イゼット団なデッキ 第1回   --その3
サンプルデッキその2

かるくカウンターバーン不信に陥っていたのですが、そんなとき密費でさんの日記で《ニヴ=ミゼット》と《独楽》のシナジィを知りました。
灰色熊は最高^^;
http://diarynote.jp/d/52378/20060126/
構築屋ってのは、こうゆう面白いトリックを知ってしまうと、デッキを組まずに入られなくなるものです。

《独楽》のシャッフル用に《旅行者の凧》を入れ、心もちキャントリップを増やし、《独楽》と《凧》の両方と噛み合う《交易路》を採用してみました。試作1号機の反省から、火力は3点な《火山の鎚》を採用、《電解》を生かすために《流砂》なども入れてみたり、と学習効果もバッチリです。よっしゃ、これでどーだ、という試作2号機が出来上がりました。

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     独楽カウンターバーン
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クリーチャー3
 3《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》

スペル31
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 4《差し戻し/Remand》
 4《邪魔/Hinder》

 3《ブーメラン/Boomerang》
 4《火山の鎚/Volcanic Hammer》
 3《電解/Electrolyze》
 2《真髄の針/Pithing Needle》

 3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
 2《旅行者の凧/Journeyer’s Kite》
 2《交易路/Trade Routes》

土地26
 4《流砂/Quicksand》
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
 4《蒸気孔/Steam Vents》
 4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》 
 9《島/Island》
 3《山/Mountain》
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そしてまた、現実を思い知るわけです。じぇんじぇん勝てないんです、残念ながら。

なんつーかですね、シャッフル手段のないデッキに《独楽》っていうのが、僕の構築力ではどう組んでも強く思えませんでした。いや、きっともっと強い人が組めば《ニヴ=ミゼット》と《独楽》コンボは生きるんでしょうが、このデッキではまるで駄目でした。しかし、収穫はありました。それが、上述の理由で入れちゃった《交易路》です。エンド前に自分の好きなだけドローを繰り返せるんですから、《ニヴ=ミゼット》との相性たるやまさに完璧。マリアージュとでも言うべきシナジィです。

あーそうそう、《火山の鎚》ってのはカウンターバーンには合わなかったです。2ターン目にタップアウトで撃つのはたいそう危険な環境なので、結局撃つのは4ターン目になってしまいます。それだったら、3マナでもいいのでインスタントな《山伏の炎》の方がマシでした。

というわけで、これらを踏まえたカウンターバーンについて明日の日記に書いてみたいと思います。
イゼット団なデッキ 第1回   --その2
サンプルデッキその1

というわけで、ギルドパクトのリストを眺めながら使いたいカードをピックアップし、既存の青黒コンをベースに赤いカードを置き換える感じで組んでみました。試作1号機です。

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     青赤カウンターバーン
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クリーチャー7
 4《呪師の弟子/Jushi Apprentice》
 3《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》

スペル28
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 3《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》
 4《邪魔/Hinder》
 2《巻き直し/Rewind》

 4《紅蓮地獄/Pyroclasm》
 4《電解/Electrolyze》
 2《火想者の発動/Invoke the Firemind》
 3《撤廃/Repeal》
 2《真髄の針/Pithing Needle》
 
土地25
 1《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》
 1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
 1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
 1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
 4《蒸気孔/Steam Vents》
 4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》 
 9《島/Island》
 4《山/Mountain》
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《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537123/
《電解/Electrolyze》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537111/
《火想者の発動/Invoke the Firemind》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537118/
《撤廃/Repeal》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537032/
《蒸気孔/Steam Vents》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537164/
(カード名のリンク先にWisdom Guild様を使わせて頂きました)

それでまぁ、やってみりゃ分かるんですが恥辱的なまでに弱いんです、これがまた。

まず、ですね、《呪師の弟子》が良くないです。出してる暇も、能力起動してる暇もないです。赤いデッキ相手にはあっという間に除去られますし、《スカルグ》の存在がチャンプブロッカーとしてすら許してくれません。実は、この生物は基本ターンが3〜4ターン目以降の環境でのみ輝く存在だったのです。この落ちぶれっぷりはアレです。昔、《泥棒カササギ》がメタの変遷とともに環境から追放されましたが、それを髣髴とさせてくれました。今の環境ではもはやメインには入れたくないレベル、そういう風に評価しました。

そして、もう1つ学習したことが2点以下の火力は“除去”じゃないということです。《紅蓮地獄》じゃ《密林の猿人》すら焼けないという驚愕の事実、まったくもって環境に噛み合ってないと感じました。《電解》も然りです。これが4マナ3点だったらなーと心の底から思いました。

さて、というわけでこのデッキでは《ニヴ=ミゼット》を出すまで生き延びられないという結論に達しました。
イゼット団なデッキ 第1回   --その1
さてさて。それでは、予告どおりカウンターバーンについて語ったっていきましょう。

●《メロクの落日

ギルドパクトが入って、相対的に《メロク》が弱くなりました。《炎樹族のシャーマン》が起動型能力を締め付けている、というのもあるんですが、《メロク》というカードの性質そのものがステロイドにあまり強くないのです。確かに《メロク》の能力は攻防一体です。しかし、その“防”の部分が発揮できるのは下記の2種類に対してです。

