ブロックの基本デッキに、きっとSpiritcraft(スピリット+秘儀デッキ)はあるハズ。でも、基本形がはっきりとは掴めていない。故に、この辺りからテストをはじめてみる。

 黒赤Spiritcraft
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クリーチャー24
 4《凍らし/Frostling》
 4《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》
 4《かまどの神/Hearth Kami》
 4《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》
 4《希望の盗人/Thief of Hope》
 4《雇いの力男/Hired Muscle》

スペル14
 4《遥か忘れられし御幣/Long-Forgotten Gohei》
 4《氷河の光線/Glacial Ray》
 3《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
 3《貪る強欲/Devouring Greed》

土地22
 4《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 5《山/Mountain》
 11《沼/Swamp》
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まず《御幣》の採用が決まって、どうせなら秘儀を連繋したいって感じで2色目は《氷河の光線》を有する赤にしてみた。

で、とりあえず思ったことは、この環境は基本的にクリーチャー戦になるってこと。なので回避能力やフィニッシュカードがわりと必須かと。相手のライフを一桁にした後、如何に削るかは重点課題。このデッキではドレイン君こと《希望の盗人》に加えて、《雇いの力男》《貪る強欲》を採用してみた。特に後者は最大瞬間風速で6〜10点くらい行くので、かなり手ごたえを感じた。

あと、タフネス1が脆すぎる(主に《十手》と《そう介の召喚術》のせい)。でも、2マナ域のスピリットで2/2あるのって《悪姥》しか居ないし、構造上しょうがないのかとも思う(IBCのステロだって《貪欲なネズミ》に弱かったし)。

で、タフネス2有るスピリットってことで《ずべら》が発掘されたので
 《残酷な詐欺師》→《黒ずべら》
 《かまどの神》→《赤ずべら》
にしてみるものの、弱んわ。
《貪る強欲》以外サクる手段無いし、そもそもサクるメリットがあんまない。《貪る強欲》にしたって、そうポンポン撃つもんじゃないし・・・。ブツクサ。

と、ここまで思考したところで《青ずべら》ならポンポンとサクってもいいなと思い付く。そうすっと、赤い部分をそのまんま青に置き換えて
 《赤ずべら》→《青ずべら》
 《氷河の光線》→《消耗の渦》
となるけど、《凍らし》の代替品が見つからない。しかも《ずべら》採用によってデッキの殴り値落ちてるしってことで、後半殴るマナ域の生物を採用。できたのがこんなデッキ。

 黒青Spiritcraft
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クリーチャー22
 4《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》
 4《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》
 4《灰色肌のずべら/Ashen-Skin Zubera》
 4《希望の盗人/Thief of Hope》
 3《ゆらめく玻璃凧/Shimmering Glasskite》
 3《飢えたるもの、卑堕硫/He Who Hungers》

スペル14
 4《遥か忘れられし御幣/Long-Forgotten Gohei》
 4《消耗の渦/Consuming Vortex》
 3《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
 3《貪る強欲/Devouring Greed》

土地24
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
 5《島/Island》
 2《水まといの洞窟/Waterveil Cavern》
 15《沼/Swamp》
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《卑堕硫》は《ずべら》サクるための追加手段。《卑堕硫》《黒ずべら》とあるお陰で、《消耗の渦》が完全除去になったりとかがちょっと素敵。
井の中のブラックタイガーさん(http://diarynote.jp/d/52747/)の神河ブロック構築記事に心揺り動かされました。「熱い、熱い! 若かりし頃の血がたぎるわぁ」ゆう感じです。

思えばカバ雄さん。3回ほどエクテンのPTQ抜けましたが、本戦のブロック構築でことごとく返り討ちに遭いました。4度目の正直にてリベンジ、と行きたい所ですが、もはや海外遠征など許されぬ社会人なこの身。なので、プロツアーに遠征される方には頑張って頂きたい、是が非でも!

というワケで、カバ雄は井の中のブラックタイガーさんを勝手に応援させて頂きます。


これからしばらくブロック構築デッキと成果をつらつらと書き連ねてみますね。
さて、それではこの青マルカを現在のメタに合わせてどのように改造すべきでしょうか。その指針、と言いますか叩き台を挙げてみたいと思います。我輩の考えうるシーズン最終形の青マルカは以下のようになりました。

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クリーチャー20
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《花の壁/Wall of Blossoms》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》
 3《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
 1《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 1《起源/Genesis》

スペル17
 4《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
 1《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》
 4《破滅的な行為/Pernicious Deed》
 1《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》
 1《棺の追放/Coffin Purge》
 3《直観/Intuition》
 2《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
 1《生ける願い/Living Wish》

土地23
 1《黄塵地帯/Dust Bowl》
 4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
 2《樹上の村/Treetop Village》
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 1《島/Island》
 4《沼/Swamp》
 7《森/Forest》

サイドボード15
 3《綿密な分析/Deep Analysis》
 2《魂の裏切りの夜/Night of Souls’ Betrayal》
 2《強迫/Duress》
 2《帰化/Naturalize》
 1《隆盛なるエヴィンカー/Ascendant Evincar》
 1《粗野な覚醒/Rude Awakening》
 1《魔力流出/Energy Flux》
 1《金粉のドレイク/Gilded Drake》
 1《スラルの外科医/Thrull Surgeon》
 1《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
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☆曇り鏡のメロク
我輩がナジフのデッキを最初に見たときの感想は、「なんで《メロク》使ってないんだろう」でした。コーネリッセンやカルステンのアルーレンに《メロク》が採用されていたので印象に残っていたというのもありますが。それ程に、マルカというコンセプトと《メロク》はピッタリきます。スタンの青緑コンを見ている皆様にはこの辺の感覚が容易にご理解頂けるでしょう。さらに気兼ねなくトークンを作れるので《陰謀団式療法》や《繰り返す悪夢》のエサを、痛みを感じることなく供給できます。10月のエクテンのセット入れ替えにより《直観》が落ちても、《メロク》のために青タッチしたマルカはあり得ると思ってます。

☆卑劣漢or棺の追放
GPシアトル優勝のマルケサノのデッキには《卑劣漢》が採用されてましたが、果たしてどちらが優秀なのでしょうか? 個人的に、このデッキなら《棺の追放》だと思います。理由は2つあります。セファリッドLife相手に後手取られて、相手3ターン目のコンボにも対抗できる軽さってのが一つ、そして《直観》でついでにサーチしておけるFB付きってのが一つです。しかし、中盤以降の安定性の面で《卑劣漢》が魅力的なのも事実です。ですので一応、メインの《生ける願い》を生かして、サイドには《卑劣漢》も用意しました。

☆黄塵地帯/粗野な覚醒
マルケサノのデッキを真似しました。特に《粗野な覚醒》は対マルカ同キャラ戦で決め手となる1枚です。

☆綿密な分析
これも長期戦略向けのカードです。単品で使ってもその手札回復力は素晴らしいのですが、何と言っても真骨頂は《直観》とのコンボです。手札が一気に8枚も貯金できるのですから、一発決まればゲームの趨勢にも影響します。

☆魂の裏切りの夜/隆盛なるエヴィンカー
対ゴブリン用としてももちろんですが、対コンボ用に用意しました。セファリッドLifeはほぼこれで壊滅します。《エヴィンカー》はアルーレンには効かないですが、そこら辺は《頭蓋の摘出》で何とかして下さい。
あと、自分の生物が壊滅するのもちょっとアレですが、そこら辺も《破滅的な行為》なり《療法》FBなりで何とかして下さい。あれに似てます、アレ。Big Redで「《弧炎撒き》と《減衰のマトリックス》がアンチコンボだけど、いざとなったら《爆片波》でサクるからいーや」みたいです。

