R-Z
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/ptphi05/decksrz


で、このエターナルブルー系青単“ターボ・ロイ”。本当に強いんでしょうか? ロイさん自身は初日のスタンダードを1-2-0と負け越した上に、2回目のドラフトの最終戦で通算5敗目を喫してドロップしてます。強いか弱いかで聴かれたら、うーん、返答に窮しますね。とりあえず、カナダ選手権の中継記事の中にこのデッキに関する文章があったので、翻訳してみました。
8月26日(金)6:33p.m.−−−ジョン・シュラーだけが溺愛したデッキ
Jim Roy

http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/canat05/blog1#7


PTフィラデルフィアの見所の1つ(だと個人的に思ってるの)が、ジョン・シュラーがジム・ロイを問い詰めるためだけにフィラデルフィアまで車を飛ばしてきたってイベントだったりする。ジム・ロイは、世にも珍しい《変態/Metamorphose》入りの棒サイカでPTQを抜けたプレイヤーだ。更に珍しいことに、彼のデッキのサイドボードには《朽ちゆく巨人/Rotting Giant》が入っていたんだ! ジョンは、このカードを使ってる理由がまったく理解できなくて、それでわざわざフィラデルフィアまでやって来たんだ。

ジム・ロイはこのカナダ選手権にも、凡人には考えもつかないようなメタ外デッキを持ってきた。青単の《明日の標》デッキを駆るジムは、出だしのスタンダード3回戦を1-2-0の滑り出し。続くドラフトを2-1-0で切り抜け、トータル3-3-0で初日を終えた。個人的には、ジム・ロイの明日の活躍を期待して止まない。このデッキには、めったにお目にかかれないカードが満載だし、動きもターボ・ステイシスを髣髴とさせてとても面白い。まだ初日なのでこのデッキの詳細は話せないけど、明日またリストを含めて解説しよう。
8月27日(土)3:55p.m.−−−ターボ・ロイ公開
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/canat05/blog2#7


OK。隠れた名デッキビルダー、ジム・ロイによる9版対応スタンダードの傑作、古き良きプリズン型のデッキ、ターボ・ロイを紹介しよう。私が彼を見かけたのは、初日の第2ラウンド、ちょうど《明日の標》の循環が始まってジムが1ゲーム目の勝利を収めるところだった。2ゲーム目は、対戦相手(青トロン)が3ターン目に《頭蓋の摘出》でキーカードを抜いてしまったけど、2ターン目に出ていた《時間の名人》と、それをバックアップする《併合》 《ブーメラン》 《時間停止》で鮮やかに勝利していた。

そうそう、このデッキは《疲労困憊》を使ってるんだ。私もこのカードは大好きで、中国語のポータル版で4枚揃えてある。そういえば、《疲労困憊》 《時間のねじれ》 《鉄の処女》を使って似たようなデッキを組んだこともあったっけな。

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          ターボ・ロイ
 ────────────────────
 ジム・ロイ / 9版対応スタンダード / 05 カナダ選手権
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クリーチャー:6
 2《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》
 1《時間の名人/Temporal Adept》
 3《泥棒カササギ/Thieving Magpie》

スペル:38
 4《ブーメラン/Boomerang》
 1《未達の目/Eye of Nowhere》
 4《疲労困憊/Exhaustion》
 4《時間停止/Time Stop》
 4《明日の標/Beacon of Tomorrows》
 3《併合/Annex》
 2《超次元レンズ/Extraplanar Lens》
 4《手練/Sleight of Hand》
 4《血清の幻視/Serum Visions》
 4《吠えたける鉱山/Howling Mine》
 4《金属モックス/Chrome Mox》 

土地:16
 1《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》
 15《島/Island》 

サイドボード:15
 2《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
 1《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
 2《太陽のしずく/Sun Droplet》
 1《消し去りの水神/Kaijin of the Vanishing Touch》
 1《剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore》
 1《選別の秤/Culling Scales》
 2《時間の名人/Temporal Adept》
 2《双つ術/Twincast》
 1《萎縮の凝視/Withering Gaze》
 1《惰性の泡/Inertia Bubble》
 1《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・・・。と、まぁ、こんな感じのことが書かれておりました。

で、《疲労困憊》で思い出したことがあるんですよ。先週だか先々週だか、たーは君からメールが来まして。曰く、
《泥棒カササギ/Thieving Magpie》
《疲労困憊/Exhaustion》
《時間停止/Time Stop》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《残響する真実/Echoing Truth》
みたいなデッキを組んでください
とのことでした。で、青緑路線で色々試してはみたんですけれど、「《時間停止》は自身をリムーブするから《永遠の証人》で回収できない」って重大な欠点に気付いてしまったわけです。で、あれこれ調整しているうちに青単になっちゃったんで、そんな話について明日語ってみましょう(書くのに途中で飽きました、てへ)。

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