 ?攻め手の数は多いけどタフネスが低い場合
 ?攻め手のタフネスは高いけど数が少ない場合

そう?は白ウィニー系、?はけちなどのデッキですね。これらが跳梁跋扈してた環境だからこそ、《メロク》は鉄壁に見えてました。しかし、ギルドパクトの登場とともにステロイドが反撃の狼煙を上げました。ご存知のように、ステロイドの打撃は『攻め手の数が多くてタフネスが高い』という特徴があります。すなわち、《メロク》のトークンはもはや防御として用を成さなくなってしまうのです。よって、青いデッキは新たなフィニッシャーを求める時期となったのです。

●《ニヴ=ミゼット

そもそも、青系のデッキにとって「強いフィニッシャー」とはどのようなものでしょう? 僕は、下記の2つを満たしているものだと考えます。
・死ににくい
・制圧力がある
前者の死ににくいってはわかり易いですね。カウンターは有限なのですから、フィニッシャーはカウンターで守る必要性の薄いものがいいです。では「制圧力がある」とはどうゆうことでしょうか。実は先ほどの《メロク》のところで半分くらい答えを言ってしまいました。すなわち“攻防一体”というか、攻めに転じやすいクリーチャーだということです。

たとえば、《玉虫色の天使》などは無敵のブロッカー性能を誇りますが、だからと言って単体では相手の生物に干渉できるわけではなく、結局ブロッカーとしてもじもじしてしまいます。これが《変異種》だったら、アンタップ能力がついているので相手生物を牽制しつつ安心してアタックできます。これが“制圧力がある”ということです。

さて、やっと本題に入れました。《ニヴ=ミゼット》です。この《ミゼット》さん、殴りに行かなくても毎ターン《火》が撃てて、《ジェイムデー秘本》のおまけ付きなんですから制圧力としては相当なものです。しかも、ドロースペルが大量破壊に早変わり! 出して生き残りさえすればもはや負ける気がしません。神河ブロックの伝説の土地との相性も良く、《御心》や《真火》とのシナジィ、そして何より《水面院》とのコンボが素敵です。

問題はその死に易さ、タフネス4という箇所でしょうか。《黒焦げ》で堕ちる、はスタンダード環境を考える上で無視できない問題です。しかし、そんなんゆったら《メロク》だって同じですし、むしろ《信仰の足枷》を貼られても誘発型能力が健在なところは評価すべきです。そもそも《化膿》と《屈辱》の存在するこの環境では、死なないフィニッシャーなんてそうは居ません。ならばこそ、高い制圧力を評価して《ニヴ=ミゼット》を新たなフィニッシャーに迎え入れてみたいと思います。
TCGplayer.comに載ってたステロイドの記事の中に、興味深いレシピがあったので引用してみます。
Gruul Aggro: New Threat!(プレミアム記事)
   ----Gerry Thompson
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?id=6214


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  The Zoo (RGw Beats)    Gerry Thompson
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クリーチャー24
 4《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》
 4《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》
 4《密林の猿人/Kird Ape》
 4《番狼/Watchwolf》
 4《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
 4《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》

スペル15
 4《ショック/Shock》
 4《稲妻のらせん/Lightning Helix》
 4《黒焦げ/Char》
 3《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》

土地21
 4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
 4《寺院の庭/Temple Garden》
 4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
 3《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
 2《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
 4《森/Forest》
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緑白赤のジャンクです。Zooで通じる人はそれなりに、通・・、なのか、な?

トンプソン曰く「《十手》なんて+4/+4するだけの《腐れ蔦》もどきっしょ? いらねーよ(超意訳)」だそうです。アンチシナジィ一切なしに《炎樹族のシャーマン》を使ってるという点において、個人的には非常に好きなレシピです。
グルール一族なデッキ 第1回   --その4
まずは訂正から。
03年の日本選手権で使用可能だったエキスパンションはレギオンまででした。いや、ONSブロックの3番目がジャッジメントだと、素で勘違いしてました。

さて、で。件のステロイドについて、たーは大先生からメールをもらいました。
特殊地形渡りは?あと巨大化よりは+3エンチャントじゃないすか?
コメントやらトラックバックにすればいーのに、Blogの意味なーいじゃん・・・・。という所感はさておき、さすがたーは大先生、たった31文字のメールで2時間半にも及ぶ思考命題を与えて下さいました。

特殊地形渡り・・・。《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》のことですな。確かに今の環境なら、まずアンブロッカブルとなります。

そして+3エンチャントとは、おそらく《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》のことでしょう。にゃるほど、たしかに03年時点のステロイドでも、「2ターン目に《雑種犬》出して3ターン目に《象の導き》付けたら、それだけで勝てちゃった」ということがよくありました。

ふーむ、確かに《ドライアド》から《腐れ蔦》につないだら、4回殴るだけで人を殺せそうですねぇ。じゃあ、そうゆう方向でもデッキを考えてみましょうか。

・《やっかい者》or No
さて、先日のバージョンでは《やっかい者》を中心にして組んでみたのですが、《腐れ蔦》バージョンでは果たしてコイツに存在意義はあるのでしょうか? 同じ2マナ域に《ドライアド》を入れるんですから、真っ先に抜けそうなカードではあります。でも、僕は『必要だ』と考えました。+3/+3付くのであれば、トランプルを持ってるのが超強いですし、《ドライアド》が安定して通るなら、2ターン目に限らず狂喜チャンスが訪れます。

・その他変更点
ちょっとロジックでものを考えてみましょう。《腐れ蔦》バージョンでは、多少のスロット入れ替えが必要です。

☆1マナ域生物の価値の低下
前に述べたとおり、《やっかい者》を2ターン目に出す必要がないんですからねぇ

☆2マナ域生物の価値の向上
2ターン目に、打撃力を確実に出したいわけですから、そりゃそうです。

☆3マナ域生物の価値の低下
3ターン目は《腐れ蔦》を付けるターンだとするなら、生物を展開する必要性は薄れます。

☆火力の価値向上
+3/+3されることで、相手がダブルブロックしてくる機会も増えます。また、《ドライアド》が実質アタック専用なのを考えると、タイトなダメージレースを1ターン詰める必要も出てきます。よって、火力は増量すべきでしょう。