☆スラルの外科医
対コンボ用というよりは、対同キャラ/対青系のための採用です。《直観》で《外科医》《起源》《療法》ともって来てウザがられて下さい。

如何でしょう? 埋もれてしまった珠玉である青マルカをご堪能頂けたところで、本日の空想科学理論講座を終了させて頂きます。それでは、また会う日まで。

参考資料:
PTコロンバス全デッキリスト
苗字A〜F
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/ptcol05/decksaf
苗字G〜M
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/ptcol05/decksgm
苗字N〜Z
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/ptcol05/decksnz
GPシアトルTop8デッキリスト
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpseat05/welcome#2
白ウィニーとマルカについて
http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/02/1215.html
マルカに《直観》をタッチする独創性の素晴らさをお解かり頂けたでしょうか? ともすればその点の目新しさに注目されがちですが、更にこのデッキの凄いところは、低マナ域生物の選択の審美眼にもあります。

PTコロンバス、5DNと神河物語の入った最初のエクテン環境です。前評判で《永遠の証人》《桜族の長老》は評価が高かったとは言え、マルカには鉄板ともいえる《極楽鳥》《花の壁》《ヤヴィマヤの古老》が居ました。これらの3マナ以下生物をどのような組み合わせで選択するか、この時期にエクテンをやっていた方なら試行錯誤のほどはご存知でしょう。

我輩なんぞは物体系デッキビルダーですので、「《証人》《古老》の3マナ域計8枚は確定だから、マナ生物8必要で《ラノワールのエルフ》4枚《極楽鳥》4枚がこれからの常識だね」などと、いま思うと赤面モノの思考をしておりました。

実際、プロたちの間でもこの時期は萌芽的研究期間であったらしく、コロンバス時点での統一的な見解は成されていません。例として、日本が誇る石田格プロ、有名なマルカ使いジェロン・レミィ(Jeroen Remie)、マルカ使い最上位(11位)のトゥイフェル・トーバンの3マナ以下生物の構成と比較してみましょう。

ナジフ
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《花の壁/Wall of Blossoms》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》

石田プロ
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《永遠の証人/Eternal Witness》
 4《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》

ジェロン・レミィ
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》
(4《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》)
(3《トロールの苦行者/Troll Ascetic》)

トゥイフェル・トーバン
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《花の壁/Wall of Blossoms》
 4《永遠の証人/Eternal Witness》


見事にバラバラでしょう? その中で、ナジフの構成が如何に優れていたかを証明するために、シーズン4ヶ月経過後のマルカと比べてみます。GPシアトルで見事優勝を飾り、マルカ復活の狼煙を上げたアーニー・マルケサノのマルカです。
アーニー・マルケサノ
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 3《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 1《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
 4《花の壁/Wall of Blossoms》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》
(2《トロールの苦行者/Troll Ascetic》)


如何ですか。メタ的な多少の相違はあるものの、基本構造はナジフの構成とそっくりですね。素晴らしい、実に素晴らしいです。PTコロンバスの時点で、旧来のマルカで常識とされていた《ヤヴィマヤの古老》をバッサリ切り落とした構成にまで辿り着いているとは! このようなメタ的な慧眼には感嘆せざるを得ません。

(※注:この考察はメタ初期における選択肢の多様性と選択の困難さを推し量る例として挙げたもので、特定の個人を批判する意図ではありません。つまり何が言いたいかといいますと「ぶっちゃけ、この時期なら間違っててもしゃーない、合ってるほうがすげー」ってことです。)
こんばんわ。空想科学理論研究家のDr.カバ雄です。
今宵もソリューションという名の妄想をお茶の間にお届けいたします。

長かったエクテンシーズンも終わりに近づきましたが、我輩的にどうしても語っておきたいデッキがあります。それが今回のテーマ、PTコロンバスでガブリエル・ナジフが使用した『青マルカ』です。

その美しいストラテジー、考えつくされた構成たるや、まさに珠玉の一品と呼ぶに相応しいデッキでした。PTでボッコにされて初日落ちしてしまったとは言え、戦術自体は白眉なのです。きっとそのうちBBあたりに解説載るんだろうと思ってましたら、ついぞ誰にも触れらませんでした。このまま忘却の彼方に消えてしまうのも勿体無いので、僭越ながら少々語らせて頂きます。

これがナジフのデッキです。

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      青マルカ
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 Gabriel Nassif  /  PTコロンバス127位
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クリーチャー22
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《花の壁/Wall of Blossoms》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》
 3《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
 1《スパイクの織り手/Spike Weaver》
 1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
 1《起源/Genesis》
 1《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》

スペル16
 4《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
 1《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》
 2《破滅的な行為/Pernicious Deed》
 1《棺の追放/Coffin Purge》
 1《生ける屍/Living Death》
 1《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》
 3《直観/Intuition》
 2《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
 1《生ける願い/Living Wish》

土地22
 4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 1《島/Island》
 4《沼/Swamp》
 9《森/Forest》

サイドボード15
 3《燻し/Smother》
 2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
 2《強迫/Duress》
 2《破滅的な行為/Pernicious Deed》
 1《魔力流出/Energy Flux》
 1《金粉のドレイク/Gilded Drake》
 1《スパイクの織り手/Spike Weaver》
 1《スパイクの飼育係/Spike Feeder》
 1《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
 1《酸化/Oxidize》
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このデッキの大きな特徴としては《直観》のためにタッチ青、これに尽きるのではないでしょうか。エクテンに精通している方でしたら、《直観》がどのように働くかもうお解かりでしょう。そう、
 ?直観療法
 ?《証人》《起源》との組み合わせ
という2種類の必勝ルート開拓用です。

?はアルーレンが青使いを恐怖のどん底に陥れるコンボです。《直観》で《陰謀団式療法》を3枚持って来てFB込みで4発連打し、相手の手札をズタボロにします。対青系コントロール戦で、エンドにマスカンを仕掛けられるので、ゲーム展開として非常に組み立てやすくなります。
?はスタンダードでたまに見る《証人》《けちな贈り物》コンボのエクテン版です。欲しいものがデッキに1,2枚しか入ってなくても、足りない分を《証人》として持って来れば確実に手に入れられるわけです。また《直観》には、場がガッチリしたあたりでエンジンとしても働けるポテンシャルもあります。《証人》《証人》《繰り返す悪夢》とか、《起源》《療法》《療法》とか持ってこられるとたいへんウザイです。

長期的戦略としてのマルカと《直観》の整合性たるや、まさにジャストフィットといった所でしょう。2年前のシーズンで、カイ・ブッディにより《生き埋め》型の赤マルカが提唱され環境に衝撃を与えましたが、この《直観》型の青マルカもそれに匹敵すると、個人的には考えております。
本当ならここにトーナメントレポートも載せようかと思ったんだけど、“暫定ソリューション”の入門書としての意図がぼやけてしまうので辞めといた。あくまでGPボストンのイベント記事の補足がこの記事の目的だからね。しかも、トーナメントの内容も、上で述べたマッチアップ分析をそのままなぞった様な内容だったし。
代わりに、いくつかのトピックスだけ箇条書きにしておく。もしこの暫定ソリューションでトーナメントに出て、それをレポートしてくれたんだったら、ぜひ僕にも見せて欲しい。レポートが幾つか集まったら、それについての僕の感想なんかも記事かフォーラムで書くよ。