というわけでレシピはこうなりました。

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    腐れ蔦ステロイド
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クリーチャー22
 4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
 4《密林の猿人/Kird Ape》
 4《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》
 4《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
 2《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
 4《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》

スペル15
 4《火山の鎚/Volcanic Hammer》
 4《黒焦げ/Char》
 4《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》
 3《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》

土地23
 4《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
 4《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
 4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
 3《山/Mountain》
 8《森/Forest》
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グルール一族なデッキ 第1回   --その3
やーもぅ、生物が見事に赤字です。まさにギルドパクト様様ですね。

●ギルドパクトのカードについて

《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
2マナ域の《やっかい者》なんですが、非常に評価の分かれるところだと思います。たしかに、狂喜しなければ2マナ1/1ですしね。でも、1ターン目《猿人》、2ターン目《やっかい者》ってな展開をしたら、それだけで勝ち確定でしょう。《貧霊》のおかげで狂喜しやすいとかも加味して考えると、僕は“強い”と評価しています。実際ステロイドを相手にしてみると、2ターン目に《やっかい者》出されるか否かにとてもドキドキします。なんとなく《深き刻の忍者》みたいな立ち居地ですね。

《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
《十手》や各種マナアーティファクトの横行する世界ではメインで問題ないと考えています。ただ、ここら辺のスロットは枚数調整が必要でしょう。これが1枚《黒焦げ》に替わる説はかなり有ります。

《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》
コメントするだけ野暮ってものでしょう。問答無用で4枚突っ込みました。

《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
で、「《スカルグ》4枚ってどうよ?」ってお話なんですが、ちょいと釈明を。使ってみると、《スカルグ》のあまりの強さに驚かれると思います。接触戦闘でワンサイズ大きくなり、トランプルが付いてチャンプブロックも効かなくなるんですから、そりゃもう強いですよ。で、こんだけ強いと、ステロイド同キャラは“《スカルグ》ゲー”とでも言うべき事態に陥ります。引けば引いただけ強い、ゆえに4枚というのは自然の摂理ではないでしょうか?

《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
実は、これの加入によって《密林の猿人》の運用が可能になりました。基本地形のと合わせてデッキに《森》11枚換算なのですから、2ターン目までの期待値としては充分でしょう。

●その他の選択について

《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》
《やっかい者》を使う都合上、1マナ域生物はデッキに10枚入れたかったです。で、緑マナと赤マナの土地バランスから、このスロットが緑の生物となることは確定していました。それを踏まえた上で《茨の子》やら《スカルガンの穴潜み》やらを押しのけてコイツになった理由を説明します。通常、マナクリーチャーは3マナ域へのジャンプを目的としていますが、ステロイドにおけるマナ生物の役割はちょっと違います。2ターン目は《やっかい者》狂喜のために殴りに行き、3ターン目に《貧霊》や《十手》につないで、その後は《スカルグ》や火力のためにマナに換り、最後の全軍突撃やチャンプのために命を投げ出す、こういう使われ方をします。なので、《ラノワールのエルフ》だけじゃ足りず、コイツを追加した次第です。

火力が7枚
ボロスなどと比べると、ずいぶん少なく感じるかと思います。でも、ボロスの戦略が“序盤に回避能力付きの生物で削って、火力でトドメ”なのに対し、ステロイドの戦略は“生物でゴリ押して、邪魔なブロッカーを火力で除去”となります。よって、それほど多くスロットを割く必要を感じていません。

《かき集める勇気/Gather Courage》
おそらく知らない方も多いと思いますので、いちおう貼っときます。
Gather Courage / かき集める勇気 (緑)
インスタント Ravnica: City of Guilds,コモン
召集(この呪文をプレイするに際しあなたがタップしたクリーチャー1体につき、それをプレイするためのコストは(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点だけ少なくなる)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
Illus.Brian Despain (165/306)
(Wisdom Guild様より引用)
ステロイド同キャラ対戦を考えた時に、生物のサイズがデカイので、火力で除去するのは困難です。そうするとこのマッチアップでは伝統的に“巨大化が強い”って展開になるわけです。さて、で。《スカルグ》を擁したステロイドでは、《スカルグ》をアクティブに使える方が一方的に殴るゲーム展開となり、先手がとても有利になります。そうした時に、ピッチで撃てるジャイグロには、先手と後手を引っくり返す力があると考えました。

というわけで、これがカバ雄の考える標準的なステロイドです。次回は、青赤のカウンターバーンについて語ってみたいと思います。
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   ギルドパクト対応ステロイド
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クリーチャー25
 4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
 4《密林の猿人/Kird Ape》
 2《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》
 4《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
 3《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
 4《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》
 4《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》

スペル13
 4《火山の鎚/Volcanic Hammer》
 3《黒焦げ/Char》
 2《かき集める勇気/Gather Courage》
 4《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》

土地22
 4《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
 4《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
 4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
 3《山/Mountain》
 7《森/Forest》
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《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537128/
《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537078/
《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537105/
《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537126/
《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537163/
《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537165/
(カード名のリンク先にWisdom Guild様を使わせて頂きました)
グルール一族なデッキ 第1回   --その1
さぁ、恒例となりつつあります新セットでのデッキ妄想、今回もギルドパクトのデッキについて語ってみませう。第1回ってことで、おそらく一番人気なデッキから。今日のお題は緑赤2色でステロイドです。

やー、まぁ色んなところでギルドパクト入りのステロイドを目にしたのですが、僕にはどうもしっくり来ません。低マナ域が薄く、《北の樹の木霊》やらの重い生物をこれでもかとばかりに入れているデッキを見ると、もうアレです。
「小坊主ども、そこに正座じゃ。
ステロイドとは何たるか、儂がたっぷり講釈してくれよう!」

などと説教垂れたくなってしまいます。やれやれ、だいぶオヤジ化が進んでおりますな。

僕たちは、神河ブロックというゴン重いブロックに慣らされすぎて、ちょっと感覚が麻痺していたんじゃないでしょうか? 神河のドラゴンやらは、単純に“デカい”イコール“強い”みたいな図式を実によく表しています。
でも、かつてマジックにはそうでない時代が確かにありました。昔、(たしか)ローリーさんの記事に書いてあった言葉を借りれば「《セラの天使》を1体出すよりも、《白騎士》2体出した方が強い。そういう時代だ。」ってことです。

そもそもステロイドの没落は《野生の雑種犬》の脱落から始まりました。緑の2マナ域は空前の不毛地帯となり、《桜族の長老》がベストな選択肢という、ビートダウン戦略からはかけ離れた時代がまるまる2ブロック以上も続いたのです。優秀な2マナ域が居なければ、序盤からの効率的なビートダウンは成り立たず、結果、緑のデッキは重いマナ域に移行していったんですね。

しかし、ギルドパクトでグルール一族を迎え、2マナ域の選択肢はかなり実用レベルになってきました。
《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
《グルールのギルド魔道士/Gruul Guildmage》
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《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》
《エルフの戦士/Elvish Warrior》
などなどです。ならばこそ、低マナ域にシフトしたステロイドが、今こそ復権のチャンスなのではないでしょうか。というわけで、デッキのバランスを参考にするために、ちょっと古典を紐解いてみました。最後のステロイド全盛期、オデッセイからレギオンにかけての時代のデッキです。03年日本選手権でトップ8入りした時の、志岐和政さんのレシピを挙げてみましょう。

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     ステロイド Set:7th,OD〜LGN
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 Kazumasa Shiki / 03 Japan Nationals / Top8
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クリーチャー23
 4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
 3《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
 3《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
 4《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
 4《獣群の呼び声/Call of the Herd》
 2《焦熱の火猫/Blistering Firecat》
 3《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur》

スペル15
 4《炎の稲妻/Firebolt》
 4《火山の鎚/Volcanic Hammer》
 4《激発/Violent Eruption》
 3《象の導き/Elephant Guide》

土地22
 4《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
 4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
 3《モスファイアの谷/Mossfire Valley》
 8《山/Mountain》
 3《森/Forest》
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生物のマナカーブでみてみると、1マナ域が10体、2マナ域が4体と、デッキの生物の6割が2マナ以下です。《ラノワールのエルフ》からの3マナ域へのジャンプがあるものの、3マナ域は変異込みでわずか6体、4マナ域が3体と、低マナ域での展開力に重きを置いた構成となっています。

にゃるほど。こーいうバランスですね。だいぶ勘が戻ってきました。じゃあ、ギルドパクト対応版をちゃちゃっと組んでみましょう。
レガシーをプレイするヒント

この新しいフォーマットには、多くの新規プレイヤーが参入してくるんだから、どこからスタートしていいかなんて分かんないよね。レガシーはカードプールが広いから、なおさら。だから、ちょっとだけレガシーの構築とプレイングのヒントをあげるね。


デュアルランドはデッキの潤滑油

レガシー最大の特長で、いちばん重要な要素が、デュアルランド。これのおかげでちょっと他では見られないくらい多色化が簡単なんだね。ゴブリンが《剣を鋤に》のために白をタッチしたり、ATSがさらに1色増やしてまで《悟りの教示者》を入れたりね。デュアルランドをこんなに思いっきり使えるフォーマットはレガシーしか無いじゃん? 確かにデュアルランドはちょっと高いけど、いったん買っちゃえば、ずーっとレガシーで使えるし、レガシーを100倍楽しめるよ。でも、あんまり調子乗ってデュアルランド使っちゃうと・・・。


デュアルランドは必要最低限に

このフォーマットでよくやる間違いなんだけど、デュアルランドを過信しすぎちゃうことがあるよね。たしかに基本地形の上位互換に見えるけど、だからって何も考えずに4枚入れちゃうのもどうかと思う。例えば、緑単のデッキに2-3枚だけ白いカードをタッチしたいなら、《Sabannahs》は4枚は要らない。1-2枚で充分かな。レガシーでは特殊地形対策の《不毛の大地》や《基本に帰れ》、《血染めの月》なんかが色々あるから、あんまりデュアルランド使いすぎるとハマるよ。でも、なんで1-2枚で充分かって言うと・・・。


フェッチランドが生命線

フェッチランドは、この環境ですごく大事なんだ。一色でも合ってるデュアルランドを引っ張って来れるからね。しかも、さっき言ったみたいな特殊地形対策には引っ掛かりにくいし。そして、ライブラリーの土地を圧縮してくれるし、シャッフル手段にもなるから、《渦巻く知識》系のカードを最大限に活用しちゃえる。2色以上のデッキなら絶対フェッチを使うべきだよ。デッキのマナ基盤がすごく安定するからね。