1.僕はGPボストンは3バイだったけど、それはレーティングに依ってじゃない。GPTで勝ち取ったんだ。その時のレシピは、GPの時とほとんど同じものだったよ。

2.GPでは両日ともコイントスやダイスロールに負けまくってだいたい後手発進だった。もちろんトップ8のシングルエリミでも、だよ。

3.僕のトップ8までの成績は12-2-1。しかも、勝ったマッチは1つを除いて全部2-0での勝利だ。

4.その、唯一の2-1だった相手がルーカス・グラヴィン(セファリッドLife)だ。しかも、同じ相手に準決勝で負けちゃった。

5.僕のデッキを見た人はみんな「対面メタしすぎ(T_T)」と言ってた。

6.勝ったマッチは、相手のパーマネント0ってことがけっこう多かった。


対セファリッドLifeで負けた理由としては、このデッキがセファリッドコンボとLifeの高い次元での混血種だってことが挙げられる。いくら一方の戦術を封じようとしても、《教示者》を自在に使って、もう片方で対処されちゃうんだ。僕はわずか6ゲームしかこのマッチアップをこなしてないけど、この対戦はかなりキツイと感じた。だいたい50%くらいしか勝率を確保できないだろう。《波止場の用心棒》が間に合うか否かってのが超重要なんで、どっちが先手かってのにかなり依存するね。セファリッドLifeのどっちのコンボモードにしろ、3ターン目には決まってしまうので、後手の《用心棒》は遅すぎるんだ。これだけ完成度の高いデッキを組んできたルーカス・グラヴィンには惜しみない喝采を送ろう。彼との対戦は、GPを通して最も楽しいゲームだった。

僕の記事を読んで、君がPTQに暫定ソリューションを持っていく気になったのなら幸いだ。ただ、僕が勝てた理由の一つが、このデッキがメタ外だったってのも忘れないで欲しい。僕は相手をメタりきってるけど、相手は僕に対する備えが何も無い、これなら勝てるのは自明の理だ。ただ、メタが大きく変動しないうちはこのデッキはまだまだ有効だ。でもほんのちょっとだけ、サイドボードを変更しようと思う。《メロク》1枚と《寒け》1枚をそれぞれ、《マナの迷路》と《火と氷の剣》に差し替える。以上だ。

最後に、2つだけ重要なアドバイスを。(ここまで読んでくれた読者のみんなには、言うまでもないことかも知れないけどね)。まず1つ、《もみ消し》を相手のフェッチランドに使うのは間違いだってこと。フェッチランドなんて微々たる物よりも、より大きな脅威に対して使う場面が必ずくる筈だ。もし彼らのデッキに対象が無くても、《パララクスの潮流》とのコンボだってあるわけだ。《もみ消し》を《ハルマゲドン》として使えるのに、《石の雨》みたいな使い方で浪費するなんて馬鹿げてるだろ? そしてもう1つ。オラクルの最新テキストを常に参照すること。うっかり《金粉ドレイク》の効果に《もみ消し》撃ってしまうなんて恥ずかしいよ。最新の《ドレイク》には「この効果はカウンターできない」って1文が追加になってんだからね。

じゃあ、残り少ないPTQシーズン頑張ってくれ。“暫定”ソリューションがはたして“最終的”なソリューションなのか、証明するのは君だ!
v.s.リアニメイター
マッドネスで有効だって言った戦略がこのマッチアップでもそのまま当てはまる。近年多くのプレイヤーが対リアニ用にサイドに忍ばせてきた《ドレイク》《用心棒》を、このデッキはメインから惜し気もなく使ってるんだ。唯一ともいえる負けパターンは、先手1ターン目に《アクローマ》が降臨して、2ターン目に《陰謀団式療法》で《ドレイク》か《用心棒》を正確に落とされることかな。

+1《波止場の用心棒》、+1《退去の印章》
-1《銀騎士》、-1《魔力流出》

サイド後の相性も語るまでも無いね。しかも《悟りの教示者》用に《退去の印章》まで追加されるんだから鬼に金棒だ。

v.s.セファリッド・リアニ(純正)
だいたい対Lifeに準じるマッチアップだ。ただ、《翻弄する魔道士》で宣言すべきなのが《セファリッドの幻術師》だってだけの違いかな。もちろんアクティブな《波止場の用心棒》は有効だし、《パララクスの波》もイイ働きをしてくれる。ただ、「《ドラゴンの息》付くのカウンターできるから《もみ消し》GODですよー」みたいな感じで《もみ消し》を過信するのは禁物だ。彼らは《陰謀団式療法》を入れてるから、手札に対抗策を持ってるって状態は安全ではない。必ずパーマネント的に対処するように心がけてくれ。そうそう、相手のデッキにも1枚程度《ドレイク》が採用されてるはずだから、《魔道士》で《幻術師》押さえ込んだからって、即勝ちってわけじゃない。そこは注意が必要だ。

+1《波止場の用心棒》、+3《パララクスの潮流》
+1《パララクスの波》、+1《退去の印章》、+2《仕組まれた爆薬》
-4《銀騎士》、-1《魔力流出》
-1《崇拝》、-2《賛美されし天使》

2ゲーム目の戦略も、まさに対Lifeと同じだ。《もみ消し》じゃ《ドラゴンの息》を封じきれないけど、《浄化の印章》なら可能だ。速攻スピードで殺されなければ、《縫合グール》は《ドレイク》で対処できるしね。あと、ひょっとしたら相手は《古の法の神》をサイドインしてくるかもしれない。僕のデッキは主要な対策をエンチャントに頼ってんで、《法の神》はけっこうキツイけど、そんな時こそ《もみ消し》が光って見えるね。

v.s.リアニ・マシーン
これも対リアニ(純正)に準じるマッチアップだ。ただ、《隔離するタイタン》で土地を持っていかれないように、特殊地形から先にプレイすることを心がけるべきだね。彼らのパーマネントの多くがアーティファクトなんで、《魔力流出》は突き刺さるね。

+1《波止場の用心棒》、+2《魔力流出》
+1《浄化の印章》、+1《退去の印章》
-4《銀騎士》、-1《パララクスの波》

ただ、このマッチアップだけは充分プレイテストして無いんで、サイドは自信が無い。ボストンの時点じゃあまりに新しいデッキタイプだったからね。まぁ、何かしらのプレイテスト成果が上がったら追記するよ。
v.s.青白セプター
カウンターが少ない、ゆえに楽勝。それがこのマッチアップだ。もともと相手のカウンターは少ないんだから、有効に使わせてやる必要なんてさらさら無い。常に1マナ立てて《魔力の乱れ》や《目くらまし》を無効化させてやろう。あと、手札に《もみ消し》があるなら、なお更1マナは残しとかなきゃ駄目だ。なにせ《等時の王笏》の刻印をもみ消さなきゃいけないんだからね。そうそう、問題なのは《等時の王笏》だ。こっちの《翻弄する魔道士》は間違いなく《王笏》を指定すべきだし、《仕組まれた爆薬》もX=2でキャストすべきだ。《魔力流出》を《渦巻く知識》でライブラリーに戻すなんてとんでもない! 《悟りの教示者》で引っ張ってきてでも場に出したいカードだよ。《もみ消し》抱えてる状況で4マナまでアクティブなマナが伸びたら、《パララクスの潮流》の出番だ。5つ土地を消してやって、戻ってくる効果をもみ消せば、独りハルマゲドンの完成さ!

+2《魔力流出》、+3《パララクスの潮流》
+2《仕組まれた爆薬》、+1《浄化の印章》
-3《波止場の用心棒》、-4《金粉のドレイク》、-1《崇拝》

2戦目は更に有利になる。だって、ただマスカン連打してるだけでいいんだ。《王笏》を除去る手段をあらかじめ出しとくべきか、刻印してから除去すべきか、そこが問題だ(なぁMrハムレット?)。いったん《王笏》への備えができたら、あとは《パララクスの潮流》で苦しめてやろう。《もみ消し》とコンボで使わなくても、このマッチアップじゃ充分な効果が得られるだろう。見切りで《潮流》だして維持してる間に、《もみ消し》か追加の《潮流》を引くかもしれない。まぁ、あんまり欲張らなくていいけどね。
あと、もし最序盤のマナが伸びてないうちに《王笏》に《オアリムの詠唱》刻印されたら、《魔力流出》をチューターしてくるのも一興だ。もちろん手札に他の解決策がることが前提だけどね。あまり余裕がない場合は、速やかに《仕組まれた爆薬》持ってくればいいと思うよ。そうそう、この時は《浄化の印章》じゃなくて、できれば《爆薬》の方がいいな。《印章》は相手の《独房監禁》用にとっておきたい。《独房監禁》/《スクイー》体制に入られたら、ひたすら我慢のデュエルになる。相手は《永遠のドラゴン》あたりでマナベースの構築を始めるだろうし、こっちはこっちでワンパンで倒せるまでクリーチャーを並べることになる。そして、機が熟したところで《潮流》から仕掛けて青マナを拘束し、《独房監禁》を壊して勝利って感じになる。ちなみに《独房監禁》を壊す手段は2つある。ひとつは前述の《印章》、もうひとつは《もみ消し》だ。《独房監禁》体制に入った相手に対して、《スクイー》の戻ってくる効果を《もみ消し》してやれば、相手は維持のために手札を切らざるを得ない。この戦略は、ライブラリーの中の《もみ消し》残枚数が相手の手札より多い場合のみ有効だ。

v.s.デザイア
もう常識かもしれないが、《翻弄する魔道士》で最初に禁じるカードは《断絶》だ。相手のマナベースの阻害と、《魔道士》自身を守る手段になるからね。そして2枚目の《魔道士》引いたら《狡猾な願い》を禁じるといい。また、別の戦術として、ひたすら相手のマナ軽減系(《大メダル》《使い魔》)を封じていくのもアリだ。《金粉のドレイク》で《使い魔》を奪い、《仕組まれた爆薬》でマナ軽減系の両者を破壊って感じだ。ただし、《爆薬》はこっちの《魔道士》まで除去ってしまうので、《魔道士》じゃ押さえきれない場になった時の非常手段だと思ってくれ。こんなにも《精神の願望》をノーマークでいいのかって? 大丈夫、ご存知のようにストームは誘発型能力なんで《もみ消し》できる。《願望》なり《苦悶の触手》なり撃たれたら、もみ消してやればいいのさ。

+1《浄化の印章》、+3《パララクスの潮流》
+2《魔力流出》、+2《仕組まれた爆薬》
-3《波止場の用心棒》、-4《銀騎士》、-1《崇拝》

2ゲーム目も同じ戦略を取ってやればいい。《魔道士》で宣言するカードも、マナ軽減系を取り除くことも、だ。とにかく《潮流》が間に合うまで、相手を失速させることのみに集中すべし、って感じだ。

v.sマッドネス.
基本的に有利なマッチアップだ。僕の経験論からいえば、このマッチアップのカギは《金粉のドレイク》だね。なるべく悪用してやろう。デカブツを《ドレイク》で奪ってやったら、《仕組まれた爆薬》で共鳴者もろ共まとめて除去したり、《パララクス》の波で回収したり、ね。《翻弄する魔道士》で《堂々巡り》に対処すれば、マッドネス使いはもう《ドレイク》/《波止場の用心棒》コンボに対抗できない。

そうそう、彼らはメインじゃ《崇拝》ロックに対抗できないんだ。ダニエル・オマホーニィ・シュワルツがGPボストンでトップ8入りしたマッドネス(http://www.brainburst.com/db/deck.asp?deck_id=30099)に至っては、メインに《崇拝》を何とかするカードが《用心棒》1体と《急流》1枚しかない。しかも《崇拝》は盤面を支配するまでの時間稼ぎにもなってくれる。ただ、《崇拝》みたいな消極的戦略は、よっぽど何も引かなかった時か、よっぽど死にそうなときを除いて取るべきじゃない。充分勝ってる局面で《悟りの教示者》で探してきたなんて、お笑い種だね。
あと、《用心棒》は単品でもマッドネスに突き刺さる。コイツが出てるだけで相手のテンポがガタガタになるからね。それと忘れちゃならないのが「《もみ消し》でマッドネスをカウンターできる」こと。マッドネスは誘発型能力なんで、ゲームから取り除かれたマッドネスが戻ってくる前に優先権の移動タイミングがある。そこで《もみ消し》てやればカウンター完了ってこと。とりわけ相手が《堂々巡り》握ってるときに役に立つ知識だね。

+1《波止場の用心棒》、+1《パララクスの波》
+1《退去の印章》、+2《仕組まれた爆薬》
-4《銀騎士》、-1《魔力流出》

サイド後で特に戦略の変更は無い。無駄カードが減った分、より与し易くなるってことぐらいさ。
v.s.RDW
このマッチアップでは、場の制圧が何より優先される。《銀騎士》と《仕組まれた爆薬》はいつ引いてもとても役に立つカードだ。それと、《金粉のドレイク》は脊髄反射で出しちゃ駄目だ。《ドレイク》を出していいのは、《波止場の用心棒》が生き残っている時か、《パララクスの波》のカウンターに余裕がある時、もしくは、どうしても変異状態の《火猫》に対処できないときに限られる。僕の言いたいことは伝わったかな? つまり《ドレイク》をキャストできるタイミングなんてほとんど無い(あっても負けそうな時)だってこと。それと、今まで相手が1体たりとも《火猫》をキャストしてなかったら、迂闊に《銀騎士》は殴りに行かない方がいい。もちろん、《パララクスの波》のカウンターに余裕があるとか、そんな場合は例外だけど。攻勢に転じるのは、《銀騎士》を2体引いた時か、《天使》を出せた時か、《崇拝》や《パララクスの波》で場をガッチリさせた時が基本だね。

+2《仕組まれた爆薬》、+3《パララクスの潮流》、+3《寒け》
-3《波止場の用心棒》、-4《金粉のドレイク》、-1《魔力流出》

まず言っておこう。《寒け》は非道いカードだ。このカードは場に出ているカードには何も影響してくれないし、相手のデッキは軽くできてるんだから致命的な効果はない。《寒け》を評価できるとしたら、RDWの採ってくる《罠の橋》プランに突き刺さることに他ならない。賢明な相手なら《罠の橋》をサイドインしてくる筈だし、その時は《魔力流出》がハマること請け合いだ。惜しむらくは、すべてのRDW使いが賢明とは限らないってことかな。つまり《寒け》は、相手の《罠の橋》プランに依存する諸刃の剣だってことさ。まぁ、素で《寒け》は相手のテンポを崩してもくれるし、《銀騎士》が《呪われた巻物》で焼かれるのを防いでくれることもあるかもね。

v.s.Life
このマッチアップを実際にテストする前は、僕はサイドに《崩れゆく聖域》が必要なんじゃないかなんて、漠然と考えていたよ。でも、そんなのは杞憂だった。Life使いが無限ライフを得られる機会なんて、金輪際ないんだからね。無限ライフコンボには、《コー》と、《特別工作班》類と、ライフゲイン手段が必要だ。でも、僕はそのうちどれでも妨害してやれる。3つとも揃うまで指を咥えてる必要なんてないね。そうそう、《もみ消し》が手札にあれば、もう勝ったも同然だ。《もみ消し》は、《星明りの聖域》と《獣の墓場》を封じることができる。相手に残された道は、もう《価値ある理由》しか無い。そして、ここからが大事なんだけど、《価値ある理由》は解決時にクリーチャーをサクるんだ。まだピンとこないかな? つまり、《価値ある理由》は《波止場の用心棒》や《パララクスの波》で対処できるんだ! これらを引いてなくても大丈夫。《もみ消し》構えの体制に入ったら、《価値ある理由》を《翻弄する魔道士》で禁止してやるって手もある。相手が万策尽きたところで、ゆっくり《ドレイク》+《用心棒》コンボでも極めてやれば、相手は右手を差し出してくれるだろうね。