生かすべきか、殺すべきか

レガシーだと、○○対策のカードってゆーのもすごく充実してる。その中でも2大アンチカードというべきなのが《無のロッド》と《基本に帰れ》かな。《無のロッド》はアーティファクトだから、どんなデッキにも入れられる。タイプ1と違って、どんなデッキにも大量にアーティファクトが入ってるわけじゃないけど、セプターみたいにすごくハマっちゃうデッキもあるからね。あと、《基本に帰れ》も特定のデッキにはとてもよく効くね。さっきも書いたけど、必要以上に特殊地形を使わないように注意しないと。《不毛の大地》もいたる所で見るカード。もしデッキに特殊地形が特に入ってないんなら、《不毛の大地》だけでも入れとくのはすごく良いと思うし、これが《血染めの月》だったらもっと素敵。自分の被害は最小限に、相手は壊滅的な打撃を受けちゃうんだからね。べつに、対策カードを使うことは卑怯なことじゃないよ。メタゲームをしっかり読んで、時にはメインから入れるのも勝つ秘訣だからね。

それじゃ、レガシーを楽しんでね!

(おわり)
レガシーでの“生存”術 その11
青白セプター

青白セプターもコントロールの一種なんだけど、ちょっと毛色の変わったタイプ。
《等時の王笏》を中心にして、刻印すると強い《蓄積した知識》や《剣を鋤に》や《火+氷》、それに身動きの取れないロックを作り出す《オアリムの詠唱》なんかが採用されてる。これらのインスタントは《神秘の教示者》や《狡猾な願い》で探してこれるから、状況に合った“棒”を作れるんだね。このデッキは《王笏》なしでもちゃんと動くんだけど、“棒”モードに入られるともうお手上げ。《無のロッド》みたいなアンチカードでも使っちゃいたくなるよね。このデッキでも、カウンターとして《対抗呪文》と《Force of Will》は標準装備してる。勝ち手段はWUBSと同じ《賛美されし天使》や《変異種》が基本なんだけど、たまに《正義の命令》使ってるレシピも見るかな。

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   青白セプター ソース提供:madness151
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クリーチャー:2
 1《変異種/Morphling》
 1《賛美されし天使/Exalted Angel》

スペル:34
 2《もみ消し/Stifle》
 4《対抗呪文/Counterspell》
 4《(意志の力)/Force of Will》
 3《渦まく知識/Brainstorm》
 4《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
 2《神秘の教示者/Mystical Tutor》
 2《狡猾な願い/Cunning Wish》
 1《嘘か真か/Fact or Fiction》
 4《剣を鋤に/Swords to Plowshares》
 1《神の怒り/Wrath of God》
 3《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》
 4《等時の王笏/Isochron Scepter》

マナソース:24
 4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
 2《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
 1《(溶けゆく氷河)/Thawing Glaciers》
 3《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
 2《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
 4《(ツンドラ)/Tundra》
 5《島/Island》
 3《平地/Plains》

サイドボード:15
 3《青霊破/Blue Elemental Blast》
 3《解呪/Disenchant》
 1《冬眠/Hibernation》
 1《ブーメラン/Boomerang》
 1《原野の脈動/Pulse of the Fields》
 1《誤った指図/Misdirection》
 1《火+氷/Fire+Ice》
 1《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》
 1《禁止/Forbid》
 1《神の怒り/Wrath of God》
 1《悪魔の布告/Diabolic Edict》
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レガシーでの“生存”術 その10
WUBS

だからぁ、WUBSの由来とかは話さないよ。でもちょっとだけ。Wは白、Uは青のこと。つまりこのデッキは青白コントロールなんだね。青のカウンターをベースに白いカードをプラス。その白いカードは、除去な《剣を鋤に》と、勝ち手段の《賛美されし天使》。WUBSはBBSに比べて、ボードコントロール能力が高くなってる。《対抗呪文》や《Force of Will》をより効果的に使うため、2色デッキなのに《ヴィダルケンの枷》を採用することもあるかな。ドローソースには《渦巻く知識》と《嘘か真か》、そして、フィニッシャーは《賛美されし天使》と《ミシュラの工廠》が受け持ってるね。

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     WUBS ソース提供:Artowis
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クリーチャー:3
 3《賛美されし天使/Exalted Angel》

スペル:32
 2《無効/Annul》 (もしくは《誤った指図》)
 4《対抗呪文/Counterspell》
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 4《(意志の力)/Force of Will》
 4《渦まく知識/Brainstorm》
 4《嘘か真か/Fact or Fiction》
 4《剣を鋤に/Swords to Plowshares》
 3《虚空の杯/Chalice of the Void》
 3《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》

マナソース:25
 4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
 4《不毛の大地/Wasteland》
 4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
 1《汚染された三角州/Polluted Delta》
 4《(ツンドラ)/Tundra》
 6《島/Island》
 2《平地/Plains》
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レガシーでの“生存”術 その9
BBS

BBSの名前の由来とかは、この記事じゃ話さない。気になったんだったら、自分で調べてみて。BBSは青単のパーミッションで、すごくカウンター重視なデッキ。《Force of Will》に《対抗呪文》に《マナ漏出》・・・、ほんとなんにも通んないじゃんって気分になっちゃう。やっと場に出したと思ったら《火薬樽》か《ネヴィニラルの円盤》で処理されるし。手札が減ってきたら《蓄積した知識》みたいなカードですぐに補充。だから、いつまでたってもカウンターが途切れない。勝ち手段は、除去され難さが買われて《変異種》ってことが多いかな。どんなデッキに対しても対処できるって意味で、BBSはベストなデッキの1つだと思う。どのスペルを通していいか、自分で選べるんだからね。そうそう、メインから《基本に帰れ》を積んでるのも特長。これを想定してないデッキは、それだけで負けちゃったりするね。

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     BBS ソース提供:Jander78
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クリーチャー:2
 2《変異種/Morphling》

スペル:34
 3《もみ消し/Stifle》
 4《対抗呪文/Counterspell》
 4《マナ漏出/Mana Leak》
 4《(意志の力)/Force of Will》
 1《誤った指図/Misdirection》
 4《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
 4《嘘か真か/Fact or Fiction(IN)》
 4《虚空の杯/Chalice of the Void》
 3《火薬樽/Powder Keg》
 3《基本に帰れ/Back to Basics》

マナソース:24
 4《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
 4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
 4《不毛の大地/Wasteland》
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 1《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
 7《島/Island》
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レガシーでの“生存”術 その8
天使ストンピィ

天使ストンピィは白単のアグロ系コントロールデッキ。いかに速く《賛美されし天使》を場に出せるかが大きなポイントかな。単体のクリーチャー性能で考えると、今のレガシーじゃあ、この《天使》がいちばん強いと思う。すごい早いターンで出てくるし、与えるダメージも大きいし、ライフまで回復してくれるんだからね。《ルーンの母》は変異状態で無防備な《天使》を守ってくれるし、他のクリーチャーを除去されにくくもしてくれる。そうそう、プロテクション赤が多いのも特徴で、《サルタリーの僧侶》や《銀騎士》はたまた《火と氷の剣》なんかも使ってたりとか。だから天使ストンピィは、ゴブリンや緑赤サバイバル、その他もろもろの赤デッキにすごく強いめ。相手のクリーチャーは《剣を鋤に》や《パララクスの波》で除去できるから、ダメージも通し易いかな。マナ加速用には《税収》と《金属モックス》と《古の墳墓》を採用してる。《火と氷の剣》と《記憶の仮面》は殴ってるだけでカードアドバンテージをくれるから、いったんハマるとそのまんま押し切っちゃうんだ。

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     天使ストンピィ ソース提供:GodzillA
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クリーチャー:21
 4《ルーンの母/Mother of Runes(UL)》
 4《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》
 1《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》
 4《銀騎士/Silver Knight》
 4《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》
 4《賛美されし天使/Exalted Angel》

スペル:17
 3《記憶の仮面/Mask of Memory》
 3《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
 3《解呪/Disenchant》
 4《剣を鋤に/Swords to Plowshares》
 4《パララクスの波/Parallax Wave》

マナソース:23
 4《税収/Tithe》
 4《金属モックス/Chrome Mox》
 4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
 11《平地/Plains》
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レガシーでの“生存”術 その7
ランドスティルは、この環境では避けては通れない厄介なデッキの1つ。禁止カード化によって《Mana Drain》→《ネヴィニラルの円盤》の必勝パターンは無くなったけど、デッキ自体はそれでもまだ健在。どんだけノン・ベーシック土地が迫害されようと、全然消える気配がないね。
ランドスティルはカウンター重視デッキで、《ミシュラの工廠》や《フェアリーの集会場》みたいな生物化する土地が勝ち手段。《行き詰まり》は、手札を与えてくれたり、足止めしてくれたりする。自分はミシュラ土地で殴るから、《行き詰まり》の影響を受けにくいね。たいていの場合、対戦相手は最速で《行き詰まり》を壊さなきゃいけないし、そこで引かれたカウンターでゲームをコントロールされちゃう。このデッキには色んなデッキへの耐性があって、考えられうるほとんどの状況へ対処する能力を積んでるんだね。

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     ランドスティル ソース提供:Jander78
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スペル:35
 3《もみ消し/Stifle》
 4《対抗呪文/Counterspell》
 4《(意志の力)/Force of Will》
 3《誤った指図/Misdirection》
 3《稲妻/Lightning Bolt》(or《蒸気の連鎖》)
 4《火+氷/Fire+Ice》
 3《ネヴィニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》
 3《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
 4《行き詰まり/Standstill》
 4《嘘か真か/Fact or Fiction》

土地:25
 4《不毛の大地/Wasteland》
 4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
 4《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
 3《汚染された三角州/Polluted Delta》
 1《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
 4《火山島/Volcanic Island》
 4《島/Island》
 1《山/Mountain》
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レガシーでの“生存”術 その6
ソリダリティ

ソリダリティは、この環境で“孤高な”存在とでも言うべき、純粋なコンボデッキ。《High Tide》を撃って、《転換》や《Reset》でアンタップして膨大なマナを作るのが基本。必要パーツは《瞑想》や《衝動》で引き込める。3-4ターンで自分のライブラリーを引ききった上、《思考停止》と《天才のひらめき》で勝てるんだね。そうそう、このデッキは《狡猾な願い》を使った銀の弾丸戦略も採用してる。ソリダリティは、このフォーマットで一番楽しいデッキの1つかな。何種類かのカードは集めるのが大変だけど、コンボ好きなら渡来してみる価値はあるデッキだよ。

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     ソリダリティ ソース提供:Deep6er
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スペル:41
 4《(高潮)/High Tide》
 4《(リセット)/Reset》
 4《転換/Turnabout》
 4《渦まく知識/Brainstorm》
 4《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
 4《衝動/Impulse》
 3《金言/Words of Wisdom》
 1《洞察のひらめき/Flash of Insight》
 3《瞑想/Meditate》
 3《狡猾な願い/Cunning Wish》
 3《思考停止/Brain Freeze》
 4《(意志の力)/Force of Will》