+2《仕組まれた爆薬》、+3《パララクスの潮流》
+1《パララクスの波》、+1《退去の印章》
-4《銀騎士》、-1《崇拝》、-1《魔力流出》、-1《賛美されし天使》

サイド後はこっちのスピードも落ちるけど、その分妨害手段が増えるんでさらに鉄板だ。《仕組まれた爆薬》は、X=1で出すことがほとんどだと思う。《コーの遊牧民》や《霊気の薬瓶》に対処できるからね。ただし、クレリックの類が場に居るんだったら、X=2も充分あり得る。

v.s.赤願い型ゴブリン
1ゲーム目はそうとう厳しい。殴れる盤面になるのは、《崇拝》か《賛美されし天使》を場に出している時だけだろう。これらのカードで優位を築いても、《生ける屍》や《苦悶の触手》1発でゲームが引っくり返される。ちょっと珍しい戦略としては、こんなのがある。まず《金粉ドレイク》で《ゴブリンの戦長》あたりを奪って相手に《ドレイク》を押し付け、おもむろに《銀騎士》でアタックするんだ。相手が《銀騎士》をブロックしてくれたらしめたもの、普通に《銀騎士》を墓地に放り込もう。墓地に1体《銀騎士》が居れば、《崇拝》環境下で、相手の《生ける屍》による突然死を防ぐことができる。ただ、この戦略は、《銀騎士》を最低でも2体引いないと意味がないのが欠点かな。この対戦では、《銀騎士》1体引いたくらいじゃぜんぜん優位にならない。2体の《銀騎士》を並べる、《天使》を出す、《パララクスの波》+《もみ消し》コンボをきめるみたいなパターンで早急に相手の息の根をとめなければならない。長引くほどに、相手の《燃え立つ願い》が効いてくるのだから。
そうそう、忘れちゃならないのが《もみ消し》の使い方だ。《ゴブリンの首謀者》や《ゴブリンの女看守》のCIP能力は《もみ消し》できるって事、《ゴブリンの群衆追い》のパワー上がる効果もプロ(青)に関係なく対象に取れるってことなんかは覚えとくといい。相手が《天使》を除去するために《群衆追い》で突っ込んできたら、《もみ消し》で対処してやれば、憐れな1/2を《天使》がブロックして殺すことができるんだ。

+1《パララクスの波》、+3《パララクスの潮流》、+3《寒け》
-3《波止場の用心棒》、-3《金粉のドレイク》、-1《魔力流出》

僕が「《寒け》は非道いカードだ」って言ったのを覚えてるかい? この台詞は、このマッチアップでは当てはまらない。彼らの主要スペルは3-4マナ域だから、かなり《寒け》がハマるんだ。あとは身動きできない相手を、《銀騎士》《パララクスの波》《天使》や、追加の《寒け》で殺してやればいい。マナに苦しむ相手に《パララクスの潮流》+《もみ消し》コンボを見舞ってやるのもオシャレだ。基本的には、《銀騎士》や《パララクスの波》で場をガッチリすることに全力を注ぐべきだけど、時としてマナ拘束戦略も有効だってことは知っといた方がいい。
これが僕がボストンに持って行ったレシピだ。マッチアップ分析とサイドボードプランについてはまたあとで説明する。

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 青白アグロ“暫定ソリューション”
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 ベンジャミン・デンプシー  /  GPボストン4位
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クリーチャー18
 4《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
 4《銀騎士/Silver Knight》
 4《金粉のドレイク/Gilded Drake》
 3《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》
 3《賛美されし天使/Exalted Angel》

スペル19
 4《渦巻く知識/Brainstorm》
 4《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
 4《もみ消し/Stifle》
 3《パララクスの波/Parallax Wave》
 1《パララクスの潮流/Parallax Tide》
 1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
 1《魔力流出/Energy Flux》
 1《崇拝/Worship》

マナソース23
 4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
 4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
 1《古えの居住地/Ancient Den》
 1《教議会の座席/Seat of the Synod》
 7《平地/Plains》
 6《島/Island》 

サイドボード15
 3《寒け/Chill》
 2《魔力流出/Energy Flux》
 2《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
 3《パララクスの潮流/Parallax Tide》
 1《パララクスの波/Parallax Wave》
 1《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
 1《退去の印章/Seal of Removal》
 1《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》
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マッチアップ分析をする前に、一つだけ注意点を。「サイド込みでプレイテストはしっかりやっとくこと」。これが何より大事だ。しっかりとプレイテストしておけば、相手のデッキに対する勝ち筋がはっきりするし、相手の手札も透けて見える。このデッキはあらゆるマッチアップを想定してあるから、どんなデッキに当たっても基本的には勝てるはずだ。しかも、そのマッチアップとの対戦経験をしっかり積んでおけば、まさに磐石だ。それじゃあ、各マッチアップについて、キーになるカードとプレイングのコツ、それにサイドボーディング計画を語っていこう。
                     -----ベン・デンプシー

エクステンデッド環境での“ソリューション”は何か? 多くの人が、その答えをGPボストンに求めたはずだ。でも、あんなに僅かなイベント記事じゃ、かえって混乱したんじゃないかな。だからこの記事では、僕の4位入賞デッキについて解説して、ほんのちょっとでも環境理解の手助けをしようと思う。いつもどおり、まずはデッキデザインの背景について説明してから、実際のプレイングについて述べていこう。

PTコロンバス後、僕はメタ的に優位なデッキをデザインしようと心に決めた。別に環境最強のポテンシャルを持ってなくてもいい、でも、PTのトップ8のデッキには全部勝てるようなデッキを作ろうと思ったんだ。親和、セプター、リアニメイター、デザイア、ゴブリン、RDW、それにLifeとマッドネス。これら全部にだ。ところが、意図に反してデッキとしてかなりポテンシャルがある物ができてしまった。これは嬉しい誤算だったね。

このデッキがメタデッキに対してどう有利かを語る前に、テストと調整に力を貸してくれたマイク・ドゥンガーとゴーデニス・ヴィドゥギリスにこの場を借りて感謝の意を述べたい。また、いつも多大な支援と示唆をくれているキャバル・ローグの面々、とりわけブライアン・コワル、エイドリアン・サリヴァン、ジョン・シュラー、ネイト・ヘイスそしてヤコブ・ジャノスカにも謝意を。彼らの助けがなければ、このデッキは世に出なかっただろう。特にマナベースと銀の弾丸の選択の部分でずいぶんお世話になった。

このデッキは、コロンバスで最も活躍した2種類のカウンター、すなわち《もみ消し》と《魔力の乱れ》を活用する試みとして開発が始まった。でも、プレイテストを始めてすぐに、デッキに《悟りの教示者》と銀の弾丸を加える戦略を思いついて、カウンター重視な戦略を諦めざるを得なかった。だって、全部をデッキに詰めようとしたら、到底60枚には収まんなかったんだから。これが、僕が最初にキャバル・ローグに送ったレシピだ。メインでビートダウンをメタって、サイド後の《パララクスの潮流》でコントロールに対策する計画だった。

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 青白アグロ    ベン・デンプシー
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クリーチャー18
 4《ルーンの母/Mother of Runes》
 4《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
 4《金粉のドレイク/Gilded Drake》
 4《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》
 2《賛美されし天使/Exalted Angel》

スペル20
 4《渦巻く知識/Brainstorm》
 4《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
 4《もみ消し/Stifle》
 2《パララクスの波/Parallax Wave》
 1《呪われた巻物/Cursed Scroll》
 1《絶対の法/Absolute Law》
 1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
 1《退去の印章/Seal of Removal》
 1《静寂/Serenity》
 1《崇拝/Worship》

マナソース22
 4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
 4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
 11《平地/Plains》
 3《島/Island》
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この時点では、リアニメイターとマッドネスだけは思惑通りに勝てた。でも、勝てると踏んでいたほかのデッキには、思ったようには勝てなかった。「このデッキの《ルーンの母》は全くの役立たずだ」ってアドバイスをドゥンガーにもらい、このスロットに何を充てるかサリヴァンやヘイスと検討したところ、《銀騎士》がぴったりだと解った。そして、この採用により《絶対の法》がメインから抜け、替わって《パララクスの潮流》がメインに入った。この変更によって、対赤の勝率が50%近くにまで上昇した。次の関門は親和だった。シュラーとジャノスカ曰く、親和には《静寂》より《魔力流出》が効くとのことだったので、これも変更した。《仕組まれた爆薬》は、シカゴでのGPTからの帰り道の車の中で思いついた。そうそう、この長旅のお陰で、エイドリアンとたっぷり議論できた。これは幸いだったね。何せそのとき、僕は《ドラゴンの嵐》デッキがメタ内だと思ってて、《寒け》をメインに入れようか真剣に悩んでたんだから。これが間違いだってことを、エイドリアンが小一時間かけて説得してくれたよ。

実際、《仕組まれた爆薬》は《寒け》以上の働きをしてくれた。《等時の王笏》や《翻弄する魔道士》、《大霊堂の信奉者》《電結の荒廃者》《頭蓋囲い》などは言うに及ばず、デザイアの《大メダル》《使い魔》や、RDWの土地以外のパーマネント全てを除去できたんだ。この時点で、GPまで残された期間がまる1ヶ月。メインの絞り込みはほぼ完了していて、あとはサイドボーディングの計画を練るだけだった。このデッキは環境の全部のデッキに勝てるって自信があったね。
最近よく勝ってるデッキってことで、Temporary Solutionについての記事を翻訳しました。

GPシアトル直前トライアルでベスト8に3人送り込んだり、
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpseat05/d1blog#6
先週のPTQ@東京でもベスト8に2人送り込んだり、
http://www5f.biglobe.ne.jp/~FDC/PTQPhiladelphia2005-Tokyo2nd.html
と、なかなかのソリューションっぷりを発揮してくれてます。

言うまでも無いことかもしれませんが、Temporary Solutionってネーミングは、ズヴィがPT東京を制したThe Solutionのパロディです。(←こういう場合は“リスペクト”ってった方がいいのでしょうか?)。

Temporary:
【@】テンポラリー、テンポレリ
【形】一時の、一時的な、一時しのぎの、仮の、当座の、臨時の、暫定の、はかない

だそうですので、本稿ではTemporary Solution=“暫定ソリューション”と訳させて頂きました。“いちじしのぎのそりゅうしょん”とかですと、なんかラノベっぽいですしね。

さて、で。この日記もヒット数的にも「知らなかった」じゃ済まされなくなってきましたので、これからはクレジットをキッチリつけることにしましょう。あと、この日記に捕捉リンクを張って頂く際は、必ず“BBのプレミア記事”なことを明記して下さい。

 原題:The 1.X Solution
 著者:Ben Dempsey
 ソース:http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=4984

この記事はBrainBurst.Comのプレミアム記事です。以降の翻訳文は、プレミア会員の方を対象としています。まだプレミア会員でない方は、↓からプレミアム会員にご契約してからお読み下さい。
https://secure.ascensionweb.com/pfp/BBPremiumInfo.asp

この翻訳文は、カバ雄個人の裁量によって、非営利目的で作成いたしました。一切の責任はカバ雄に帰属します。誤訳/不適切な表現など無きよう充分に配慮致しましたが、もしご在ましたらご指摘頂けると幸いです。

☆桜族の長老・大蛇の支援者
《長老》は言わずもがなですが、《支援者》については異論がありそうです。たしかに1マナで出る《極楽鳥》や、タフネス4ある《ぶどう棚》に比べてあまりにカードとしてアレです。しかし、《支援者》は《さ千》とシナジィするという点において、選択肢として充分あり得るのです。《さ千》と《花盛りの春》がキーカードなのですから、重要なのは2マナから4マナ域へのジャンプです。《支援者》が最低限の合格基準を満たしているのはお解かり頂けるでしょう。

☆せし郎の娘、さ千
マナエンジンその?です。よく勘違いされますが、マナが出るようになるのは蛇ではなくシャーマンです。前述の2種のマナ生物は言うに及ばず、《永遠の証人》や《キキジキ》からもマナが出ます。このデッキでは採用してませんが、なんと《トロールの苦行者》や《熊野》からもマナが出るんですよ?

☆永遠の証人
緑の定番生物ですが、前述のようにシャーマンでもあります。一粒で二度美味しいとはこのことです。ってか、某キャラメルの“一粒で二度美味しい”というコマーシャルなんて、今の若いコは知らないんでしょうねぇ。いえいえ、こちらの話です。

☆キキジキ・隔離するタイタン
《歯と爪》で持ってくる定番クリーチャーですね。

☆白金の天使
親和亡き後はメインからのアーティファクト対策は薄かろうという皮算用の元に採用してみました。なにげに《稲妻のすね当て》履いたら無敵ですし。

☆大蛇の守護神
なにか、我輩はこういうモノを入れずには居られないワケでして、つまるところ縦のシナジィLOVEというわけです。
《さ千》や《花盛りの春》が出ている状況で《守護神》起動すると、すごいマナが出ます。そのマナで巨大な《火の玉》! なんともかんとも、オーバーキルと言うか夢見がちと言うか・・・。
まぁ、《すね当て》が場に出てれば、《歯と爪》で《守護神》出して即装備ってことで、そのターン中に人を殺せるわけでして、それなりに夢を見て良いかなという気分にはさせられます。

☆歯と爪・火の玉
《さ千》や《花盛りの春》からの巨大マナの受け入れ先です。

☆稲妻のすね当て
燻し銀的なカードです。《さ千》に着けて即マナ出したり、《キキジキ》《白金の天使》を除去から守ったり、前述のように《守護神》に着ける使い方もあります。

☆木霊の手の内
補助的なマナ加速です。数日前まではシャーマンつながりの《ヴィリジアンのシャーマン》が入っていたスロットでしたが、3/1の禁止カードによってぽっかりスロットが空いてしまいました。なので、同じマナ域のコレを採用しました。何気に赤マナが出やすくなっていい感じです。

☆花盛りの春
マナエンジンその?です。単体で膨大なマナ加速になるのでさすがに強いのですが、緑コンやトロン相手にはサイドアウトします。

サイドボード
☆沸騰
対青用に採用しました。神話亡き後の青の隆盛は想像に難くないので、タッチ赤で《沸騰》というのはこれからよく見る構成になると思います。

☆母聖樹
対青用の追加スロットです。ここまで青対策してやっと勝てるってレベルです。

☆忍び寄るカビ
主に対トロンで土地を割るためにサイドインしますが、不意の《崇拝》や《侵入警報》にも対応できます。

☆隔離するタイタン・映し身人形
メタの推移によって、メインから出たり入ったり、サイドからも落ちたりするスロットです。《映し身》もメタ的にはメインかと思ったのですが、《大蛇の守護神》のために泣く泣くスロットを譲ってもらいました。

☆トリスケリオン・メフィドロスの吸血鬼
流行りそうな白ウィニーに対して、エグいくらいに効くコンボです。

如何でしょう? トロンとは別アプローチの“歯と爪デッキ”の可能性を認識して頂けたところで、本日の空想科学理論講座を終了させて頂きます。それでは、また会う日まで。

参考資料:
トロンにおけるマナ加速の適正枚数の考察
http://peakmagic.com/20041127.html
デザイナーによるデッキ分析:Elf & Nail
http://diarynote.jp/d/40955/20040519.html
蛇単
http://diarynote.jp/d/54232/20050227.html
こんばんわ。空想科学理論研究家のDr.カバ雄です。
今宵も萌芽的研究という名のブルシットをお茶の間にお届けいたします。