土地:19
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 2《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
 13《島/Island》

サイドボード:15
 1《天才のひらめき/Stroke of Genius》
 1《瞑想/Meditate》
 1《トレイリアの風/Tolarian Winds》
 1《思考停止/Brain Freeze》
 1《金言/Words of Wisdom》(多分換えた方がいい)
 1《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
 1《再建/Rebuild》
 1《残響する真実/Echoing Truth》
 1《冬眠/Hibernation》
 1《脱出/Evacuation》
 1《撃退/Foil》
 1《もみ消し/Stifle》
 1《青霊破/Blue Elemental Blast》
 1《無効/Annul》
 1《(ひそやかな拒絶)/Arcane Denial》
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注)《(溶けゆく氷河)/Thawing Glaciers》を使うバージョンもあるね

(つづく)
レガシーでの“生存”術 その5
UGマッドネス

新しいタイプ1.5の禁止カードが発表になったとき、誰もが「UGマッドネスが最強だ」って思ったはず。だって、《ライオンの瞳のダイアモンド》や《嘘か真か》みたいなカードが禁止になってないんだよ! でも実際のとこ、そんなカードはマッドネスに要らなかったんだ。ほとんど元の形のまんま、このデッキはTier1になっちゃった。
マッドネスは、アグロコントロールに分類されるデッキで、《日を浴びるルートワラ》や《尊大なワーム》みたいなマッドネスカードを迅速に使うために、ドロー手段やディスカード手段をデッキに積んでる。このデッキのもう1つの主役が《野生の雑種犬》で、パンプアップでのダメージ増加と、ディスカード手段の両方を担ってる。あとは、空を飛んでブロックを難しくする《不可思議》と、そして妨害手段としてカウンターが幾ばくか、コレがこのデッキの全て。このデッキは、テンポ戦略の一貫性と、手札を補充する継続性を併せ持ってるから、相手にすると厄介この上ないね。《もみ消し》みたいなカードでマッドネスを妨害して、若干テンポを崩せるのが救いかな。まぁ、全部のデッキがつめるカードじゃないけどね。

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     UGマッドネス ソース提供:GodzillA
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クリーチャー:21
 4《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
 4《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
 4《アクアミーバ/Aquamoeba》
 2《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》
 4《尊大なワーム/Arrogant Wurm》
 3《不可思議/Wonder》

スペル:17
 4《堂々巡り/Circular Logic》
 4《(意志の力)/Force of Will》
 3《帰化/Naturalize(ONS)》
 4《渦まく知識/Brainstorm》
 2《綿密な分析/Deep Analysis》

土地:22
 4《不毛の大地/Wasteland》
 4《汚染された三角州/Polluted Delta》
 4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
 4《(熱帯の島)/Tropical Island》
 3《島/Island》
 3《森/Forest》
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レガシーでの“生存”術 その4
ゴブリン・スライ

純粋なデッキのスピードだったら、ゴブリン・スライが一番じゃん? 《ゴブリンの群衆追い》や《ゴブリンの戦長》みたいな小っちゃい赤クリーチャーと、どう見てもオカシイ《ゴブリンの従僕》からなる一個連隊が、相手が対処する暇も無く殴り切っちゃう。《従僕》のおかげで、たまに2ターン目に《包囲攻撃の司令官》が出てきちゃって、それだけゲームが終わっちゃうこともあるね。このデッキには、伝統的な赤バーン戦略も組み込まれてて、《稲妻》や《Chain Lightning》に《Goblin Grenade》が目の前の邪魔モノをなぎ払ってくれる。ゴブリン・スライは環境で一番恐れられてるデッキ(他のデッキのサイドボードには対策カードが山盛り)だし、純粋に20点のライフを削りきるなら最適なデッキじゃないかな。でも、最近の適者生存デッキの横行と、UGマッドネスみたいなクリーチャー重視のデッキ増加によって、赤単じゃ限界が来てるのも事実。サイドの《剣を鋤に》や《解呪》のために《Plateau》を使ってるデッキをよく見るね。

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   ゴブリン・スライ ソース提供:GodzillA
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クリーチャー:23
 4《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
 4《モグの狂信者/Mogg Fanatic(TE)》
 4《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》
 4《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
 4《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
 3《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

スペル:15
 4《稲妻/Lightning Bolt》
 4《(連鎖稲妻)/Chain Lightning》
 4《(ゴブリン爆弾)/Goblin Grenade》
 4《火葬/Incinerate》
 3《火炎破/Fireblast》

土地:19
 4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
 4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
 3《(プラトー)/Plateau》
 8《山/Mountain》
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レガシーでの“生存”術 その3
緑赤サバイバル・アドバンテージ

環境に存在する3種類のサバイバルデッキのうち、ATSと緑赤は《ロフェロス》の恩恵に与っている。《スクィー》や《起源》、《憤怒》を使っているのも同んなじ。でもここから先、その他の構成要素はまったく違う。緑赤タイプだと、“何回も”ってことに凄くこだわってている。ATSがたった1体の《火炎舌のカブー》で我慢しているところを、緑赤はフルに4体いれちゃって、しかもそれを4回使ってしまう。こう組むことでデッキに一貫性ができるし、強靭になる。このデッキの名前の由来は、ドローエンジンとして《火と氷の剣》を採用していたところ(ちなみに、禁止前はこのスロットは《頭蓋締め》だったね)。純粋なアドバンテージとしても重宝だけど、ゴブリンやその他の赤いデッキ対策も兼ねてた。しかも、《起源》を使った《貪欲なるベイロス》の循環エンジンも積んでたんだから、デッキ自体がビートダウンデッキには悪夢。たまに、この辺のパーツで殴り切っちゃうこともあったりね。あと、《シヴのワーム》は《火炎舌のカヴー》みたいな187カードを回収するために入ってる。この7/7トランプルってサイズ自体はオマケみたいなものだね。緑赤サバイバル・アドバンテージがレガシーのデッキのトップ10に入るのは間違いないけど、ATSとの境界があいまいだから、その亜種なんかも出て来るんじゃないかな。