さて、ようやく大団円を迎えます単色刷り謀叛絵巻シリーズ。
トリをつとめまする色は“緑”です。緑といえば、緑コンかとも思ったのですが、どう調整しても入る謀叛のカードは《香杉の源獣》と《梅澤の十手》だけという、然して面白くもない結論に達しました。そこら辺で思考停止してもよかったのですが、世の中を穿った感じでナナメ45度から見る当講座と致しましては、もう少し面白いテーマを模索してしまいました。

3/20付けの禁止カードにて、親和が居なくなるのは周知かと存じますが、その後のメタ環境は侃々諤々のようです。而して、その最大の論点たるや“トロンの扱い”についてではないでしょうか。ある人は「親和居なくなったらトロンを止めるデッキがない」と仰いますし、またある人は「青コン増えるし《塩まき》復活したんだからトロンは死んだ」と仰います。

確かに《塩まき》の再録はトロンにとって憂慮すべき事態です。たった1枚でデッキの戦略の大半が消し飛びますしね。
では、ウルザ地形に依存しない歯と爪デッキがあったら?そう、あくまで《塩まき》はウルザ地形を狙い撃ってるに過ぎず、“歯と爪デッキ”そのものを否定しているわけではないのです。特殊地形を用いずに“歯と爪デッキ”を運用できれば、コンセプト自体はまだ生き残る道はあるのではないでしょうか。

おりしも、《頭蓋骨締め》時代に“エルフ&ネイル”という優れたノン・トロンの先例がありました。そのマナベースの中心になっていた《花盛りの春》を流用すれば、《歯と爪》撃つだけのマナは確保できそうです。
しかし、マナエンジンとなるカードがデッキ中にたった4枚では、必ず引けるとは限りません。そこで追加のマナベースを模索したところ、《せし郎の娘、さ千》というカードが見つかりました。(ハイ、そこ! 笑う所じゃないですよ?)デッキに8枚入れておけば、それなりに安定して引けるという理論の元、《花盛りの春》《さ千》のツーヘッドによる“歯と爪デッキ”を構築してみました。

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 オロチ アンド ネイル
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クリーチャー20
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》
 4《永遠の証人/Eternal Witness》
 4《せし郎の娘、さ千/Sachi, Daughter of Seshiro》
 1《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
 1《大蛇の守護神/Patron of the Orochi》
 1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
 1《白金の天使/Platinum Angel》

スペル18
 4《歯と爪/Tooth and Nail》
 3《火の玉/Fireball》
 3《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
 4《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
 4《花盛りの春/Vernal Bloom》

マナソース22
 1《山/Mountain》
 21《森/Forest》

サイドボード15
 4《沸騰/Boil》
 3《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
 4《忍び寄るカビ/Creeping Mold》
 1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
 1《映し身人形/Duplicant》
 1《メフィドロスの吸血鬼/Mephidross Vampire》
 1《トリスケリオン/Triskelion》
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日々是探索

2005年3月1日
↓こういうご意見をお見かけしました。

DiaryNoteユーザーにお願い
http://d.hatena.ne.jp/cdc/20050225#p2

なるほどなるほど。僕は携帯から見たこと無かったんで考えもしませんでした。そう言われると確かに配慮が足りなかったですな。今度暇ができたらレイアウトやらプロフィールやらテーマやら弄ってみますか。
ソース:
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpeind05/welcome#9
(以下、GPアイントホーフェンのBlogにあった記事の翻訳です)

このトーナメントが、神河謀叛解禁後の初の大型プレミアイベントになります。ただ、多くのプレイヤーにとっては、謀叛の与えたインパクトは皆無のようですね。以下に、このトーナメントで見かけた神河謀叛のカードを示します。

 *《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
   (多色デッキの選択肢の一つとして)
 *《手甲/Shuko》
   (《ダールの降霊者》の無限タフネス用にLifeデッキに入れる)
 *《悪忌の略奪者/Akki Raider》
 *《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》
 *《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》

えーっと、たったこれだけです。数週間のうちに新たなデッキタイプを誕生させるようなカードがプロたちに発掘されるのか、または謀叛のカードが金輪際エクステンデッドで使われることが無いのか、今後の動向に注目したいと思います。

訳注:
前述にて紹介したBlogによれば、
 *《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
   (白ウィニーが《悟りの教示者》用に)
 *《尖塔の源獣/Genju of the Spires》
   (RDWに採用)
 *《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner》
   (青単ビートダウン↓に使用)
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpeind05/welcome#8
などが使用されたようです。 
ソース:
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpeind05/welcome#23

オランダで行われているGPアイントホーフェンで、すっげカッコいいデッキを発見。緑黒の放火砲デッキ、これだけでも驚きなんだけど、更なるサプライズが。なんと土地が4枚! 4枚デスヨ奥さん、4枚。

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 放火砲     ジエルミ・ルッテン
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土地4
 3《森/Forest》
 1《沼/Swamp》

クリーチャー15
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》

スペル41
 4《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》
 4《金属モックス/Chrome Mox》
 4《土地譲渡/Land Grant》
 4《エラダムリーのぶどう園/Eladamri’s Vineyard》
 4《地勢/Lay of the Land》
 4《繁茂/Wild Growth》
 2《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
 1《耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence》
 4《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
 4《生ける願い/Living Wish》
 2《リスティックの教示者/Rhystic Tutor》
 4《強迫/Duress》

サイドボード15
 4《防御の光網/Defense Grid》
 3《酸化/Oxidize》
 1《沼/Swamp》
 1《裏切り者の都/City of Traitors》
 1《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
 1《預言する妖術使い/Divining Witch》
 1《永遠の証人/Eternal Witness》
 1《骨砕き/Bone Shredder》
 1《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》
 1《ヴィリジアンの盲信者/Viridian Zealot》
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初手にあるべき0マナ域のマナソースは、
 4枚の土地
 4枚の《モックス》
 4枚の《土地譲渡》
で計12枚。緑マナだけで考えると11枚。

そこから繋ぐ1マナ域のマナソースは、
 8枚のマナ生物
 4枚の《地勢》
 4枚の《繁茂》
 4枚の《ぶどう園》
と、計20枚。ここはまぁ安定。

で、肝心要の《放火砲》およびチューターは
 4枚の《放火砲》
 4枚の《吸血の教示者》
 2枚の《リスティックの教示者》 
の計10枚。期待値的にはみゃーみゃー。しっかし、《リスティックの教示者》とは・・。《悪魔の意図/Diabolic Intent》とか《加工》とかまだ色々あったろうに。

ともあれ、こういうデッキはすごく好き。しかも、GPにコレを持ってきちゃうんだから、かっこいーよ。世界は広い、知らないデッキがまだまだあるもんだ。僕もこんなんデッキ組めるようになりたいし、誰もが驚くようなデッキで勝ちたいなぁと思った。メタの中心のガチンコデッキで勝つより、その方がぜってーカッコイイじゃん。
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↓のURLでソーティングして読んで下さい。
http://diarynote.jp/d/60094/20050227.html
お手数おかけしてすんません。
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こんばんわ。空想科学理論研究家のDr.カバ雄です。
今宵も萌芽的研究という名のブルシットをお茶の間にお届けいたします。

さて、やっと終わりも見えてきた単色刷り謀叛絵巻シリーズ。
今回のテーマは“青”です。4回目にしてちょっと趣向を変えまして、デッキ診断などを嗜んでみたいと思います。栄えある生け贄は、仙台市太白区在住の匿名希望(26♂)さんです。それではお便りから。