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緑赤サバイバル・アドバンテージ ソース提供:Quicksilver
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クリーチャー:35
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
 1《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》
 1《ヴィリジアンの盲信者/Viridian Zealot》
 4《トロールの苦行者/Troll Ascetic》
 3《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》
 3《永遠の証人/Eternal Witness》
 2《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
 4《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》
 4《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
 1《シヴのワーム/Shivan Wurm》
 1《錯乱した隠遁者/Deranged Hermit》
 1《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》
 1《起源/Genesis》
 1《憤怒/Anger》

スペル:4
 4《適者生存/Survival of the Fittest》

土地:21
 4《(タイガ)/Taiga》
 4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
 12《森/Forest》
 1《山/Mountain》
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レガシーでの“生存”術 その2
Angry Tradewind Survival

略してATS。このデッキは《適者生存》を使い倒すようにデザインされている。勝ちパターンは主に《貿易風ライダー》によるロックかな。このデッキと、旧来のサバイバルデッキとの違いを挙げるんなら、《ラノワールの使者、ロフェロス》を採用してることだね。一見、大したこと無さそうに見える伝説のエルフは、デッキを2ターン分くらいはスピードアップしてくれる。しかも《憤怒》で速攻を得たり、《クウィリーオン・レインジャー》でアンタップしたりするんだから、《適者生存》を使い倒すための最良のパートナーじゃん? でもATSは、愚直に最速ロックを目指すんじゃなくて、“ツールボックス”としての側面も併せ持っている。メタゲームが幅広いレガシー環境で、色んなデッキに対する備えをわずか緑1マナで調達できるんだ。《スクィー》や《起源》、《憤怒》なんかは、それらの備えをより迅速かつ効果的にそして経済的に使う手助けをしてくれたりとか。そーゆうアドバンテージによって、ATSはレガシーの最強デッキとして君臨してるね。

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       ATS ソース提供:Diablos
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クリーチャー:25
 4《極楽鳥/Birds of Paradise》
 2《クィリオン・レンジャー/Quirion Ranger》
 3《根の壁/Wall of Roots》
 1《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》
 2《永遠の証人/Eternal Witness》
 4《貿易風ライダー/Tradewind Rider》
 1《エルフの抒情詩人/Elvish Lyrist》
 1《胞子カエル/Spore Frog》
 1《金粉のドレイク/Gilded Drake》
 1《ウークタビ・オランウータン/Uktabi Orangutan》
 1《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》
 1《憤怒/Anger》
 1《マスティコア/Masticore》
 1《神秘の蛇/Mystic Snake》
 1《種子生まれの詩神/Seedborn Muse》
 1《起源/Genesis》

スペル:17
 4《適者生存/Survival of the Fittest》
 4《渦まく知識/Brainstorm》
 3《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
 2《マナ漏出/Mana Leak》
 4《(意志の力)/Force of Will》

土地:18
 2《(サバンナ)/Savannah》
 1《(タイガ)/Taiga》
 4《(熱帯の島)/Tropical Island》
 4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
 2《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
 5《森/Forest》
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レガシーでの“生存”術 その1
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↓前書きと予定表みたいなもの
http://diarynote.jp/d/60094/20060116.html

クレジット

 原題:Legacy- A Survival Guide
 著者:ひねくれリスさん(CynicalSquirrel)
 ソース:http://mtgsalvation.com/article/29/legacy-a-survival-guide/

この翻訳文は、カバ雄個人の裁量によって、非営利目的で作成いたしました。一切の責任はカバ雄に帰属します。誤訳/不適切な表現など無きよう充分に配慮致しましたが、もしご在ましたらご指摘頂けると幸いです。


レガシー、昔はタイプ1.5って呼ばれてたやつだね。マジックのフォーマットの中じゃかなり制限の少ない環境じゃないかな。このフォーマットではいろんなデッキが勝ってるし、オリジナルデッキもコピーデッキもごちゃ混ぜだけど、デッキの分類自体は不可能じゃないはず。普段スタンダードばっかりやってるプレイヤーには、ちょっと敷居が高いかもしれないけどね。だから、この記事は、レガシーを始めてみようって人のために書いてみようと思う。どんなデッキが有名なのか、そのデッキの動かし方はどうやるのか、どんな風に環境に適応させてるべきか、参考にしてみて。

みんな知ってると思うけど、数ヶ月前まではタイプ1.5は“偏った”フォーマットだったんだ。でも、タイプ1から完全に分離するって方針をウィザーズ社が打ち立ててから環境は大激変。だって《Bazaar of Baghdad》とか《Mana Drain》が禁止になったんだから、お馴染みの《金属モックス》や《嘘か真か》なんかが活躍できる余地が出てきたんだ。タイプ1はカード資産がモノを云う環境だけど、レガシーはそれと一線を画そうと、ウィザーズ社は考えたんだと思う。レガシーは生まれたばかりのフォーマットだから、環境にはTier1なデッキがいっぱい存在している。そんなデッキを通してレガシーのメタゲームを見ていこう。

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