Dr.カバ雄先生、こんにちは。酔った勢いで組んでみたデッキですが、うまく回りません。どうにかして下さい。

クリーチャー:8
 4《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 2《沈黙の預言者、ウヨウ/Uyo, Silent Prophet》
 2《月の守護神/Patron of the Moon》

スペル:26
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 3《卑下/Condescend》
 4《邪魔/Hinder》
 3《巻き直し/Rewind》
 4《残響する真実/Echoing Truth》
 4《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
 4《知識の渇望/Thirst for Knowledge》

マナソース:26
 4《雲上の座/Cloudpost》
 4《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
 18《島/Island》


ほうぅ。なかなかにツッコミどころが多くて嬉しい限りですね。

目に付く最大の欠点は、《月の守護神》を使おうとしてしまったがために、激しくデッキが歪んでいることでしょうか。サクる空民が《メロク》4体だと足りないので、《ウヨウ》を追加してみたって感じに見えます。そのわりには《ウヨウ》でコピーできるスペルが《残響する真実》《知識の渇望》だけですし、《月の守護神》の能力に至っては《メロク》としかコンボになっていません。重くなってしまったフィニッシャーを無理やり回すために採用した《雲上の座》も激しく浮いてます。なにかもう、《月の守護神》でデッキ組まないとアレとかいう感じの可哀相な呪いをかけられたようにしか見えません。

さすがに青単かつ《守護神》というこのままのコンセプトを貫くのは無理というものです。もう少し大人になりましょう。やはりデッキの根本からの改造が必要です。大まかなデッキの方向性について、選択肢を挙げますので、選んで下さい。

は? 選びたくない? いえ、四の五を言わずに選んで頂きますよ。さぁ早く

 ?あくまで青単を使いたい
 ?あくまで《月の守護神》を使いたい


っポチッとな。
と、普通ならこんな感じで一刀両断してしまうところでしょうか。でも、そこはそれ。妄想と娯楽の殿堂・空想科学理論講座なら大丈夫です。現実を見つめられない貴方も、大人になり切れないアナタも、ばっちりケアしますよ?

さて、それでは《月の守護神》を使う方向で少し思考実験を行いましょう。いい機会ですので、デッキ構築論として“縦のシナジィ型デッキ構築法”を用います。

縦のシナジィとは?
単体としての効果が薄いにも関わらず、ある特定のカードAとコンボになるカードBを入れること。また、そのコンボ自身を指す場合もある。例として、親和のサイドの歌ドラゴンや、トロンの《メフィドロスの吸血鬼》や、忍者デッキの《羽ばたき飛行機械》などが挙げられる。

縦のシナジィ型デッキ構築法とは?
カードAとコンボになるカードB、カードBとコンボになるカードC・・・といった感じでA→B→C→Dと芋づる式にコンボを繋いでデッキを構築する手法。一見するとデッキ全体の調和が取れてるように見えるが、ある特定の順序でドローしないとデッキとしてまったく機能しない。
縦のシナジィ型デッキ構築法の成功例として、プロスブルームやゾンビ対立(Zombe-Go)などが挙げられる。


まず、《月の守護神》の欠点として
 *複数枚引いても嬉しくない
 *重いのでマナブーストが必要
 *空民をサクるのが辛い
 *能力を使う機会があまり無い
などがあります。この欠点を緩和する方向で縦のシナジィを繋げてみましょう。

まず、1番目の欠点は非常に由々しき事態です。デッキに複数枚入れても2枚目以降が役に立たない、それでいて、1枚しか入れないと引くかどうかも分からないと、構造上矛盾しています。しかし、その矛盾を解決するための戦略として、古来よりチューター系カードが愛用されてきました。
今回はレジェンドを選択的に引っ張ってくるということで、《緊急時》をチューターとして採用しましょう。《緊急時》を入れれば、《守護神》《メロク》といったカードを複数枚入れる必要は無いですし、銀の弾丸的にレジェンドを散らすことも可能です。対親和用に《グリッサ》とか、対コントロール用に《メムナーク》などが選択肢として面白いでしょう。

そして、緑を加えることで2番目の欠点を、《桜族の長老》《木霊の手の内》などの優秀なマナブーストという形で解決できます。このような土地を伸ばすタイプのマナブーストは、《メロク》との相性も良好です。

そして3番目の欠点は、緑のお供《永遠の証人》で一発解決です。《メロク》サクっても、次のターン《証人》で回収できるとあれば、《月の守護神》の献身(ムーンフォーク)も少しは使い易いでしょう。

そして4番目。まぁ、確かに《メロク》と一緒のとき以外使うことの無い能力ですが、《木霊の手の内》の採用により、「《ウヨウ》で《手の内》コピーしたら手札に土地が3枚も来ちゃったよ〜」ってな時も、ちょっとはありがた味があるでしょう。また、《ウヨウ》の能力も《酸化》《緊急時》などアクティブに使えるインスタント/ソーサリーを増やせば、多少使う機会もあるでしょう。

そんなこんなで、こういうレシピになりました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 空民ブルー
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クリーチャー15
 4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
 4《永遠の証人/Eternal Witness》
 3《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
 1《沈黙の預言者、ウヨウ/Uyo, Silent Prophet》
 1《月の守護神/Patron of the Moon》
 1《グリッサ・サンシーカー/Glissa Sunseeker》
 1《メムナーク/Memnarch》

スペル22
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 2《邪魔/Hinder》
 3《酸化/Oxidize》
 4《残響する真実/Echoing Truth》
 3《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
 2《緊急時/Time of Need》
 4《血清の幻視/Serum Visions》

マナソース23
 3《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》
 1《真鍮の都/City of Brass》
 1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 9《森/Forest》
 8《島/Island》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

もはや単色でも何でもありませんが、ざっとこんなモンでしょう。更なる変更の方針として、システムクリーチャーの除去手段である《トリスケリオン》や《ヴィダルケンの枷》を加えてみたり、タッチ黒/赤などを検討してみては如何でしょうか。
ちなみに今回の縦のシナジィを図解するとこんな↓感じです。

 《月の守護神/Patron of the Moon》
     ┃
     ┣《緊急時/Time of Need》
     ┃   ┃
     ┃   ┣“銀の弾丸”戦略
     ┃   ┗《沈黙の預言者、ウヨウ》
     ┃            ┃
     ┃            ┣《酸化》コピー
     ┃            ┃  
     ┣緑のマナブースト━┻━《ウヨウ》+《手の内》
     ┃
     ┗《永遠の証人/Eternal Witness》+献身
     

よけい解りにくいですね。
・・・おや、さっそく仙台市太白区在住の匿名希望(26♂)さんから感謝のお便りが届きました。見てみましょう。

ありがとうございます。デッキがみるみる強くなりました。いやぁ本当に強いですね、青単マグピーは。カルステンの記事のお陰で連戦連勝です。
あと、後ろの方の駄文はウザいんで読んでません。Dr.カバ雄先生も、あんまり夢ばっか語ってると物体扱いされますよ。


ほうぅ。いい度胸ですねぇ茶坊主。
アー ユー ケンカウッテンノ トゥー ミー?

・・は!? いえ、あー、えーっと、た・縦のシナジィ型デッキ構築法をご堪能頂けたところで今日の空想科学理論講座を終了させて頂きます(汗)。そ・それでは、また会う日まで。

参考資料:
Mono Blue Control ---Frank Karsten
http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=4727
?あくまで青単を使いたい場合

おとなしく青単マグピーを使って下さい。
お帰り口はこちら↓です。

http://diarynote.jp/d/60094/20041223.html

?あくまで《月の守護神》を使いたい場合

無理です。
もう少し現実を見つめましょう。

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